8月15日に・・・とオリバー・ストーン監督のスピーチ

今日は8月15日、戦争が終われは戦勝国か敗戦国のどちらかです。この日を「終戦記念日」と呼ぶこと自体が、戦後日本のあり方の問題が始まっているようです。

月曜日、救急車で父が運ばれるとき、読みさしの肥田舜太郎氏の「内部被曝の脅威」をバッグに突っ込んで乗り込みました。レントゲンを撮って、診断が下るまで、また夫と母が来るまでの間にやっと読み終えました。広島の原爆が落とされてから、自らも被爆しつつ医師として原爆被害を見続けてきた肥田氏の言葉は、放射能被害を隠し続けてきた日米両国政府を告発するものにならざるを得ません。ヒロシマナガサキ第五福竜丸そしてフクシマです。
奈良の友人に貰った本だったので、ずいぶん読み終えるのに時間がかかりましたが(途中で「海賊とよばれた男」が入ったり)、やっと読み終わったので、さて、次に・・・と、新聞広告で、古市憲寿の「誰も戦争を教えてくれなかった」の広告が出ていて加藤典洋氏がおススメを書いていたので、今度はこれを読みたいと思ったのですが、私の年齢なら夫の持っている半藤一利の「昭和史」の方が先だろうと読み始めました。
半藤氏は、国家興亡40年を唱えておられて、1865年から始めた国づくりが、日清(明治27,8年)・日露(明治37,8年)で1905年に完成。その成果を取り崩して40年後の1945年(昭和20年)に敗戦。その後又40年で戦後の復興から経済大国になり、今はピークを過ぎて下りの真っただ中と言うわけです。さて、大正生まれの両親から戦争体験を今のうちに聞いておきたいと思ってきましたが、戦争中を過ごした両親が、明確に大東亜戦争の全体像を把握しているかというと、そういうことは「ない」と言うのが正解です。私は、若い頃、それがもどかしい思いでしたが、戦争中の一般庶民はそうだったのだという事が、やっと分ってきました。何のための戦争なのか訳も分からず、その日その日を生き延びるのに必死だったということです。
母が、金正日北朝鮮のニュースを見ながら、戦争中の日本も一緒だったと言います。「な〜にも知らされていなかった。勝った勝ったと言っていたのに本当は負けていたなんて知らなかった。目も耳も塞がれていた。北朝鮮と同じだった。」 庶民には、戦争とはこうだったのです。アッツ島の玉砕も嘘でした。「崇高な玉砕精神」というデッチアゲでした。(参照:「アッツ島の真実」(8/8の蛙ブログ)
日本政府は無責任なウソをつく、誤魔化す。新聞や雑誌、マスコミは真実を伝えない。
そして、本当に残念なことに、戦後の日本も全く同じでした。日本政府は本当のことは隠して事を進めるか、あるいは誤魔化してやってしまいます。
都合の悪いことは子どもたちに教えることすらしません。日本が戦争中に隣国でやってきたことを(良いことも悪いことも)日本人は知りません。間違ったことを振り返ることは自虐だと言って避ける人たちが力を得ています。
沖縄は、20万人の命と引き換えに、「(日本)軍は住民を守らない」という教訓を得ました。
私たちは、310万人の日本人の命(とそれ以上の他国の人たちの犠牲)と引き換えに、平和憲法を得ました。
もう騙されない、敗戦記念日に、このことを肝に銘じたいと思います。
靖国神社はあの戦争で死んだ人たちと、その戦争の責任ある人たち(戦死者ではないÅ級戦犯)がともに祀られています。
それが問題なのに、国会議員が、そこを問題にしないで、なし崩しで参拝に出かけることが大問題です。
昭和天皇が参拝を止められた理由としてその問題を挙げておられるのに、それも無視です。
自民党や今の政治が、そういう、そもそもの問題を、忘れたふりをして誤魔化していることに若い人たちは気付いてほしいと思います。
ところで、8月14日の「生き生き箕面通信」さんの記事:
<「立ち上がろう」と、オリバー・ストーン監督>がおススメです。

「立ち上がろう」と、オリバー・ストーン監督


 アメリカの映画監督、オリバー・ストーンさんは昨日8月13日に、沖縄国際大の屋上から眼下に広がる普天間基地を視察しました。この日は、9年前に同大学に米軍の大型輸送ヘリが墜落した日でした。


 監督はヒロシマナガサキでの「原爆の日追悼式典」に参加し、「日本に原爆を落とす必要はなかった。アメリカ人として犠牲者に謝罪したい」と、話しました。

 


 それだけでなく、「核兵器の廃絶を求める集会」では、自国アメリカとオバマ大統領を厳しく批判した上で、「日本人は属国化されていることにもっと、もっと怒るべきだ。立ち上がるべきだ」と、スピーチしました


 オリバー・ストーンさんは日本でのスピーチで、自国アメリカの”蛮行”を告発し、蛮行をやめさせるために立ちあがるべきだと熱心に主張しています。これは、アメリカを愛すればこその”告発”であり、建国の理想に立ち戻ることを願う気持ちからの厳しい批判といえます。
 


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 オリバー・ストーン監督は、ベトナム戦争を描いた映画「プラトーン」で、戦争の非人道性を訴え、アカデミー監督賞を受賞。

 2000年には、当時の大統領選に関して、ブッシュ氏が当選したらアメリカ国内で大規模なテロが起きると予言し、その翌年、実際に「9・11」が起こりました。

 ケネディ大統領の暗殺に関しても、真の犯人はジョンソン大統領(事件発生時は副大統領)だと力説しています。

 最近では、「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史」で、アメリカの帝国主義的傲慢さを暴露しています。

 活動全体を通じて、世界の平和を築くために「立ち上がろう」と呼びかけています。66歳のアカデミー賞受賞監督は、鋭くしかも精力的です。

 私たちもおちおちしておられません。じっとしてはおられません。立ち上がるほかないではありませんか。

と結んでおられます。そのオリバー・ストーン氏のスピーチ全文はコチラで:http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/21fe206dddde87c0b38ab7af88827430
日本人に立ち上がれと呼び掛けています。