「福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで/『明日のハナコ』排除撤回を!」

◎ご近所のSさん宅、西日に映える皇帝ダリアの花。

 今年は茎が3本に増えていました。

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🔲井上淳一氏のツィッターをご紹介しようと思います。

井上淳一氏は脚本家であり映画監督でもあって、私は、2年前の2019年の11月3日、文化の日を思い出します。映画『誰がために憲法はある』と井上淳一監督のトークとパンフレットから - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)

文化の日」、本来なら「憲法記念日」であるべき新憲法(戦後生まれた新しい憲法)の施行日でしたが、GHQから明治節明治天皇の誕生日)と重なるのでダメと言われ、憲法公布日の5月3日が憲法記念日になったという。それほど王政?復古?(天皇制)をGHQは警戒していたということです。で、私が観た映画は、4日の日に上映されたものでした。この日から、私は、映画「誰がために憲法はある」を監督された井上淳一氏のツィッターをフォローするようになりました。その井上氏のツィッターからです。

福井県は言わずと知れた原発大国。風光明媚な若狭湾原発が13基もあります。大阪は関西電力がこれら原発の電気をもらっています。我が家はそれが嫌で関電とは縁を切りました。福井県民は原発事故の危険と隣り合わせですが、見返りに大金をもらっています。文化、教育、運動などの施設が立派です。

chikyugo_07.pdf (athome.tsuruga.fukui.jp)

今回、高校演劇部の顧問の先生が書いた脚本でお芝居をしたら、芝居は勿論映像で残すことも脚本を読むことも禁止されてしまいました。そのことについて、詳しく書かれています。またお芝居の台本そのものも読むことができます。とても面白い出来の良い脚本です。お笑いを取り入れながら真面目に原発について考える内容です。全国の高校の演劇部で上演されるといいなと思いました。これしきの内容で大人が電力会社に忖度して表現の自由を奪うことは許されないと思います。私も署名しました。

こちらで排除撤回の署名が出来ます

( ↓ 囲みの中の「キャンペーンChange.org」の青アンダーラインをクリック).

福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで!顧問会議は『明日のハナコ』の排除を撤回してください。

 
 
井上淳一
 
@gomikari
こうやって表に出るのは氷山の一角で、こいうことは頻繁に起こってるんだろう。もしくは作品になる前に潰されているか。忖度や自主規制という名の「無自覚な表現の自由の放棄」は本当に気持ち悪い。声を上げた高校生はエラいと思う。微力ながら賛同しました。 chng.it/JCLY7vRF via
あなたの声がチカラになります
福井の高校演劇から表現の自由を奪わないで!顧問会議は『明日のハナコ』の排除を撤回してください。
 
 

台本はコチラで読めます

 
 
 
 
@gomikari
問題になった『明日のハナコ』の台本はコチラで全文読めます。
「明日のハナコ」上演委員会
福井の高校演劇から表現の自由を失わせないための 『明日のハナコ』上演実行委員会の活動ホームページです。

チェンジ・オルグから『上演禁止の経緯』をコピーです(台本の一部も読めます)

――「ハナコ」にもう一度会いたい!――

 「ハナコ」というのは、『明日のハナコ』という劇の主人公の名前です。

 この劇は今年9月の福井県高校演劇祭で、福井農林高校演劇部によって上演されましたが、その後、映像を残すことも、脚本を読むことも禁止され、マボロシの舞台にされてしまいました。

 いったいなぜ、『ハナコ』は禁止されたのでしょうか。

●『明日のハナコ』あらすじ●

 舞台はある高校。「ハナコ」たちは今度上演する劇の稽古をしている。その劇は、1948年の福井震災から始まって現在までの歴史をたどるものだった。学校のこと、仕事のこと、戦争のこと、原発のこと、未来のこと・・・

 彼女たちはさまざまなことを考え、そして成長していく。

           *

このたび、福井農林高校演劇部の上演にかかわる顧問会議の一連の動きを、重大な表現への抑圧だと考える有志が、実行委員会を立ち上げ、上演にむけて活動を始めることにしました。実行委員会の求めることは、以下の通りです。

・10月8日の顧問会議で行われた決定3項目を撤回すること。               (ケーブルテレビでの放映の禁止/記録映像閲覧の禁止/脚本集の回収)

