◎西側のアーチの天辺(てっぺん)にも、一輪だけピンクのバラが咲きました。
🔲ゴッホの「ひまわり」にスープ! 「そこまでしなくても他に方法があるでしょうに」と私も思ってしまいました。ところが「イギリスの世論調査では、なんと66%もの人が今回のような非暴力の直接行動に理解を示している」とか:
◎これを読むと、やはり私も想像力不足というか若者の危機感を共有できていないようです:
10月14日、イギリス・ロンドンの美術館で環境活動家が、ゴッホの代表作「ひまわり」にトマトスープをかけるという事件が起こりました。「エコテロリズム」という批判がある一方で、「当事者の抱える困難を想像し、『学ぶ力』が日本には欠けている」と指摘するのが、経済思想家で東京大学大学院准教授の斎藤幸平氏です。いったい、どういうことなのか。自身の学びの過程を描いた新刊『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』を上梓した斎藤氏が解説します。
・ 実は、SNS上で今回の事件の張本人が語っているように、彼女らはすでにデモも、署名も、政治家への嘆願も、何年間も地道に行ってきた。けれども、二酸化炭素の排出量は減っていない。今後、もし各国が現在掲げる温室効果ガス排出削減目標が達成できたとしても、今世紀末までの気温上昇は2.6度になるという。これは、科学者たちが警告する1.5度という数字を大きく上回ってしまう(そして目標が達成される保証ももちろんない)。
要するに、今までのやり方では、まったくもって不十分なのだ。にもかかわらず、私たちの大半は気候危機について気にせずに普段どおりの暮らしをしている。みんなが、もっと真剣に、この危機にどう対処すべきかを考えなければならないのに。そんな状況での苦肉の策が今回の行為というわけだ。もちろん、作品本体に傷がつかないことは知っていたという。
若者たちの問いはこうだ。地球と「ひまわり」、どちらが美しいのか。そんなもの比べる対象でないといいたくなるかもしれない。だが、この広大な宇宙で唯一、これほど多くの生命体が存在している地球のほうが美しいと、ジャスト・ストップ・オイルの若者は考える。その地球を守るべきときになにもせず、資本主義社会はたった1枚の絵画に120億円という何人もの命や環境改善をできるバカみたいな価格をつけて、崇めている。(以下省略)
🔲原発の運転延長には驚きますが、運転停止期間を勘定にいれない!?
🔲真剣に怒る人たちを『冷笑』する。あざ笑ったり、さげすみ笑うことで自分は偉いかのように錯覚する人たちが増えたような気がします:
🔲雨宮処凛さんが解説します:
作家の雨宮処凛さんは、「失われた30年」の経済の停滞や「頑張っても報われない」閉塞(へいそく)感のなか、ガス抜きの対象を求めているのではと考える。
「失敗して傷つかないよう何もせず、何かをしている人を上から目線であざ笑うというスタンスが最も安全。沖縄の人たちを笑って踏みにじることで、時の政治や権力者と一体化して自分が偉くなったような万能感や錯覚も得られる。生活保護バッシングにも共通しますが、無料の娯楽としてコスパもいい。怠けて楽をしている奴に俺様が鉄槌(てっつい)を下す、という正義感も満たせる。本人は世直ししてるくらいの気持ちかも。だからこそ、依存症的にもなっていく」
「批判する」という行為自体を忌避する傾向が、とくに若者にあるのではとも指摘する。
「若い世代はとにかく傷つきたくないという思いのなかで、非常に優しい、気を使ったコミュニケーションをとっていると感じます。『怒っている人』に対する忌避感が強く、国会で野党が激しく政権批判をすることもハラスメントっぽく見える。批判するよりあざ笑うほうがスマートだし、自分たちに合ってるということかもしれません」
ただし、その行為は実害へと進む可能性も高いと見る。
「誰かを嘲笑するツイートに『いいね』を押す人に、さほど悪意はないかもしれません。でも、嘲笑とヘイトクライムは地続き。あざ笑っている時点で、対象はすでに暴力にさらされています。在日コリアンが多く暮らす京都のウトロ地区への放火事件など、何かを嘲笑することが、対象になった人へのヘイトクライムの入り口になることは知っておかないと、自分がものすごく恐ろしいことに加担したと気づいてからでは遅いです」
では、どうすればこの状況を変えられるか。
少しでも社会を良くしたいという運動は、立ち上がっては挫折してきた。だから、頑張っている人を冷笑するような振る舞いが出てきた。だったら逆に言えば、必要なのは「小さなことでもいいので成功体験だ」と雨宮さんは思う。
「私がやっている反貧困の運動は、もちろん変えられなかったこともたくさんあるけれど、生活保護を受けにくかった路上生活の人が今は受けられるようになったことなど、変えられたこともたくさんある。少しずつ、ひっくり返してきたんです」
「でも、『この人たちがこれだけ運動してきたから、これだけのことが変わってみんなが恩恵を受けられているんだよ』ということが、自慢話に受け取られるのもよくないからと本人たちがあまり言ってこなかった面もある。そこはネットでのデマや揶揄する声に勝る勢いで、もっと言っていくことが必要だと思います」
ジャーナリストの安田浩一さんもこう話す。
「人間の激しい怒りによって世の中が変わっていくことはたくさんある。飲食店やバスで黒人と白人の席が分かれていた1960年代の米国で公民権法を勝ち取ったのも、身を張って抗議した多くの人がいたから。今の若い人が法律で定められた最低限の時給をもらえているのも、土日にきちんと休みが取れるのも、真剣に怒った人たちが変えてきた権利です。そのことを自覚せず、あざ笑う社会では、ますます社会の停滞を招くと思います。僕は繰り返し、『笑うな!』と言い続けたいです」
🔲元米国家情報長官が「中国による台湾進攻の可能性は低い」と都内で講演:
🔲「お転婆」の「婆」にまで気を遣うって、笑い話ではないですね: