NHKスペシャル・白洲次郎最終回を見て

先週の連休中に数ヶ月前に放送された1,2回の再放送に続いて第3回の最終回「ラスプーチンの涙」の放送がありました。10時から11時半までという遅い時間なので用心して録画もしたのですが、見だしたらそのまま最後まで。今回は「憲法改正、講和会議、そして晩年」ということでした。

見終わって、今回は出だしで消えた近衛文麿を演じた岸部一徳がピッタリの演技で印象に残りました。大陸侵攻に積極的であったわけでもなく、アメリカとの戦争も賛成したわけでもない自分がアメリカから戦争犯罪者として裁かれることには死をもって抵抗するという近衛文麿の想いを静かにリアルに感じさせてくれました。  
          アンデスの乙女が満開です)
敗戦で吉田茂が日本の政治の表舞台に出ることになり、白洲次郎は側近として憲法改正から1951年の講和会議までを政治・経済の舞台で活躍することになります。一見、国益に反するような裏の仕事?もあって「ラスプーチン」呼ばわりされるのですが、このあたり、よく、わかりません。
この春、神戸の大丸で白洲次郎・正子展で実物を見た原稿、ホイットニーを相手に日本的方法について次郎が書いたイラスト入り説明がドラマの中でもそのまま取り上げられていました。
講和会議以降、白洲次郎は表舞台を去って晩年は武相荘で一民間人として一生を終えます。ドラマでは正子の回想で「西行」の生き方にたとえています。

ところで、白洲次郎はサンフランシスコの講和会議で吉田茂の演説を事務官が英語で用意したのを、日本語で、それも巻紙、毛筆に改めさせます。これは、丁度、鳩山さんが国連演説を英語でというニュースがあったので、あれを日本語ですればどうだったのだろうか? それでも、よかったのでは?と考えたりしましたが・・・
それにしても、このとき同時に日米安全保障条約を結んでいるわけですが、60年に新安保条約、その後70年安保、とこの体制が続いています。日米冷戦が始まった頃に敗戦をむかえ、アメリカの単独占領下、独立をめざし、日本の国内も左右の対立は凄まじくやっと、と振り返ってみると戦後は切れ目なく「対等の日米関係」を目指す現政権へと続いています。今に続く長い道のりだな〜と思います。

総裁選、先ほど谷垣さんが予想通り自民党の新総裁に選ばれましたが、何日か前のニュースで候補の3人に小泉新次郎くんが「目標にしてきた総裁は?」と質問、谷垣、西村両氏は吉田茂をあげていました(河野さんはナシ)。
激動、混乱の極みの時代に何はともあれ日本をまとめ戦勝国に日本の「独立」を認めさせる役割を果たした総裁はお手本なんでしょうね〜 
その時期、日本人でありながら英語を使いこなし、日本の立場を説明(主張)できる白洲次郎が存在したことの意義、不思議。 面白いですね〜