・福井農林高校演劇部員たちへ誠実な謝罪をすること。

・今後演劇表現の内容をもとにあらゆる不利益な扱いをしないこと。

・表現の内容に理不尽な介入をしないこと。

・人権侵害を行ったことへの真摯な反省を表明すること。

【ことの経緯】

 2021年9月18日~20日、例年どおり県の高校演劇祭(演劇部の県大会)が県民ホールで開かれ、福井農林高校演劇部は「明日のハナコ」という劇を上演しました。創作作品です。この世界はいったいどうなるのだろう、自分たちはどうなるのだろう、と不安と闘う少女の成長の物語です。原発の問題、生きる上で大切な誠実の問題、などが盛り込まれていました。

 新型コロナウィルスが猛威を振るっていた時期だったので、今年は無観客での上演になりました。見る人がいないのでは劇とは言えません。しかし、例年、演劇祭の劇は「福井ケーブルテレビ」が録画・放映してくれることになっていたので、部員たちは救われる思いだったのです。

       *

 ところが、9月20日、その福井ケーブルテレビより、福井県高等学校演劇連盟に対して連絡がありました。。

「福井農林高校の劇の放映について、社内で審議にかかるかもしれないので連盟としての意見を求めたい」

「個人を特定する点、原発という繊細な問題の扱い方、差別用語の使用などについて懸念している」とのこと。

 そこでその日に行われた顧問会議の結論は、

「ケーブルテレビ局内の意向を尊重する」。つまりケーブルテレビ側が放送しないと決定したならばそれに従う、というものです。

その理由としては、

1 この劇には、反原発・個人名・差別用語が含まれている。放送後、それらを取り上げられて、生徒や福井農林高校に非難が寄せられることを憂慮する。学校は教育的に生徒を守らなければならないから。

2 福井農林高校の劇は、表現方法はともかく、上演に問題はないと思う。ただ、不特定多数の人目に触れる放送はいかがなものかと思う。

3 高文連は原電からの支援を受けている。また、ケーブルテレビも原電と関係のある企業がスポンサーになっているかもしれない。これからもケーブルテレビと良好な関係を保ちたい。放映すると影響がでる。

 「1」について、まず差別用語は、劇を見てもらえばわかりますが、差別意識を持った取り上げ方はしていません。個人名についても、図書館にある書籍をそのまま引用したものです。反原発については、たとえば「原発からの支援を受けている」という意見には、こう反論したいのです。補助金は、活動の思想的方向や表現内容についてなんら干渉するものではないし、これまでも干渉した例はないはずです。そういう性質の支援であるからこそ、公的な組織が(高文連は県の組織です)は公明正大に受け取ることができるのです。もしも干渉があって、内容を規制しなければならないようなものであれば、それも意見の一方を否定するようなものであれば、そのような助成を受け取っている県が裁かれる事態になってしまうし、即刻県はその助成を返上すべきだというのが、行政上の通念だと思われます。したがって、「3」の理由がまかりとおれば、これ以降、福井では原子力発電の危険性を訴えるような劇を作れないことになります。表現してはいけない分野を生んでしまうことになります。また、原発に関係する内容次第では社内で審議にかかるなどと、排除する可能性も示すのがケーブルテレビなら、むしろ結果的に表現の自由を制約することになるそうしたケーブルテレビの姿勢こそ、問われるべきです。そう主張して生徒を守るのが教員の仕事じゃないでしょうか。

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 その後、福井農林高校演劇部生徒たちの反応を聞き取ったのちに、10月8日に再度、顧問会議が開かれ、あらためて次の三項目が、決定されました。採決もなく、でした。

・福井農林高校の劇だけはケーブルテレビでは放映しない。

・DVDはつくらず、記録映像を閲覧させない。

・脚本集はすべて回収する。

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会議ではスクールロイヤー(顧問弁護士)の意見として次のような見解が述べられました。

・劇中における反原発の主張は、表現の自由が保障されるので問題ではない。

・人権尊重の立場から、表現の自由は制限されることがある。

・劇中使用された「かたわ」という差別用語は、使用するだけで駄目である。

 顧問会議で具体的にどのような討論があったのか、議事録が公開されないのでわかりませんが、最後の「差別用語は使用するだけで駄目」という理由が会議の流れを強く決定したとのことでした。

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この問題について、県内の別の弁護士に尋ねたところ、以下のように教えてくださいました。

・その単語を使用したからすなわち違法であるという判断は、法律家としてあり得ない。そのような見解を述べる法律家はいない。まして、スクールロイヤーは良識ある人物が選ばれているのでそのような判断をしたとは考えられない。

・問題となる差別用語だが、もし、この劇が前敦賀市長と同じ立場に立って障碍者を差別したのであれば問題だが、反原発の立場から批判的にこの言葉を述べている以上、そこに差別意識はなく、よって問題ではない。

