「『若き日の戦争』菊の御紋のチョコバーの味」と「ファミリーヒストリー/草刈正雄」と夏期の連続ドラマ

◎8月15日、終戦記念日です。なぜ、もっと早く終わらせられなかったのか…と思う日でもあります。朝日新聞に「あの日、この場所で」というコラムがあって、「若き日の『戦争』」を90代の方が上中下3回にわたって語っています。その「中」でのこと。

高槻市の梅田和子(92)さんは府立茨木高等女学校から勤労奉仕に出ていた頃の「チョコレートの味が忘れられない。15㎝ほどの筒状のチョコバーのようなもので『菊の御紋』があった」

初日が終わると上級生に囲まれ屋上に連れていかれ「これを食べろ」と渡された1本のチョコ。一口かじった。その瞬間、全身が火照るような感じがした。上級生は「これは特攻隊が食べるもので、何か入ってるみたいだ」といった。その話を聞いた父は、冷静な表情で「ヒロポン覚醒剤の一種)でも入っているんだろう」と言った。

・戦時中、製菓会社では大量のヒロポンが供給され。菊の紋章入りのチョコレートでくるんだものを定期的に軍に納めていたそうです。また、「50年前日本空軍が創った機能性食品」(岩垂荘二著)にもドイツ軍がヒロポン入りチョコをつくり、効果が上がったとの報告があり、上官から「すぐに造って、航空糧食として補給したい」と命令され棒状のヒロポン入りチョコを作り、補給した―――。

・悪化する第2次世界大戦の戦局の中、旧日本軍は航空機などで敵の艦隊に体当たりで攻撃する特攻隊を次々と送り出した。無謀な出撃で、約6千人が命を落としたとされる。

・戦後78年、梅田さんは言う。「これから死にに行くのに、まともな精神状態じゃ無理だもの。戦争は人をおかしくする。そして人が死ぬ。やっぱり嫌ですね、戦争は。

◎今日はお盆。我が家は8月に入って母の満中陰、忌明けを迎えています。先月の下旬、お向かいのFさんが夕方チャイムを鳴らして門の前に立っておられました。母のことは、3年程ホームに入所していたので、自治会からも抜けているし、新しく越してこられたご近所の方々にはわざわざお知らせするのも…とそのままにしていましたが、母が誘った市のヨガ仲間でもあるお向かいのFさんには、実は母が・・・とホームでの母の最期をお話ししてありました。この日は「結婚したばかりで何もわからない時にとても親切にして頂いたので・・・」と仰って。私もお線香をあげて…と言いながら隣の玄関のカギを開けて入っていただきました。プリザーブドフラワーの供花を戴いて、遺影の前で母の思い出話をしました。母が、真ん中の妹と同い年くらいの新婚さんのFさんを娘のように思って親切にしていた様子が分かりました。

◎満中陰志には、母がよくお使い物にしていた京都の柴漬けを届ける手配をしたり、届いたという返事を受け取ったりで、あっという間にお盆を迎えることに。納骨は予約が必要で22日に予定しています。先日Sさんと「ドラマ、何見てる?続いてる?」という話になったので、ドラマについて。まず昨日のNHKファミリーヒストリー」と単発ドラマ、それから連続ドラマ:

NHK、昨夜のファミリーヒストリー草刈正雄さんに二人して涙しました。今73歳という草刈さんですが、「あいの子」という差別を含んだ言葉を「ハーフ」という言い方に変えた俳優さんですね。モデルでスタートして、時代劇も演じる俳優さんに。アメリカ兵だった父親については朝鮮戦争で亡くなったと聞かされていただけ。ところが、調査の結果、10年前まで生きていて親族もいるとのこと。父の姉に当たる伯母さんは97歳。残してきた日本の彼女を忘れさせようと弟に西ドイツ行をすすめ、母親からの手紙にはわずかのお金を送って縁を切っていたり、間に入って関係を断つ役割を果たしてきたことを悔いて、生きているうちに…という思いもあったでしょう。番組を見た後草刈さんはアメリカへ。草刈さんに会っての第一声は「私を許してくれるの」という言葉でした。草刈さんのお母さんのご苦労が報われて本当に良かった。

草刈正雄 米兵の父は生きていた「何も言葉が」と涙 婚外子、父は出生前に帰国「朝鮮戦争で死んだと…」 (msn.com)

・今朝の「shuueiのメモ」さんも:「朝鮮戦争で戦死した」はずの父が10年前まで生きていた - shuueiのメモ (hatenablog.com)

