始まったドラマ「エルピス」と映画/「天間荘の三姉妹」と「線は、僕を描く」

◎水曜日のヨーガは珍しく全員参加でした。最近、真面目に?ヨーガのポーズをとることが多く、先生から話題が出ることもあまりなかったのですが、今週は違いました。おしゃべりに花が咲いてポーズの方が疎かになって時間が来てしまうという事態に。

まずスタート前に、前日の天体ショーが話題に。442年ぶりの「皆既月食X天王星食」だとかで、私も、始まった7時過ぎから、20分おきくらいに外へ出たり入ったりでした。満月に地球の影が重なって神秘的な赤みがかったオレンジ色になる月を見ました。

小さないつものカメラを向けて撮って見ましたが、色が出ていません:

後半、話題になったのはアメリカの中間選挙についてでした。トランプさんが又出てきたら大変なことになる、嫌だね~、なんでアメリカがあんなことになったのか?アメリカがウクライナから手を引いても大変だし、アメリカファーストになれば、日本も大変なことになると。滅多にお話に加わらない、Kさんまで、「今の大統領はヨレヨレやで…」と言い出したので、みんなで大笑いになりました。今朝のニュースでは民主党が「下院でも善戦」、共和党の「レッド・ウェーブ起きず」でホッとしました。

アメリカが共和党の、それもトランプさんを担ぎ上げるようになったのは貧富の差が大きくなったからよね、ということで、アメリカどころの話ではなく日本も富裕層が自分たちのことしか考えないようになると社会があんな風に危険な方向に行く、実際かなり危なくなっている。一国の元首相が白昼銃撃で即死するというのは相当危険な国になっているという証拠です。

連続ドラマ「エルピスー希望、あるいは災いー」

今年の秋ドラマがスタートしています。医療関係のドラマが多かったり、色々ありますが、これを見たらもう映像は美しいし内容はスリリングで他のはどうでもいい(「ファーストペンギン」は見ます)と思ってしまうドラマが始まりました。私はNHKで放送された渡辺あや脚本松坂桃李主演のドラマ今ここにある危機と好感度について」は再放送時に録画して残しました。今回のフジテレビ系月曜10時の「エルピス」は第1回の録画分から保存決定です。それほど今期ダントツドラマだと思います。

エルピス」って何だろうと思ったら、パンドラの箱を開けたとき最後に残ったものが”エルピス”というのだそうです。それで「希望 or 災い」というのですね。

長澤まさみさんが美しいし、メディアの世界に居ての苦渋をとても上手く表現しています。ピリリと風刺の利いたセリフが刺さります。カンテレ制作という事にも意味があるようです。

10月の番組出演情報 | トピックス | エルピス —希望、あるいは災い— | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)

早速日曜日の朝日新聞にも取り上げられていました:

☆下の写真、右端の女性、あれっ?三浦透子さんじゃなくて? だれ? と思ったら、この方が脚本家の渡辺あやさん! 2011年のNHK朝の連続テレビ小説カーネーション」(小篠綾子とヒロコ、ジュンコ、三姉妹のドラマ)の脚本がそうでした。尾野真千子さん、綾野剛さんの演技も良かったですが、戦争が色濃く描かれていたのも印象に残っています。

東京新聞の望月記者のツィッターから:

 
 
 
 
 
 
 
望月衣塑子
 
@ISOKO_MOCHIZUKI
尊敬する渡辺あやさんへのロングインタビュー、石原真樹記者が取材 「エルピス」脚本家・渡辺あやさん 6年越しの脚本に込めた危機感と覚悟東京では書けないこと 心えぐるせりふの数々、深い人物造形、映像美と音楽。テレビ局員が冤罪事件に切り込む関テレ「エルピス
 心をえぐるせりふの数々、深い人物造形、映画のような映像美と音楽。テレビ局員たちが冤罪事件に切り込んでいく関西テレビ制作のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(フジテレビ系、月曜午後10時)からは、業界人のプライドと熱量があふれ、ツイッターで「覚悟を感じる」など好意的な反響が続々と寄せられています。
 渡辺あやさんは6年前、発表する当てのないまま、この脚本を書き上げました。それはなぜか。脚本家としてのこれまでのキャリアを含め、東京と、渡辺さんが暮らす島根でじっくり伺いました。(石原真樹)

