◎映画の前に、キリン騒動について。キリンビールが過去に「高齢者は集団自決」発言のある成田祐輔氏を広告に起用したことで批判が強まっていました:
🔲前川氏は慎重です:
★息子が映画館で観た方が良いと薦めるので、雨の昨日、夫の車で近くの映画館へ出かけました。公開されて既に4か月が経っていますが、アカデミー賞の視覚効果賞を受賞したところなので、火曜日の10時半でしたが、かなりの観客。両サイドにも映像が映る「スクリーンX」で観ました。通常料金より700円増しですが、3面、270度のスクリーンです。
映画「ゴジラ―1.0」は「ゴジラマイナスワン」と読み、意味はポスターに書いてある通り「戦後、日本。無(ゼロ)から負(マイナス)へ。」。
☆ゴジラ映画は2016年の「シン・ゴジラ」以来。山崎貴監督映画は「三丁目の夕日」「永遠のゼロ」「アルキメデスの大戦」を見ています。ゴジラ映画と言えば、昔は着ぐるみだったのでは? この映画では、スタイルが今風で頭が小さいゴジラですが、皮膚や背中のトゲトゲとか建物を踏み潰す足先などリアルな仕上がりです。
ゴジラが東京銀座を踏み潰し電車を車両ごと手づかみで持ち上げてちぎってしまうなどの凄まじい破壊のトップシーンは、東北大震災や元旦の能登半島地震などの津波や地震災害を思い起こさせ、『ゴジラ』は大災害をもたらす象徴かと思ったりしました。
映画はシッカリした人間ドラマを描きあげていますが、音楽は伊福部さんのゴジラのテーマをリスペクトしたものでしたし、エンディングは重低音を響かせたゴジラの咆哮で終わり、これぞゴジラ映画でした。主役は朝ドラで牧野富太郎を取り上げた「らんまん」コンビの神木隆之介と浜辺美波。
時代は第2次大戦が終わる1945年から戦後の1947年。「シン・ゴジラ」では、ゴジラに立ち向かったのは国、日本政府でしたが、今回は、国は批判対象で、立ち向かうのは個人であり、民間でした。
昨日の朝日新聞記事:
山崎監督の特色は「二刀流」。CGなど視覚効果(VFX)を駆使する国内外の映画はほどんど、本編の監督の他にVFX専門の責任者を立てるが、山崎監督は両方統括する。
今も所属する映像制作会社「白組」でVFXの腕を磨き、「発注された仕事ではなく、自分の作品を作りたい」と自ら曲本を書いて2000年に監督デビュー。敗戦直後の日本をゴジラが襲う今回の物語も脚本を書いた。つまり「三刀流」だ。
過去に「ジュラシック・パーク」「タイタニック」などが受賞している同賞に今回、ハリウッド大作と並んでノミネートされたことを山崎監督は、こう分析していた。「人数の少なさ、期間の短さ、予算の少なさにインパクトがあった」「自分でやるから、この金額とこの時間で頭の中にあるものをそのままストレートに映像化できる」
脚本などで撮影前にイメージを固め、本編を撮り、少数精鋭のVFXチームで仕上げる。全てを山崎監督がリードし「コスパ」は最強。海面から首を出して小型船を追うゴジラなどけれん味あふれる映像から「泣き」の感動ドラマまで、山崎監督の作家性で染め上げた。
アカデミー賞 視覚効果賞受賞に「ゴジラ-1.0」山崎貴監督 視覚効果賞を日本の作品が受賞したのは初めて | NHK | 映画
アメリカ映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞の各賞の発表がロサンゼルスで行われ、視覚効果賞に山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」が選ばれました。
視覚効果賞を日本の作品が受賞したのは初めてです。
山崎貴監督は授賞式で「私たちはここに立っている。この賞は誰にでもチャンスがあることを証明してくれた。やったぞ!」と英語でスピーチを行いました。
「ゴジラがたくさんの扉を開いてくれた」
「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督は、受賞後の記者会見で今後の活動について「ゴジラがたくさんの扉を開いてくれたので、ここから新しい冒険が始まるのではないかと思う。今までとは違う可能性が出てきていると思う」と述べました。
そのうえで「日本の映画が海外でもある程度興行できれば、日本の映画の環境は変わっていくし、私たちで変えていかないといけない。そのためにもこれからの行動が重要になってくると思う」と述べました。
また、今回のゴジラのデザインについて問われ「いろいろなゴジラのデザインを見て『これこそ、ゴジラだ』という形を模索しました。今回は核兵器と戦争の象徴であることを強く打ちだしたかったので、みるだけでそういう恐怖が迫ってくるという観客の潜在意識に働きかけるようなものにしたつもりです」と述べました。
そして、ゴジラが映画「オッペンハイマー」の映し鏡のようになっているのではないかという記者の質問に対し「映画を作ったときは意図していなかったが、できあがったときには世の中が緊張した状態にあった。ゴジラは戦争の象徴であり、核兵器の象徴でそれをしずめるという話だが、今、それをしずめることを世界が望んでいるのではないかと思う。オッペンハイマーに対するアンサーの映画は日本人としてはいつか作らないといけないのではないかと思う」と語りました。
トラウマを負った個人を描いた『ゴジラ-1.0』 なぜゴジラは日本に上陸するのか?|長野辰次 (note.com)
世界の強敵を破ったゴジラ…「40年以上前のショックからスタート」の山崎貴監督、フィギュアを手に登壇 (msn.com)
「ALWAYS 三丁目の夕日」や「STAND BY ME ドラえもん」などで、コンピューターグラフィックス(CG)作品の国内第一人者として名をはせてきた山崎監督。ついに世界の壁を破り、「日本の映画が海外でも興行できるようになれば、日本の映画の可能性も高まる」と、授賞式後の記者会見でも力強く語った。
■宮崎駿監督は「興奮していました」
一方、長編アニメーション賞受賞の「君たちはどう生きるか」を製作したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(75)は東京都小金井市の同社で11日、記者会見を開き、「本当に心の底から喜んでましたね。興奮していました」と、電話でやり取りをした宮崎駿監督(83)の様子を明かした。
2013年に一度、引退宣言をしたが、今作の製作にあたり、宮崎監督は「みっともないんだけど、もう1本作りたい」と鈴木さんに切り出したといい、7年がかりで作品を完成させた。鈴木さんは「色んな人にどうやって受け取られるんだろうと、彼はいつも以上に心配が大きかったんですよ」と語った。
最多7部門に輝いた「オッペンハイマー」は第2次世界大戦下、原爆開発計画で中心的な役割を果たした米物理学者ロバート・オッペンハイマー博士(1904~67年)の伝記映画だ。秘密裏に進められた計画の過程や、原爆投下後の広島と長崎の惨状について報告を受け、博士が葛藤する様子などが描かれている。日本では29日から公開予定。
映画評論家の渡辺祥子さんは「『オッペンハイマー』をはじめとして、今年の受賞作は戦争、反戦と結びついていた。戦中を描いた『君たち』、戦後が舞台の『ゴジラ』の受賞にも少なからず影響しただろう」と話す。
★映画館では既にオッペンハイマーの看板が出ていました。3月29日公開です。