8月10日(木)NHK

軍港の子~よこすかクリーニング1946~

子役の子どもたちが、もう人種が違うくらい戦後の子どもたちと顔立ちや体形が違っていますが、頑張って『戦後』を生きていました。主役の小林君、きりっとした賢そうな顔、どこかで見たと思ったら・・・「らんまん」の牧野万太郎の子ども時代を演じていました。

戦後の混乱期を生き抜いた戦争孤児たちの群像劇 特集ドラマ「軍港の子~よこすかクリーニング1946~」 |NHK_PR|NHKオンライン

TBS9時 日曜劇場「VIVANT」

 

日曜劇場『VIVANT』|TBSテレビ

時間にして2回分あった初回のモンゴルの砂漠の場面は沢木耕太郎の「天路の旅人」を思い浮かべます。あのシーンが見られただけでも値打ちがあると思っていましたが、物語は、自衛隊とか外務省とか警察とか商社とかCIAとか・・・で、予測不能、主演の堺雅人さんの演技にくぎ付けという感じです。物語のスケールが破格なら出演する俳優陣もスゴイ。13日には予告?で林遣都役所広司の父親!?とか?

テレ土曜10時「最高の教師」

松岡茉優さんの真剣、思いつめた表情と硬い言葉がグイグイ。芦田愛菜さんはじめ高校生を演じる若手俳優さんの演技合戦も相まって引き込まれます。教室の不穏な空気。加藤清史郎さんの怪しさとか、まだこれから・・・。「人生二周目」とか「一周目」という言葉、バカリズム脚本安藤サクラの「ブラッシュアップライフ」を思い出しますが、普通に使われる?同じ日テレだから?とか思ってしまいました。夫役の松下洸平の自然さにホッとします。

最高の教師 1年後、私は生徒に■された』は、2023年7月15日から日本テレビ系土曜ドラマ」枠で放送中のテレビドラマ。主演は日本テレビ連続ドラマ初主演となる松岡茉優。本作は2019年1月期に日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で放送された『3年A組-今から皆さんは、人質です-』を手掛けたプロデューサーと監督による、完全オリジナル脚本作品。卒業式の日、「担任生徒の誰か」に突き落とされた教師が1年前の始業式の日に時を遡ったことから、自分を殺害する「30人の容疑者」である生徒たちと向き合い、再教育する物語

カンテレ9時「真夏のシンデレラ」

いわゆる「月9」枠。昔懐かしいような群像劇ドラマ。3人の女性をめぐる恋愛劇。「シンデレラ」ですから、格差社会を投影しているお話になってもいます。今のところ、主演の森菜奈さん、母親代わりで働き者のしっかり者の姉であり娘をとても上手く演じています。

テレビ朝日日曜10時「何曜日に生まれたの」

野島伸司脚本、飯豊まりえ主演。ちょっと複雑なので引用で:

カーテンが閉め切られた部屋で、ボサボサ髪、スウェットとTシャツ姿の女性が、無表情にゲームをしている。彼女は黒目すい(飯豊まりえ)27歳。漫画家の父・丈治(陣内孝則)と二人で暮らす、10年間ほぼ引きこもりの家事手伝い。

ある日、丈治に連載の打ち切りが告げられる。編集担当の来栖久美(シシド・カフカ)から、作画はいいが、話が絶望的につまらない、センスが古いと酷評されたが、丈治は生活のために「なんでもやります」とすがりつく。来栖は丈治に、大ベストセラー作家の公文竜炎(溝端淳平)が原作を書き、丈治が作画を担当する、異色のコラボ作品を提案する。公文からの条件はただひとつ、すいを主人公のモデルにすることだった。公文の狙いとは一体何なのか!?
そんな時、すいの元に高校時代の同窓会の案内が届く。実は…引きこもりになった原因は高校時代に引き起こしたバイク事故にあった。トラウマだらけの思い出に苦悩するすいに、公文は同窓会へ出席するよう説得するのだが…

引きこもりを『こもりビト』と呼んだり、陣内孝則の父親と娘との関係や、引きこもり側からの描き方もあって、なかなか面白い内容になりそう。やはり『脚本・野島伸司』というだけでも期待が高まります。タイトルは会話のとっかかりになるからと勧められた「質問」です。

テレビ朝日木曜9時ハヤブサ消防団

池井戸潤原作のドラマ化。父の故郷の岐阜の田舎「ハヤブサ地区」に引っ込む作家三馬太郎(中村倫也)、相次ぐ不審火による火災。地域のハヤブサ消防団に入団。ソーラーパネルを売り込むよそ者の営業スタッフや、映像ディレクターの彩(川口春奈)が登場して、謎が謎を呼び、いよいよ複雑に。謎解きとは別に、消防団の仲良しオジサン連中との会話や山深いハヤブサ地区の景色を見ているだけでちょっとホッとするようなドラマでも。