ゴシップの類かも知れませんが:

🎤長澤まさみ新ドラマ『エルピス』、眞栄田郷敦の役は東出昌大の予定だった? - スレッド閲覧|爆サイ.com南関東版 (bakusai.com)

「天間荘の三姉妹」

のんさんの映画「さかなのこ」を見逃したので、今年29歳ののんさんを是非映画館でと思って出かけました。東日本大震災で犠牲となって亡くなった大勢の人たちの鎮魂の映画だと思いました。それにしてものんさんは「あまちゃん」以来、この大震災との関りが続いていますね。この映画も然りですが、海とイルカと…で海女ちゃんを思い出しました。漫画が原作だそうですが、三姉妹の名前が上から「のぞみ」(大島優子)「かなえ」(門脇麦)「たまえ」(のん)で「望み叶え給え」、面白い。大女将に寺島しのぶ三田佳子と大ベテランが助演です。成仏できていない人たちの住むところのお話ですが、あれから11年以上、こういうお話が映画になるのも良いと思いました。忘れないで覚えていて今に生かしていくことが大切だと。

のんさんの言葉「自分が何を求められているか、すごく考える。同時に、求められるイメージに沿いながら、同時にそこからどうやって逸脱するかも、ずっと考えています」

 
 
 
 
 
 
 
ひとシネマ
 
@hitocinema
「天間荘の三姉妹」(10月28日公開)に出演した のんさん のインタビューです。 アップサイクルファッションブランドの立ち上げや初長編監督作、主演作品も続く女優・創作あーちすと、のん。 「表現者として覚悟を決めた」と語るその心境とは・・・。 #のん #ひとシネマ
のんの勢いが止まらない。コロナ禍の閉塞(へいそく)の中、「表現者として覚悟を決めた」とパワーアップ。2022年はアーティストの古着をアップサイクルするファッショ
ンブランド「oui ou(ウィ・ユー)」を立ち上げ、初長編監督作「Ribbon」、主演した「さかなのこ」に続いて最新作「天間荘の三姉妹」も公開。毎日新聞のCMで
も「伝えるって、つなぐこと、だと思う」と語りかける。女優・創作あーちすと、のんが丸ごと面白い。

「線は、僕を描く」

原作は2020年「本屋大賞」3位の砥上裕将(とがみひろまさ)著「線は、僕を描く」。

大学生の青山霜介はアルパイと先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。
白と黒だけで表現された「水墨画」が霜介の前に色鮮やかに広がる。
深い悲しみに包まれた霜介の世界が変わる。巨匠・篠田湖山に声を掛けられ「水墨画」を学び始める霜介。筆先から生み出す線のみで描かれる芸術。描くのは「命」。
水墨画との出会いで止まっていた時間が動き出す。これは喪失と再生の物語。

原作と違って映画では、失ったのは両親だけでなく椿という名前の妹が加わっており、椿の水墨画を観て涙する場面は画そのものに心打たれたというより、妹を亡くした悲しみになっていて、これは違う!と思ってしまいました。この方が若い方たちにも理解されやすいという事だったのかも知れませんが、こういうところが『青春映画』なのか?と思ってしまいました。この一点を除いて、映画そのものは水墨画の魅力を余すところなく伝えていて、主演の若手二人(横浜流星&清原果耶)、若者を導く巨匠・三浦友和と兄貴的存在の江口洋介、いつも気にかけて背中を押す学生仲間(細田可央太と河合優美)、みんな好演です。最後の音楽と水墨画とクレジットのコラボレーションはとってもオシャレです。

☆「命」を描く水墨画。湖山先生宅(二階建ての昔の日本家屋が美しい)で賄いも担当している西濱(江口)が霜介(横浜)と一緒に軽トラで食材を直接生産者から集めて回るシーンがあって、牧場で乳牛に手を合わせます。私はこのブログを10数年前に始めたころに取り上げた永六輔さんの講演前のトークで聞いたお話を思い出しました。(「いただきま〜す」 - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)

「いただきます」は「あなた(食材の野菜や肉や魚や卵など)のお命、頂戴します」という挨拶だというお話でした。四人で食事をするシーンがあって、一人で食事をするのに慣れてしまっていた霜介があわてて一緒に「戴きます」と手を合わせるシーンもありました。「線」は「命」です。