10月のお茶のお稽古


16日は箕面の聖天さんの天狗祭りの日。天狗が玄関先までお祓いに来てくれるので、封筒にお札を入れて夫に頼んでお稽古に。
10分前に先生のお宅に着いたらガレージが閉まったまま。え〜〜っ!?今度は日を間違えたかな、と、手帖を出して確認。16日で大丈夫。
それなら、早く来すぎたのか、珍しく、と時間待ち。すぐ、ガレージが中から開く音が。先生でした。

お部屋に入って、写真を写したりしているうちに、Nさんが見えました。先月はダウンしてお休みでした。
その後の体調の様子を聞いたりして、「Naさんは?」と聞くと、「あれ?電話しなかったっけ?」とNさん。先生も「お休みですか?」
Naさんは、東京の次男さんの奥さんも働いておられて、お孫さんのことでSOSだったそうです。東京から4時ごろ大阪着とか。電話一本で孫守りに東京へ文字通り飛んで行く生活をされています。私が聞いただけで2度目。
Naさんが関わっている老人会のニュースや箕面市の「関西で住みたい町、第二位」の話などをして、先生の方から”一服淹れますね”とお点前を。


蝉籠に活けてあるのは、左、濃い紫のノダケ、隣りの水引草のような小さな白い花は姫タデ。タデと言えば普通は赤い色ですが、これは珍しい白です。すっくと斜めに指してあるのはホトトギス。「これも珍しいのよ」と水屋から先生の声が。そういえば小ぶりで色も少し白っぽい。そして真ん中、真っ白なエビみたいなのは、よく見る赤花のコエビソウの珍しい白花。
お軸は、「忙中」と読めるので、もう一字は、「忙中閑あり」の「閑」かなと思ったら当たっていました。
一筆書きの月に船に人が描いてあります。『月』で秋の掛け軸なのかな・・・

御香が入っている木製の香合は、「ハロウィーンでカボチャ!?」とまたバカなことを言ってしまいました。
「違うわよ〜。ヘタをよく観てごらんなさい。南瓜じゃないでしょ」と水屋で支度中の先生の声が。
「中国製の柿ですよ。お茶にハロウィーンはないでしょう」とも。
そうですよね。「でもね、最近は、クリスマスの柄のお茶碗まであるくらいだから、ハロウィーンも取り入れるところがあるかも・・・」と先生も。
あまり考えずにモノを言ってはいけませんね。
この日は小さなお盆(銘々盆?)に柚子餡のお饅頭とお干菓子が。
一口戴いてしまってから慌てて写真を撮りました。
先生のお点前で戴いたお茶は
ドングリに松葉の絵が描かれたもので、
葵窯の刻印が入っていました。
先生が紀州・和歌山の葵窯と仰っていました。


Nさんのお茶碗はフットボール型のお茶碗です。
俵を模したお茶碗で、横長に置いた胴の部分が正面ですので、
飲み口は両端の部分になり、縦長に細くなって飲みやすくなります。
「底は四角い升(ます)型、知ってますね?」と先生が。
成程、米俵に升ですね。それに朱赤の漆の棗(なつめ)には
蓋に雀、胴には稲原に遊ぶスズメが描かれています。

ところで、この升、若い方たちには説明が難しいそうです。
それもそのはず、実物を見たことがない世代なんだとか。
棚に入れてある水差しは丹波焼風で素人さんが作られたものとか。蓋は難しいので焼き物の先生が作られたそうです。
蓋つきのツボはなかなかなくて、蓋なしで買って、漆の木の蓋を誂えることが多いとのこと。
Nさんはこの日お点前をしないで飲むだけと言われていましたが、立礼式のテーブルに用意してあった水差しが大ぶりのとても良い感じのもの。
志野と仰ったか…先生のお爺さんのものだそうです。「お茶道具ではなくて、何に使ってたのかしら・・・」「漬物?梅干しとか?」「梅干しのにおいはしなかったはず」と先生。

この日はNさんも茨木のお孫さんを頼まれていて、お迎えに間に合わないといけないからと4時になると帰られました。その後、私は小学校の同窓生のお姉さんでもあり、母の尊敬する先輩さんの長女でもある先生から、亡くなられたご主人や父と同い年のお母さん、そして同窓仲間の弟さんについて先生のお話を聞きました。この日、水屋には3人分の栗のお菓子、渋皮煮が置いてありました。

一つは私がお点前をしている時、Nさんに出されました。帰り際に先生が、「そうそう、渋皮煮、持って帰って」と、残りを持ってキッチンのほうへ。私は玄関で靴を履いて待っていました。紙袋に入ったパック詰めの渋皮煮をいただいて帰りました。Nさんには庭で生ったというザクロを先に頂いていました。両手にお土産を持って帰途に。先生手作りの渋皮煮は、大きくて甘くて柔らかくてとても美味しい高級菓子の栗でした。ザクロは、弾けて見える赤い実がガラス細工みたいにキレイなので、しばらく観賞用です。