二人でお茶…と「日本の領土問題」

夫が志賀高原にスキーに行っていて今朝帰ってきました。昨日はゆっくりできる最後の午後(夫が居てもいつもゆっくりしていますが)、Sさんに電話、先週土曜日は京都にお友達と絵を見に行っておられたのでその話も聞きたいし、ということで、二人でお茶にしました。羊羹と日本茶を先ず一服。それから、リンゴのバター焼きシナモンシュガー振り掛けという私の冬の定番デザートを作って、コーヒーを淹れることに。
話題は、いっぱい。NHKの日曜日の番組「終の住拠はどこに/老人漂流社会」のこと。アルジェリアの人質事件、麻生副総理の「さっさと死ねるように」発言、桜宮高校の入試と橋下市長のこと、などなど。そして、NHK火曜日10時からのドラマのDV問題と、朝ドラのDV問題も。そうそう東京で、靖国神社に行きたいというご主人と行った時の遊就館のパンフも持参でした。私と同い年のご主人は父親が戦死、顔も知らないということです。まだ佐世保や父親ゆかりの土地を訪ねたいと仰っているそうです。そういう「年頃」だと思う…と二人で。
人間って死ぬ間際に”あゝいい人生だった”と言えるのが一番幸せっていうのに、今の日本はとても幸せな国とは言えないね〜とこれも二人で。橋下市長は、体罰”容認”が”許せない”に変わったキッカケが、自殺した高校生の遺族に会って直接話を聞いたことと高校生の遺書(手紙)を読んだことと推察できるので、本気度は良くわかる。事件を福島と一緒で無かったことにだけはしてほしくないので、今回の市長の介入ギリギリの策はわかるし、教育委員会の苦肉の策も理解できる。10年の所を18年も勤務し続けていたこと自体がオカシイし、体罰を許してきた学校や教育委員会や問題にしなかった父兄も責められるかもしれない。でも、この人、言わなくてもいいことを言うよね〜これはもう治らないのかね〜。本当はそっちか?と思う人も出て来るし、若さなのか、治らないよね、言わなきゃいいのに、バカよね〜と二人で。今日のニュース(ローカル?)では、橋下市長が市役所前で訴えた高校生たちについて、(昨年の時点で)「そういう行動を学校当局や先生方に対しても行って学校を変えていってほしかった」と。これは私も同感です。
木下恵介監督が今見直されて、愚痴を聞いてほしい、共感の言葉が求められているという。今はそういう時代なんだ〜と二人で改めて今という時代の大変さに、いつの間にこんな世の中になったんだろう・・・とため息が出るばかりでした。

◎写真は能勢のSさんお任せ野菜の最後の便に入っていた紫人参。
◎初めて見る色、切ってみたら美しい! 葉っぱの根元のグリーンとの色合いが何とも言えずいい感じ!

さて、久しぶりに読んだ本を。先々週のヨガでは、いつも本を貸してくださるHさんが、又いつものごとく「読むぅ〜?」と言って皇族のコメンテーター竹田恒泰の新書を渡されました。「ほら、『たかじんの…委員会』でよく喋る若い人」「そうそう、よく喋るよね〜」と私も最近やっと顔と名前が一致したので応えることが出来ました。それで、この本に取り掛かる前に、夫が読み終わったあと私に回ってきた読みさしの本を片付けないといけないので読みました。

