「SDGs~誰一人取り残さない(村木厚子)」と「欧州の『脱炭素』がプーチンを追い詰める?(志葉玲)」

◎大阪のコロナ感染者や死者数が増え続けた先月、わが市の感染者数も100人を超える頃ありました。いつも雑誌や新聞交換のついでにお茶飲み話をしていましたが、控えますと言われ、そうね、その方がイイかなということに。Sさんからはポストに入れますと連絡があります。先日は奈良の友人から届いた伊予柑があったので、私の方から届ける雑誌と返す雑誌と伊予柑を持ってマンションを訪ねドア前で交換しました。

その時受け取った「ハルメク」3月号の記事の中からです。

村木厚子さん、と言えば、元厚生労働事務次官で、郵便不正事件で冤罪を被り164日の拘留を強いられる経験を大阪でされました。現在66歳。その村木さんの「毎日はじめまして」というコラムのタイトルがSDGs~誰一人取り残さない」でした。

この頃SDGs(持続可能な開発目標)と言う言葉をよく聞きます。SDGsは、2015年9月に国連の「国連持続可能な開発サミット」で採択された、人間、地球及び繫栄のための行動計画で、17の目標と169のターゲットから構成されています。そして「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

・何の頭文字か分かると覚えやすいので、Sustainable Development Goals

◎目標でも17、ターゲットでは169と多いのでなかなか覚えられません。ところが村木さんはその覚え方を書いていますので書き移してみます。

17の目標は、1)貧困、2)飢餓、3)健康と福祉、4)質の高い教育、5)ジェンダー平等、6)安全な水とトイレ、7)クリーンなエネルギー、8)働き甲斐と経済成長、9)産業と技術革新の基盤、10)人や国の不平等、11)住み続けられるまちづくり、12)つくる責任つかう責任、13)気候変動、14)海の豊かさ、15)陸の豊かさ、16)平和と公正、17)パートナーシップ、と多様です。

こんなにあってはなかなか頭に入りませんが、ある人が、日本に古くからある「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)に「地球よし」「未来よし」を加えたものだよと教えてくれました。

 目標はたくさんありますが、取り組むときは自分の関心のあること、身近なところから取り組めばいいのではないかと思います。私は3つの目標に注目しています。

と書いて、1の貧困、5のジェンダー平等、17のパートナーシップを挙げておられます。

最後の部分を書き移しです:

 ところで、皆さんは「誰一人取り残さない」という言葉をどう思いますか。私は「理想はそうだけど、余りにもきれいごとでは?」と思って、モヤモヤしていました。そんな時、ある人に「鉄の小さな輪がたくさんつながった鎖の強さは何で決まるか知ってる? 一番弱い環の強さで決まるんだよ」と言われました。確かに社会は小さな輪が連なった鎖のようなもの。そこに強い力がかかったとき、弱い輪が一つでもあれば鎖はそこで切れてしまいます。私たちの今の社会で起きているさまざまな出来事を、そういう目でもう一度眺め直して、「誰一人取り残さない」と言う言葉の意味を改めて考えてみようと思います。

◎なるほど、鎖の強さは強い部分ではなくて「弱い部分の強さ」にかかっている。確かにその通りですね。とても良い考え方だと思いました。

f:id:cangael:20220214110901j:plain◎土曜日、津田梅子の生涯がドラマ化されて見たいと思っていました。ところがすっかり忘れて見逃してしまいました。日曜日、Sさんと電話で話していて、彼女も見逃したと。その原因が「ウクライナ」でした。何をしていても気になって仕方がなく、すっかりドラマのことを忘れてニュース番組やほかの番組を見ていたようです。世界から見れば戦争中の日本は今のロシアみたいだったんだろうな~とか、ウクライナはどうなるんだろう~、映画「禁じられた遊び」の避難シーンみたいとか……気になります。

◎そのウクライナ危機について、先日「shuueiのメモ」さんが取り上げておられたので知ったのですが、プーチン氏を追い詰めるか?欧州の対抗策は「脱炭素」―ウクライナ危機 - shuueiのメモ (hatenablog.com)

🔲「脱炭素」でプーチンを追い詰めることが出来るという記事です。挿入されていた写真を省いて文字のみコピーです:(全文は「shuueiのメモ」さんor ↓のYahoo!で)

プーチン氏を追い詰めるか?欧州の対抗策は「脱炭素」―ウクライナ危機

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和
*1
 
 
 あまりに傲慢であまりに愚かと言うべきだろう。ロシアのプーチン大統領は、24日、対ウクライナ軍事作戦を決定してしまった。ウクライナ政府軍と親ロシア派が衝突を繰り返しているウクライナ東部のみならず、同国首都キエフ近郊もロシア軍によって攻撃されるなど、事態は全面戦争に発展しつつある。ロシアの圧倒的な戦力ならば、軍事的に勝利することも容易、プーチン大統領はそう考えているのだろう。だが、露骨な「力による現状変更」は、国際社会のプーチン大統領への不信感を決定的にした。それでなくても地球温暖化防止のため、脱炭素社会を目指す欧州は、ロシアの天然ガスや石油への依存を見直し、それはプーチン政権の終わりの始まりとなるのだろう。
 

