12月のお茶のお稽古

昨日、22日金曜日は、お茶のお稽古日でした。2日の日が市のお茶会の当番でしたので、今月は2回目の顔合わせ。いつも稽古仲間のお二人には戴いてばかりなので、暮れにはおかきの小袋をお渡しすることに。母が桃山台の施設に入居していたここ数年は千里中央の阪急百貨店の地下通路のお菓子コーナーを利用していましたが、今年は、母がいなくなって千里に出ることも少なくなったので、近場の小倉山荘のおかきにしました。小さな紙袋を3つ戴けたので、ついでにチョコレート菓子も追加。暮れのご挨拶です。

先生のお庭の千両の実。その内、鳥に啄ばまれて丸坊主になるそうです。

お部屋に入ると、先生は準備中でした。扇形の立礼式が準備されてなかったので、あれ、Aさん来られないんですか? と訊ねたら、「しないと思うよ」とのこと。なるほど、お二人が見えましたが、Aさんはまだ病み上がりのようでした。

2日のお茶会当日、着物の着付け中倒れたAさんですが、Bさんが頭を抱えて、倒れる時頭を打たずに済んだのがよかったとか。倒れたとき大いびきをかいていたので怖かったとBさん。脳卒中の典型的症状ですね。それから、自家用車で病院へ行かないで、必ず救急車を呼ぶことなど、経験者語るの大事なお話でした。

炭箱の横の黒いのは、中に炭を入れて、ひさご型がくりぬいてある覆いに手を当てて温める「手あぶり」という冬の道具です。

掛け軸の字が、右読み? 左読み? なんて書いてあるの? と気になって、

お花は何が生けてあったか気が回らずでした。

先ず私から水屋に入って準備。用意されたお菓子は虎屋の羊羹。

お茶碗は冬用の筒茶碗とぼってりしたお茶碗と大根の絵柄のもの。

私は飴色のつやつやした高取焼と替え茶碗には京焼の大根柄を選びました。

動画で見たように、一つひとつの動作をゆっくり、よく意味を考えて、確実にするように心がけました。例えば、柄杓を釜から出す時は、ポトリとしずくが落ちて切れるのを待ってから移動させるとか・・・次のことを考えるのではなくて、今を大事にということになりますね。2服点てて、交代。

Bさんが選んだお茶碗は福岡県の山中の民陶「小石原焼」です。

九州と言うと、原田マハの小説でバーナードリーチを描いた「リーチ先生」の舞台、大分県の窯場小鹿田(おんた)焼を思い出します。あの本、奈良の友人に送ったっけ。

さて、山里棚は桐の木が使われて塗りが施されていないので水を吸う働きが残っています。上の台は変形の五角形。厚みにはゴマ竹が貼ってあります。

2人で二服点てて、今日はお終い。で、私から「先生掛け軸はなんて書いてあるんですか?」と質問。先生から、左の字(ひらがなの「す」に見える)は「事」でしょ、と言われて、考えました。

「事」・・・で、12月、1年の終わり・・・・「あっ、『無事』!」「あたり~」

なるほど、長い方の言葉『無事是貴人』というのがありましたが、二文字だけの『無事』は初めてかな。「一年、何事もないことほど有難いことはない」は実感です。

さて、お喋りタイムはAさんの周りの高齢者の方たちのお話に。

高齢者の役員が高齢者の会をやっているので、会長職をやっていた方がここ2年相次いで亡くなるという事態にも。そして、名前だけで知っている方たちの認知症についても聞きました。Aさんとは、10数年前、民生委員だった時に知り合ったのですが、私はやめてからは自分の両親の介護や病院通いや施設通いが続きましたが、Aさんは、自分の地域の高齢化するご近所さんのお世話と地区の老人会の会長職をずっと続けています。性格もあるとは思いますが、なかなかできることではありません。それだけ豊富な老いの事例を知っておられます。家に帰って夫に話すと、父も母も亡くなるまで認知症の心配がなかったのは立派だった、あれに倣えば大丈夫じゃないか…と。そうか…と思いながら、あの人、この人の行く末が気になる日でした。

まずは、先生はじめ生徒三人、無事集えて、美味しいお菓子とお茶を楽しめた2023年の最後のお茶のお稽古でした。