🔲『反撃能力』とは《ミサイル攻撃などの兆候がある場合、そのミサイル発射前に相手国にミサイルを撃つこと》って、それ、『反撃』じゃなくて『先制攻撃』です:
🔲統一協会と関りがある内閣府副大臣による統一教会被害救済法案の説明って?:
🔲防衛費という軍事費だと、出し惜しみしない国に・・・
🔲杉田水脈氏の言い訳が、人をバカにしている:
🔲関東大震災の朝鮮人大虐殺は教科書にも載っている歴史的事実、それを東京都知事の判断で否定されるような事態では:
🔲7日の朝日新聞「オピニオン&フォーラム 公論」頁「虐殺の史実に向き合う」の記事から前半は↑のツィッターにある外村東大教授の「朝鮮人の虐殺 否定は人権侵害」という記事です。後半は「歴史修正主義とは何?」ということで武井さんという歴史研究家の分かり易い解説文がありましたので全文を移してみます:
共通認識揺らす 歴史修正主義
歴史研究者 武井 彩佳さん
<1971年生まれ。学習院女子大学教授(ドイツ現代史・ホロコースト研究)。
著書に「歴史修正主義」など。>
―――そもそも歴史修正主義とは何なのでしょう。
「歴史て事実を意図的に否定したり、矮小化したり、一側面のみを誇張したりすることを通して、過去の歴史の評価を変えていこうとすること。それが歴史修正主義です。主に政治的な意図によって駆動されます」
―――いつ頃から注目されているものなのですか。
「歴史修正主義の起源は19世紀末の欧州とされます。欧米で強く関心を集めたのは1980年代。ホロコーストを否定する言説が広がったことでした。ホロコーストとは、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの主導で組織的に行われたユダヤ人殺害です」
「典型なのは『ホロコーストの死者数が600万人というのは誇張だ』とか『アウシュビッツ収容所にガス室はなかった』という言説でした」
―――近年の状況は?
「第2次大戦後の欧州にとっては人種差別撤廃が根源的な課題でした。ホロコーストを再発させないためです。だからこそホロコーストの歴史をゆがめようとする言説には厳しく対処してきた。そこには、特定の人種や民族への憎悪が煽られたら暴力が誘発され、公益が損なわれるとの考えがありました」
―――日本ではどうでしょう。
「『南京事件は捏造だ』や『慰安婦はみな娼婦だったのだから問題ない』と言った言説が歴史修正主義の典型でしょう。特徴は、アジアでの戦争は「植民地支配の問題が大きいことです。日本が侵略や植民地支配をしたと歴史教科書に書いてあり、反省や補償が必要だという合意も一定程度できていましたので、そうした共通認識を揺さぶる意図があったのでしょう」
―――関東大震災の際の在日朝鮮人虐殺について、小池百合子・東京都知事は「様々な見方がある」と語っています。史実を直接に否定してはいないようにも見えるいいかたです。
「歴史修正主義の言説によく見られるレトリックです。多様な意見を受け入れ、一つの見解だけが正しいという押し付けに抵抗しているようにも見えますが、実際には、知事の言う『様々な見方』の中には無視できない質の違いが存在します」
「たとえばネットには『朝鮮人虐殺はなかった』と語る言説もあります。しかし、自らに都合の良い根拠だけを集めて主張されるそうした見解と、多くの歴史家が関与し多くの史料を様々な角度から吟味したうえで到達したある程度の共通見解は、決して等価ではありません」
「本来一緒にすべきでない言説を同じ土俵に上げる行為は、歴史修正主義と言われても仕方ありません。人々の中に『歴史修正主義だと思われてきたものが実は事実ではないのかもしれない』という認識の揺らぎを引き起こすことが、歴史修正主義の目的だからです。
―――虐殺された朝鮮人への追悼式に追悼文を送ることを止めた理由に関して小池知事は、震災の全ての犠牲者に哀悼の意を表すと説明しています。
「人種や民族を理由に理不尽に殺害された人々と自然災害によって命を落とした人々を、同じカテゴリーの中に入れてよいのでしょうか。違いをきちんと見ることも大事なはずです。
―――歴史修正主義への対策として必要なのは、西欧と同様に歴史の否定や歪曲に厳しい法規制をかけることでしょうか。
「日本では難しいと思います。現実問題として日本では、特定の民族集団へのヘイトスピーチにさえ、刑事罰を与える法規制を国としてまだ作れていません。その中で特定の歴史言説に刑事罰を与える法律を作るような跳躍をすることは、非現実的ですし、負の効果が大きすぎます。加えて、法で歴史像を縛ることは本来、望ましくもないことだと思います」
「歴史家たちは、これまで歴史修正主義に対して声をあげてこなかったわけではありませんが、充分に届いては来なかったのだと思います。辛抱強く普通の言葉で語る研究者が、もっと増えないといけないのでしょう」