・前敦賀市長は公人であるから、特定の個人を非難したという批判も当たらない。当然、遺族からの名誉棄損などということも起こりえない。

・もし万が一クレームがあったら、と考えるのは怖れすぎである。その単語だけを切り取って何者かがクレームをしてくるということはおよそ考えにくい。

 つまり、この差別用語の問題は、放映の禁止や脚本の回収をする根拠にはなりえないということです。

 上演した生徒たちは、「いわれなき批判がくるかもしれない」と聞かされて、不安な面持ちになりました。けれども、そのあと、それでも放映してほしいと言いました。悔しい、と泣いていました。自分たちが稽古してきた劇が放送してもらえないのは悔しいと。

 私たち実行委員会は、どうしても、その泣いた生徒のことを考えると何かしないではいられないという気持ちになります。生徒たちは、自分たちの劇がテレビ放映にふさわしくないと思われたことに傷ついています。生徒たちは、信じてもらえなかったということに傷ついています。稽古しながら、原発の問題や社会の問題について、自分たちでも調べました。「こういうことは今まで考えたこともなかった」という部員もいました。それでいろいろ考えるようになった。それこそ「学習」というのではないでしょうか。

 世界に類のない原発集中立地のこの県で、こうした表現の抑圧がまかりとおるようになれば、日本中の表現者にとって、重大な抑圧への一歩です。表現の自由は、基本的人権の最重要な一つです。生徒たちの表現への悪罵とも言える三項目の決定は、あらゆる人の基本的人権に対する敵対宣言と言えます。

 今これを看過したら、今後も権力者や学校当局などにとって不都合な表現は演劇部活動では抑圧・排除されることになるでしょう。すでにそういう動きが、他の学校の劇に対しても圧力としてなされています。これはとても危険な動きです。私たちは、歴史に汚名を残しかねないこの愚行を撤回させたいと思います。心ある市民の皆さんの署名の力で、撤回させたいと思います。ご協力お願いします。

 また、「明日のハナコ」を県内演劇部員、演劇部顧問教員、一般市民の方々に実際に鑑賞していただけるような企画も考えています。劇を実際に上演し、その後、差別用語の成り立ちなどについて、あるいは原発の問題について、みんなで考える催しです。書籍を執筆されている著述家・専門家の方にもご登壇いただけるよう、調整中です。

 日本劇作家協会の言論表現委員である劇作家鈴江俊郎氏(愛媛県在住・元桐朋学園芸術短期大学演劇専攻教授)も、これは単に高校演劇にとっての問題であるだけでなく、表現の権利が大きく歪められた、世界にとっての人権問題なのだと考え、実行委員会に参加されました。起こった事件をありのままに知っていただいて、あるべき姿とはどういうものなのか、皆さんとともに考え始めるための企画です。是非ご参加ください。

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ハナコ  ほら、たくさん家やらビルやらあるだろ。                      こっからだとちっちゃなオモチャみたいに見える。あの中にはたくさん人間がつまってんだ。

ちっちゃなオモチャみたいな人間が。ご飯作って、洗濯して、掃除して、働いて。

あの中にオレの親父がつとめていた会社があった。

建設系の会社でさ、親父はそこの係長だった。

ある時、会社は新しく道路を造る仕事を請け負った。何十億ってお金が動く、でっかい仕事だ。

うまくいけば会社は大もうけできる。社員もたくさん給料がもらえる。

でも、その道路は自然保護区のすぐそばを通ることになってた。

それでどうやってもその道路は環境破壊になってしまうことがわかったんだ。

なんとかっていう絶滅危惧種の鳥がそのへんに生息してたらしい。

親父はそれを上に報告した。

そしてもちろん、握りつぶされた。

そりゃそうだ。何たって何十億だからな。

会社の中で、親父に味方するヤツは一人もいなかった。

でも親父はバカだった。

そのレポートを新聞社に持ち込んだ。自然保護団体に持ち込んだ。ネットにアップした。

大騒ぎになった。

道路の計画は中止になった。

何とかって鳥は助かった。

そして親父は会社をクビになった。

親父はバカだと思う。大馬鹿だと思う。

学校の中でこんだけイジメが起きてるんだぜ。

そんでみんなその学校を出てるんだ。

だから会社にイジメがあるのは当たり前だ。

だからこの世界にイジメがあるのは当たり前だ。

だから、オレはときどき、この全部を踏みつぶしたくなるんだ。

            (福井農林高校演劇部「明日のハナコ」上演台本より)

 

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