「沖縄」を考える(オリバー・ストーンさん)と今年1月の「国際声明 米国と日本は沖縄の軍事植民地支配をやめよ」

🔲朝日新聞の「『沖縄』を考える/代執行」というコラムの切り抜きが手元にあります。日付は5月7日。オリバーストーンさんの「息苦しさ ベトナムと重なった」と題するインタビュー記事です。(後半、書き移しです)

 海兵隊にとって沖縄は、第2次大戦で多くの血を流して手に入れたものだ、という思いが今なおあるように思います。米国は戦後、沖縄、日本、韓国、ドイツやイタリアなど海外の各地に基地をつくり、その数は800以上に上ります本土復帰前の沖縄には核兵器が配備されました

 しかし、真珠湾同時多発テロ以外に他国に攻撃されたことがない米国の市民は、米軍が海外で何をしているのか、あまり知りません米国、日本、沖縄の関係性、構造が80年近く、変わっていない。米国の意向に従順な「属国」であり続けている、という印象さえあります。

 ボートに乗って辺野古沖の大浦湾にも出ました。地域でどれだけ緊張が高まっているかを現地で実感しました。沖縄では権力に対して闘い続けている人たちがいたそういう意味でも、日本がただただ米国に従う姿は非常に残念です。

 沖縄の7割もの人たちが反対していることはとても重いことです。この県民の意思に反して、辺野古の基地建設を推し進めることは、民主主義に反すると私は考えます。

 日本では著名人が政治的なメッセージを発することがタブー視されていると聞きました。私も政治的なメッセージを発することでときに嫌われ、映画製作に協力が得られないこともあります。それでも私はこれからも作品をつくり、子どもや孫たちの未来のために発言も続けていきます。           (聞き手・渡辺岳)                   

🔲今年1月、世界の識者ら400人が署名した「辺野古ノー」声明の一部を琉球新報の記事から。琉球王国の時代まで遡って沖縄の歴史が書かれた長文の声明です。(一部しかコピーしていないので、是非、全文を)【全文・主な署名者】世界の識者「辺野古ノー」 ストーン監督ら400人が声明 - 琉球新報デジタル (ryukyushimpo.jp)

【全文・主な署名者】世界の識者「辺野古ノー」 ストーン監督ら400人が声明

公開日時 

 

映画監督のオリバー・ストーン氏ら、世界の識者400人超が沖縄での米軍辺野古新基地建設を中止するよう求める声明全文(日本語訳)と、主な賛同者一覧は次の通りです。

国際声明 米国と日本は沖縄の軍事植民地支配をやめよ(日本語訳)

2024年1月

ジョー・バイデン大統領および米国市民へ

岸田文雄首相および日本国市民へ

10年前、言語学者ノーム・チョムスキー氏や元米陸軍大佐・元外交官のアン・ライト氏を含む103人の世界の学者、ジャーナリスト、芸術家、平和活動家が、沖縄本島北部の辺野古に、さらなる米海兵隊基地を建設することに反対する声明を発表した。しかし現在もなお、日米両政府は沖縄県民の大多数が反対しているにもかかわらず、この高価な埋め立てプロジェクトにこだわり続け、かけがえのない生態系を無謀にも破壊している。 残念ながら、埋め立て予定総面積の約4分の1を占める辺野古側の工事はほぼ完了している。そして今、北側の、より深く、貴重な生物多様性をもつ大浦湾の埋め立てに着手しようとしている。

辺野古への基地建設計画は1960年代から存在していた。そして1996年の日米合意(SACO合意)により、混雑する宜野湾市のど真ん中に危険な状態で位置する米海兵隊普天間航空基地の「代替施設」として復活した。それから四半世紀以上たった今でも、日米両政府は普天間基地によって占領されている土地を本来の所有者に返還しておらず、米国は新基地建設後も両方の基地の維持を目指しているとの報道さえある

沖縄の自己決定権、民主主義、自治権を支持する私たち署名者は、第二次世界大戦以来、米日の事実上の軍事植民地とされている沖縄の、さらなる軍事化を拒否する沖縄の人々への支持を、ここに新たに表明する。

かつては独立した琉球王国であった沖縄は、戦国日本による3世紀にわたる支配の後、1879年に大日本帝国に強制併合された。琉球列島の人々は、欧米列強に植民地支配された世界中の多くの先住民族と同様に、強制的に日本に同化させられ、言語、名前、伝統、そして主権と自治を持つ民族としての尊厳を奪われた。 

アジア太平洋戦争末期、日本は沖縄を「捨て石」とし、「皇土」を守るために沖縄で持久戦を行い、島々の住民を総動員した。日米間の戦争で、沖縄県民は人口の4分の1以上、12万人以上が死亡した。アメリカは戦争の戦利品として島々を支配下に置き、80年近く経った今でも沖縄の陸・空・海を占領し、性暴力や殺人を含む甚大な人権侵害、航空機や車両の重大事故、PFAS水汚染などの環境破壊を引き起こしている

(以下省略)

【全文・主な署名者】世界の識者「辺野古ノー」 ストーン監督ら400人が声明 - 琉球新報デジタル (ryukyushimpo.jp)

🔲↓この2面広告は朝日新聞2日(日)の沖縄意見広告です。賛同者の名前で覆いつくされた水色の地に「命どぅ宝」と書かれています。

真ん中のメッセージは

続いて脇の1,2,3と全国の空港と港の「有事=戦争」準備について

◆5月11日 NHKETV特集「汚名 沖縄密約事件 ある家族の50年」

いわゆる沖縄密約をスクープした西山太吉さんとその妻である啓子(ひろこ)さんを取り上げた番組。私はこの事件、リアルタイムで、本筋から離されて男女のスキャンダル扱いにされていく過程、国家権力や報道の在り方、本当に残念で悔しい思いで見ていたので、何とも言えないあの時の気持ちが蘇ってきました。

。汚名 沖縄密約事件 ある家族の50年

初回放送日:2024年5月11日

沖縄返還時の日米の密約に迫った新聞記者、西山太吉の逮捕から52年。起訴状に書かれた「情を通じ」が国家の密約の問題を男女のスキャンダルへと塗り替えていった。渦中にあった太吉の妻、啓子がつづった日記がある。国の圧力や社会の好奇の目の中でもがき苦しんだ夫婦の記録でもある。著書「密約」で知られる作家、澤地久枝が読み解く啓子の葛藤。残された家族が初めて知る両親の苦悩。事件に翻弄された記者と妻の思いに迫る。