◎「二つの線量計といわき市のお母さんのメッセージ」に次いで二つ目です。
◇特定秘密保護法案。そもそも事の発端は、米軍と自衛隊が共同行動をとるときに、日本側の情報管理が甘くて筒抜け、これではだめだと言われてのこととか。それに乗じて、あわよくば反政府運動も抑えてしまえるような法案をと考えたのが安倍政権。わざわざ新しい法律を作らなくても今あるもので十分とも言われています。
下村文科相は、山本太郎議員が園遊会で天皇陛下へ手紙を渡したことを、足尾銅山鉱毒事件で明治天皇に直訴した田中正造にも匹敵すると言ったとか、「特別な1日」さんのブログで知りました。田中正造は日本初と言われる公害事件を告発した、今となっては「偉人」に列せられる人だと思うんですが…。下村大臣は、「匹敵するほどの”大罪人”」とでも言いたいようなお顔でした(実際は罪人でもなく拘束されたもののその日のうちに釈放)。 今の内閣は現憲法を変えて明治憲法に戻りたいのかと思っていましたが、頭の中はすでに明治憲法下の大臣だったようです。平成の治安維持法かと思うような法案を閣議決定しているのですから、それもそのはず。(★コメント欄に下村文科相”釈明”の追加情報あり)
ところが、本家本元のアメリカでも、余りに露骨な反民主主義的法案について批判が起こっています。
◆「Japan's Illiberal Secrecy Law」と題する「 The International New York Times」10月30日の社説です。
いつも覗いている「shuueiのメモ」さんは、10月31日に英文で紹介されていました。コチラ:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20131031/1383167002
「ill-liberal」ですから「反自由主義的な」という意味になりますね。最近、英文と縁遠くなった私、日本語訳がどこかから出ないかな・・・なんて人頼みにしていたら、「日本がアブナイ!」さんが取り上げています。
◆◆原文の日本語訳を紹介されていますので、日本語で知りたい方は「日本がアブナイ!」<米紙が「反自由主義で下品な秘密法」と批判&安倍の暴走を米国も警戒>のコチラで:http://mewrun7.exblog.jp/21278479/
◆◇◆ここでは、「アブナイ」さんと重なりますが、ニューヨークタイムズの社説を取り上げた「日刊ゲンダイ」の記事をコピーします。
アメリカが何を警戒しているかがよくわかる記事になっています。(電子版は日付が29日ですが、30日付のNYタイムズ本紙にも掲載されています。)
NYタイムズ 社説で「日本版NSC」「秘密保護法」断罪の波紋
安倍首相が成立に躍起になっている「日本版NSC設置法」と「特定秘密保護法」。言うまでもなく、米国の“猿マネ”だが、その米国のメディアがこの法案を断罪した。それも記者個人のオピニオンではなく「社説」でだ。
米ニューヨーク・タイムズ(電子版)の29日の社説のタイトルは「日本の反自由主義的秘密法」。記事では、<日本政府が準備している秘密法は国民の知る権利を土台から壊す><何が秘密なのかのガイドラインがなく、政府は不都合な情報を何でも秘密にできる><公務員が秘密を漏らすと禁錮10年の刑になる可能性があるため、公開より秘密にするインセンティブが働く><不当な取材をした記者も最高5年の懲役><日本の新聞は、記者と公務員の間のコミュニケーションが著しく低下すると危惧している><世論はこの法律に懐疑的>――と問題点を列挙している。
ただ、ここまでは朝日や毎日など日本の一部新聞の主張と同じだが、NYタイムズはさらに踏み込んだ批判を展開。秘密保護法とセットの「日本版NSC」の事務局である国家安全保障局に「総括」「同盟・友好国」「中国・北朝鮮」「その他(中東など)」「戦略」「情報」の6部門が設置されることを問題視して、こう書くのだ。
<6部門の1つが中国と北朝鮮。他は同盟国やその他という分類なのに、である。こうした動きは、安倍政権の中国への対立姿勢やタカ派外交姿勢を反映しており、これが市民の自由を傷つけ、東アジアにおいて日本政府への不信感をさらに高めることになる>
日本版NSCと秘密保護法がアジアの安定を脅かす可能性にまで言及しているのである。
米国事情に詳しいジャーナリストの堀田佳男氏がこう言う。
「安倍首相は9月に訪米した際、シンクタンクの講演で<私のことを右翼の軍国主義者と呼びたいのなら、どうぞ呼んでくれ>と言いました。あの発言で、米国のリベラル系メディアは、ますます安倍首相を危険視するようになりました。このまま中国を刺激し続けると、日中間で戦争になってしまうのではないか、と本気で恐れているのです。安倍首相に対する危機意識は相当高まっています」
安倍の危うさを米メディアの方がよっぽど分かっている。
(写真は団地の街路樹の紅葉。桜の前に花水木が真紅に色づいて、路肩の吹き寄せ、桜と花水木の落ち葉)