秋祭りと秋の夕暮

今日は父が入所している介護老人保健施設老健)の秋祭り。夫は六甲山行なので、10時半、息子の運転する車で母と出かけることに。北側、ガレージ横に灯りがともったようにツワブキの黄色い花がほころんでいました。
初めてのことで、屋台が出ると聞いてはいたものの、どんなお祭りか見当がつきません。地下の入り口を入ると早速受付。エレベーターで3階へ行くと、すでに入所者と家族の方たちが沢山おられました。どこを見回しても父の姿が無く、係りの方が「どこか歩いているはずです」とか。そのうち、「お部屋におられますよ」という声が。
二人で部屋を訪ねて、私はついでに、カナダから帰ってMさんのお宅に泊まっているというSさんにケイタイで連絡を取りました。今日は、Mさんはお出かけで、ヴィソラで会おうという電話が朝ありました。コチラのお祭りが何時に終わるかわからなかったので、受付で頂いたプログラムで3時には終わることが判りましたので、伝えました。
さて、家族と一緒になった人たちから順番に会場の一階へ降りることになって、私たちも車いすの父と一緒にエレベーターに乗り込みました。事務所の奥のいつもはリハビリとデイサービスの方たちが使う食堂に続く広い部屋が会場になっていました。外の芝生も会場になっていて、太鼓が置いてあります。私が車いすを押して久しぶりの外気と日光のあふれる外へ出たのですが、風が冷たく、父はお気に召さなかったようです。すぐ寒いと言い出して建物の中へ入りました。そういえば8月に救急入院してから2か月半ぶりの外気です。真夏から、スッカリ秋、それも急な冷え込みの朝になっています。
食堂のテーブルの所、それも風の通り道を避けて奥の方に場所をとって、待つことにしました。太鼓の音がして、演奏が始まったようですが、私たちのほかにも、寒いのと賑やかなのが苦手な方たちもいて、2,3組の方たちがテーブルに着いています。そこで、顔見知りに出会いました。殆ど同時に気が付いたようで「あら〜こんなところで〜」でした。同じ小学校の同窓の大先輩のOさんで、4人おられる息子さんの一人と長男とが同じ学年で子ども会でも一緒でした。息子さんとお孫さんがご一緒です。聞くと、ご主人が心臓が悪くペースメーカーを入れておられ、歩行訓練に通所しておられるとか。両親を紹介してお互いにご挨拶。実家のお母さんは101歳で別の施設に入って、そちらも行かないといけないと仰っていました。
11時半になって、食事ができるようになり、誤嚥の心配があって食事が普通食ではない父は特別のトレイが用意されています。初めて父の食事を見ました。父の首に掛けられたカードにはカレーと粥、フランクフルトとたこ焼き、ケーキにチェックがしてあり意味不明です。父が食べ終わった後でわかったのですが、どれもゼリー状かプリン風になっています。カレー色の右端が赤くなっています。こんにゃくゼリーのようなものの上にケチャップが一筋。潰れたお団子のようなものが三つ。父が残したのを母と二人で食べてみましたが、コクのある味付けになっているけど何の味なのか分りません。それが、全部チェックのついていたものでした。それで、カレーの横の赤いものがわかりました。きっと福神漬けの味がするはずです。全部柔らかくしてあるんだ〜〜とわかりました。母が「家に帰ったら、こんなことしないといけないの?」と心配しています。
そこへ、Oさんが「丹波の知人が毎年送ってくれる黒豆枝豆、よかったらどうぞ!」と差し入れ。皮をむいて父に差し出したら、2粒、口に入れました。「うまい」と言いながら口を動かしています。きっと本当はいけないんでしょうが・・・母も「薄皮は出してね」と注意しながら「美味しいでしょう」と。父は「旨いけど、これ以上はいらない」と言ってくれました。母と私は食券でたこ焼きを食べてシチューを飲み、その後は「お祭はどうでもいい」という父と3階に上がって、いつもの日向ぼっこコーナーで30分ほど話をしました。疲れて引き上げてこられる方も何組か。2時頃、母と外に出てタクシーで帰宅。
改めてSさんに連絡して3時頃、私が自転車でMさんのお宅へ伺うことに。新御堂を越えた初めの信号の曲がり角の大きなMさんのお屋敷横を走るだけでしたが、今日はそのお屋敷に入ることに。戸を開けて入った玄関、見たこともない大きさの火鉢が置いてあってびっくりです。何部屋もある古民家然としたお住まいです。次の間にスーツケースが置いてあって、その奥が寝室代わりに遣わせてもらってるというお座敷、その横が仏壇の置いてある仏間。Mさんとは12日の高校の同窓会で同じテーブルでした。
留守番のSさんに「どこがいい?」と聞かれ、「お茶出しのしやすいところ」「じゃキッチン」。台所のテーブルで美味しい日本茶を淹れて貰って持参した御菓子を食べながら2時間近く話して帰ってきました。今回は12月初めまでの予定とか。29日からは京都ということなので、又京都か我が家でと約束して、帰りは田圃の道を走ることに。
六甲山に沈む夕日がとても美しい秋の夕暮です。