実は、尖閣問題で昨年秋ごろから、イタリアに一緒に行った方と夫が俄か愛国者というか感情的な愛国主義にはまってしまって、私など平和主義な考えは非国民扱いになりそうで困っていました。ところが、この本を読んでから、考え直さないといけないと言い出して、私にも読むようにということでした。で、私の興味は、領土問題になるとなぜに男?はこうも・・・というほどの感情論を萎えさせることが出来た本とは?ということで読むことに。著者の東郷和彦氏の祖父・東郷茂徳は、ノモンハン事件で駐ソ大使として交渉に当たり、太平洋戦争開戦時及び終戦時の日本の外務大臣でした。ご本人は、「たかじんの…委員会」でも出演されたことがありましたし、佐藤優氏の本でも知っていましたが、その程度でした。
読んでみて、日本が今抱えている三つの領土問題が整理できました。また、問題が再燃?してややこしい今だからこそ、問題解決の好機と捉えないと、日本は本当に三つの問題とも解決の機会を失ってしまうかもしれないということも分かりました。
前半が東郷氏による「北方領土」「竹島」「尖閣諸島」のそれぞれの外交交渉の歴史から現在の問題点について、後半が保坂正康氏との対談になっています。私が一番納得した個所を引用してみます:

領土交渉の基本は、主権の主張ですが、解決を求めるには、それなりのやり方がある。武力で取り返すのも一つだが、戦後の日本は交渉で取り返すことを国是としてきた。それなら、そのためのルールがあってもよいのではないか。私は2011年5月に台湾と上海で行われた二つのフォーラムで「北東アジアの領土交渉に関する三原則」という提案をしました。その内容は、第一原則は現状を変更しようとする国は力によって行動をしてはならない、第二原則は実効支配している国は相手国との話し合いに応じなければならない、第三原則は両国が知恵を出して衝突に至らないようなメカニズムを考える。この三原則を貫けば最悪の事態を回避しつつ、主権交渉をすすめられるのではないかというものです。

この三原則を今抱えている三つの領土問題に当てはめてみると:

北方領土では、現状を変えようとしているのは日本。実効支配しているのはロシア。だから、ロシアは交渉に応じ、日本は四島の領海に漁船などを乗り入れない。
竹島では、現状を変えようとしているのは日本、実効支配しているのは韓国。だから、日本は竹島に一方的に物理的に近づくことはしない。そのかわり韓国は「領土問題は存在しない」という態度を変えて、話し合いには応じなければならない。
尖閣諸島では、現状を変えようとしているのは中国、実効支配しているのは日本。だから、中国は尖閣諸島付近に侵入することはやめる。一方、日本は「尖閣諸島に関する領土問題は存在しない」という態度を変えて話し合いには応じる。

なかなか筋が通っていて良い考えだと思いました。東郷和彦氏はソ連・ロシア担当の元外務省のお役人さんでした。現在は京都産業大学教授。そこで思い出したのが、佐藤総理の密使として沖縄返還交渉をまとめあげ、その後、沖縄の変わらぬ現状に心を痛め、安保体制を破棄することと考えを変え、晩年、「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」を世に問うも顧みられず失意と病に自死したという若泉敬氏。この若泉氏も京都産業大学で教えていました。
本の中に出てくるのですが、学生たちにも領土問題を考えさせて自由に意見を発表させたりしておられます。また、紹介されている在日歴10年のフランス系アメリカ人の意見「日本人はどうして領土問題に固執するんだ。3つとも領土要求を取り下げることが現実的で最も国益にかなう。ロシアと韓国と手を組んで、強大化する中国との火種を取り除いておくことの方が大切」にも驚くとともに、海外から見た日本人の領土問題という視点を与えられます。ドイツ人にも、やはり、小さな島に固執する日本人は不思議らしく、戦争に負けて領土を失うのはドイツも同じという感想を聞いたことがあります。
とにかく、領土問題を考えるのに自由な?考え方があってもいいと思いますし、三つの問題の経緯を通して隣国と日本との関係の歴史を知ることが一番大事と思いました。「日本固有の領土」と言わない限り愛国的でないと非国民扱いする感情論だけは避けたいと思います。
◎昨夜のNHKのニュースのスポーツコーナー、卓球日本選手権2連覇の福原愛選手の「新境地」を取り上げていました。
ひじの手術とリハビリの結果が新しい境地をもたらしたということですが、表情がそのことを雄弁に語っていました。石川選手との決勝戦でのバックハンドのプレイは今までは肘が痛くて出来なかったのだそうです。新境地の福原選手、楽しみです。