10月のお茶のお稽古

今日はお茶のお稽古日。お二人に会うのも一月ぶりです。
我が家の庭には、ツボミの期間が本当に長いフジバカマ(←)がやっと咲きそろって、その花の蜜を求めて小さな虫や蝶が飛んでいます。
旧岩崎邸の入口のアプローチの片側に楚々として咲いていたホトトギス(→)が我が家ではかなり大きく濃い色で咲いています。
朝は冷え込む代わりに、昼間の日差しの強い時間帯は、24,5度もありますので、着ていくものに迷います。
ところで今日は写真が上手くいかず失敗ばかり、でも説明するには難しいのでそのまま写真を載せますので悪しからず。
先ず今日は柱ではなく、お床の上に花が活けてあります。
これは、お軸が横長なのでバランスを取るために壁ではなく、下に置いてあるとのこと。
活けてある花は、ススキが一本、黒いのはノダケ。黒い実が花のようについているノダケ(野竹・野筍)というのは茶花で、 セリ科シシウド属。暗紫色や白花もあるそうです。
真ん中のフジバカマに左下のホトトギスは我が家の庭にも咲いていますのでわかります。でも、このホトトギスはヒメホトトギスとでもいうのでしょうか、華奢で岩崎邸で見たのと同じ種類です。下向きの薄紫色の大きな花房はブッドレア(藤ウツギ)。それに紅白の水引草。これだけで、7種類!

先生の説明では、”秋の残花”といって、何種類でも入れてよいのだそうです。
掛け軸は写真がピンボケですが、「忙中閑」(忙中閑アリ)と書いてあり、ひと筆書きのような筆法で月と船に人が描かれています。角ばったスッキリした字と絵がキリっとした印象。香合はかぼちゃにみえますが、柿をかたどった木彫りのものでした。

10月は「名残り月」と言って、新茶を寝かせて来月封切の月を迎える最後の10月はお茶の終わりの月でもあり、風炉の終わりの月でも。そこで、風炉は畳の横幅の真ん中に置いて、棚は置きません。
棚を置くときは、風炉が左奥になっていますが、今日は真ん中なので左が開いています。そこで、水差し、それも「細水差し」とか「長水差し」と言われる縦長の壺のようなものを使います。そして飾り棚がないので、蓋置は竹を使います。(写真がまともじゃありませんが、だいたいが解れば・・・)

私が最初にお茶を点てることに。
仕組み茶碗を作って、お茶碗は萩焼薩摩焼で柿の実を描いたお茶碗を選びました。
棗(なつめ)は赤い漆塗りで、蓋には3羽の雀、身には稲の穂の絵が描かれていました。
袱紗(ふくさ)捌(さば)きでピシっと音を鳴らさないといけない時があるのですが、これがいつも不発に終わります。手が小さいから上手く溝が作れないせいかな〜と思っていますが、お客さんになっている座布団の上でやってみると鳴るのが不思議です。
二服点ててから交代しました。最後は立礼式です。黒塗りの扇形のテーブルの上には、先生がイタリアのフィレンツェで手に入れたという鮮やかな模様の見立て使いの水差しが置いてあります。今度は最後に蓋と柄杓の飾り置きがありますので、蓋置は陶器です。


風炉から立礼式に変える時、風炉の炭火を片付けるために、墨壺と炭櫃を持って出てこられます。
菊炭が真っ赤に燃えて白くなりかけています。カラカラと乾いた音がする炭を火箸で掴んで柄の長い壺に入れます。
そして蓋をすると火が消えて消炭になります。風炉の中に残った残り火を写真に撮ってみました。
左に白く見えるのは風炉の縁(ふち)に開けられた穴から熱い空気が飛び出さないように置かれた瓦(白い素焼き)です。