「65歳以上の高齢者が人口の29%・高齢者の就業率25%・G7で最高」と「2人孤独死(朝日新聞)」

🔲日本の高齢化率3割近く!働く高齢者が「4人に1人」!すごいことになってきました:

内田樹さんがリツイート

 
 
 
ガイチ
 
@gaitifuji
高齢者4人に1人が労働者 総務省推計、65歳以上人口が29%超に朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASP9M “高齢者の就業者数は17年連続で増え、906万人と過去最多を更新した。就業率も9年連続で上昇して25%を超えた。日本は主要7カ国(G7)の中では最も高齢者の就業率が高い”
  総務省20日敬老の日に合わせ、2015年の国勢調査を基にした高齢者の人口推計を公表した。65歳以上の人口は前年より22万
人増えて3640万人、総人口に占める割合(高齢化率)は29・1%となり、それぞれ過去最高を更新した。政府が「生涯現役社会」を目指
す中、高齢者の就業率は25・1%と初めて「4人に1人」に達した。

◎手元に朝日新聞の切り抜きがあります。9月15日から3日間のシリーズです。どこかで触れたいと思っていてそのままになっていました。今日丁度敬老の日というので、取り上げてみたいと思います。

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「2人孤独死上中下の3回シリーズ。まず「孤独」というと「独り=一人」のことでした。私が民生委員をしていた頃(このブログを始める前の8年間足らずの間)、一人暮らしの高齢者は見守り対象で必ず把握して月一回は訪問していましたし、状況によっては社協の一声訪問員さんも訪問して孤独死に至らないよう気を付けていました。ところがこのシリーズが扱っているのは「2人孤独死」ということで「孤独」は「孤立」という意味に変わっています。

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◎大きな見出しを並べるだけで内容が想像できますので記事の一部を引用しながら並べてみます。

(上)「80代 2人だから大丈夫と」

  母の遺体 傍らには外れた受話器

  病気のこと 何も話さなかった父

▼男性(49)は2019年1月10日、二人の死を知らされた。「2人とも、ですか?」腎不全を患っていた父(当時88)、足も心臓も弱くなっていた母(当時83)。男性は当時の状況をこう考えている。父は入浴中に気を失ったのか、浴槽に沈んだ。それに気づいて引き揚げようとしても、母にはむずかしい。諦めて長男である男性の電話番号を探し、受話器を手に取ったがそのまま倒れ、衰弱の末に亡くなった―――。

 

(中)「老々介護の末ともに凍死」

 SOSなし 見守り届かず

▼2018年12月のこと。大阪府枚方(ひらかた)市の住宅街。高齢夫婦の玄関扉の下から水が流れ出ていた。気づいた70代の女性は夫に相談し、自治会の役員を呼んだ。扉の鍵はかかっておらず、開けて声をかけても反応なく、警察官が中に入り夫婦の遺体を見つけた。枚方署によると妻(当時89)は1階の和室のコタツに足を入れて横たわり、夫(80)はそのそばで仰向けに倒れていた。ともに凍死。

いつ亡くなったかは定かではない。2日前の最低気温は零下0.2度だった。水は、台所の蛇口から出しっぱなしで、シンクからあふれていた。夫婦を知る人によると、妻は認知症の症状がみられた。脳梗塞の後遺症で歩くのが難しく、視力も弱かったとみられる。介護は夫が担い、通院や買い物の際、妻の身体を支えて付き添う姿が見かけられていた。高齢者同士の「老々介護」。夫が先に倒れ、妻も助けを呼べぬまま、亡くなったのだろうか。

大阪府内で昨年末からの半年で「2人孤独死」とみられる事例が、府警への取材で把握できただけで少なくとも5世帯10人にのぼる。

(下)「困窮『ひとごとじゃない』」

   福祉の枠外 地域の目と共に

10年前の2011年1月、大阪府豊中市のマンションの一室で、63歳と61歳の姉妹の遺体が見つかった。所有する不動産を差し押さえられ、困窮の末、餓死や病死したとみられる。地元の社会福祉協議会が対策に乗り出した。

中心になったのが、NHKドラマ「サイレント・プア」(14年)のモデルにもなった地域福祉のスペシャリスト、社協で福祉推進室長を務める勝部麗子さん。

番組のみどころ | サイレント・プア (nhk.or.jp)

サイレント・プア | NHKドラマ10

亡くなった姉妹は65歳以上の高齢者でなく、障害者でも要介護者でもない。生活保護も受けていなかった。でも実際には経済的に困り、社会から孤立していた。「まさに『制度のはざま』にいる人たちでした」。

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そこで始めたのが「見守りローラー作戦」だった。民生・児童委員やボランティアと一緒に、自治会に入っていない世帯を含め、気になる地域の家を一軒一軒だずね、毎年4千軒ほどを廻った。すると、30~40軒に1,2軒は心配な世帯にいきあたった。

地域の人たちの「発見力」と、勝部さんらコミュニティソーシャルワーカーの「解決力」が車の両輪だ。「活動のなかで、共倒れをぎりぎりで防ぐことが出来たケースは少なくありません」と言う。

例えば、高齢者同士の「老々介護」。さらには認知症同士の「認認介護」。あるいはひきこもっていたり障害があったりする中高年の子を高齢の親が支える「8050問題」などもある。

目下の課題は、コロナ禍だ。飲食店主やだくしー運転手、観光業者ら、多くの人が収入を絶たれた。これまで福祉に無縁だった人たちがほとんどで、追い込まれても、自らSOSを出さない、出せない傾向があるという。

 住民から「公園にホームレスの人が増えている」連絡をもらい、支援につなげようと現場を訪れても、「自分よりもっと大変な人を助けてあげてほしい」「会社を倒産させた自分が悪い」という声が返ってくる。勝部さんは「困りごとを気軽に言い出せる社会にしなければいけないのに、その状況は本人のせい、という『自己責任論』が世の中に満ちている」と言う。

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