◯ロシアのガスへの依存、欧州が見直しへ

 ウクライナ情勢が緊迫する中、ここ最近、欧州で活発に論議されていたのが、エネルギー受給における「脱ロシア依存」だ。ロシアは豊富な地下資源を誇り、とりわけ天然ガスの埋蔵量・生産量ともに世界最大で、石油も原油生産量で米国やサウジアラビアに次ぐ第3位(2019年)。そして、欧州各国は、EU欧州連合)全体として、発電や暖房等のための天然ガス需要の約4割をロシアに依存してきたのである。その気になれば、ロシアは欧州各国をエネルギー危機に陥らせることもできる―それが、プーチン大統領の強気さの要因の一つであることは間違いない。実際、ドイツがウクライナ情勢を鑑み、ロシアからの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の計画を停止したことについて、プーチン大統領の側近でロシア前首相のメドベージェフ氏は、「よろしい。EUは法外な価格で天然ガスを買うことになるだろう」と自身のツイッターに投稿しているのだ。

 

こうした、天然ガスを外交・安全保障上の「武器」として使ってくるロシアにエネルギーを依存してきたことへの反省の弁がEU内であがってきている。例えば、EU委員会で温暖化対策を担当するフランス・ティメルマンス副委員長は、今年1月、欧州各国の環境大臣らの会合で「プーチンの懐を肥やしたくないのなら、(太陽光や風力などの)再生可能エネルギーへの投資を迅速に行うべき」「人々に安定してエネルギーを供給したいのであれば、再生可能エネルギーがその答え」と語ったという(通信社「ブルームバーグ」等が報道)。

(中略)

◯脱石炭だけでなく脱ガス、欧州の再エネ移行が加速

 石炭火力発電に比べれば、天然ガス火力発電から排出されるCO2は半分程度であるため、EU各国は脱石炭をすすめる一方、天然ガス火力への依存を深めてきた。しかし、それは破局的な温暖化の進行を防ぐものではないとして、グレタ・トゥーンベリさんはじめ多くの環境活動家や気候学者らが見直しを求めてきたことなのだ。今回のウクライナへの侵攻で、欧州各国のプーチン政権下のロシアに対する不信感は決定的となり、また天然ガス原油の供給不足や価格上昇と相まって、再生可能エネルギーの推進や省エネ化がより進むことになるだろう―そう観るのは、筆者だけではなく、米国のテレビネットワークのCNNや、著名誌『タイム』、英紙『ガーディアン』なども同様の論調で報じている。

◯ロシア経済に打撃

 こうした、ロシアの天然ガスから再生可能エネルギーへのシフトが欧州で進むことで、プーチン政権の「武器」となっていた天然ガスは諸刃の剣として、ロシア経済を揺るがすことになる。ロシアの輸出全体の中で、以前よりは若干減少しているとは言え、EUは最も割合が大きく4割強を占める。もし、これが失われるのなら、ロシア経済にとっては大きな打撃だ。なぜならば、ロシアの政府歳入の約5割を石油・ガス関連収入が占め、文字通り国家の財政基盤であるからだ。仮に、欧州各国だけでなく、米国の呼びかけで日本や韓国、インド、トルコ等がロシアの天然ガス輸入を止めた場合は、さらにプーチン政権は苦しくなる。中国がロシアからの天然ガス輸入量を増やすかもしれないが、中国もまた脱炭素社会の実現に向け、猛烈な勢いで再生可能エネルギーを増やしている。ごく短期的ならともかく、中長期的に欧州その他の国々の穴を中国が埋められるかは、何の保証もない。また、中国に大きく依存することで、同国に経済的に支配されるリスクもある。つまり、プーチン大統領は、軍事力でウクライナを圧倒することはできるだろうが、国家戦略としては、ウクライナへ軍事侵攻した時点で、既に負け始めているとも言えるのだ。

◯日本も再エネ移行を急げ

 ウクライナ危機は、日本にとっても他人事ではない。ロシア軍の侵攻開始によって、石油や天然ガスの価格は高騰し、日本経済にも悪影響が及ぶだろう。だからこそ、EUと同じく、エネルギー安全保障と脱炭素を兼ねて、再生可能エネルギー中心の社会の実現へギアを上げていくべきである。それは「力による現状変更」に対して、ただ「遺憾」の意の表明するではなく、毅然とした対応をしっかりと取るという意味においても重要なことなのだ。

 

 最後に、これまで中東の紛争地を取材してきた者としては、流される血が一滴でも少ないうちに、一刻も早く戦争が終結することを心から祈りたい。

(了)

 

*2022年2月25日19時20分更新 記事タイトルを変更しました。

 

プーチン氏を追い詰めるか?欧州の対抗策は「脱炭素」―ウクライナ危機(志葉玲) - 個人 - Yahoo!ニュース

*1:ここに脚注を書きます