小保方さんその後と「女性たちの貧困」(NHKスペシャル)


STAP細胞を巡る小保方問題その後:
小保方晴子さん一人に研究不正あり」と断罪した理研調査委員長「石井俊輔」に「研究不正」が発覚、即、辞職><山中教授にも研究不正の疑いが・・・。ネットでの指摘を受け、自らの申し出によって、関係者が調査を行ったらしい。その結果、「問題なし」となったようだが、そんな簡単な問題ではないだろう。「30代の研究者は未熟だ」とか「研究ノートが二冊とは?」とか、国会にまで出かけていき、偉そうなことを言った人が、自らの「研究不正」の発覚に怯えている実態が、浮き彫りにされた形だ。そもそも研究や発見、発明そのものの盗作やパクリなら問題だが、「小保方バッシング」の時のように、研究や発言、発明そのものとは、あまり関係のない手段や方法論でしかないところまで、たとえ、科学とはいえ、そこまで言いだしたらきりがないのだ。笑えない喜劇に発展してきたと言わなければならない。・・・・最近の日本人は、物事の本質を見失っている、ということだ。>(文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』)

◎”科学的発見より論文の書き方、ノートが大事”という問題にならないことを大問題にした人達が、自ら招いた問題というお話にならない事態。本質的なこと以外で騒ぐから……でも、有能な女性科学者を抹殺しようとしたのは何故? の疑問は残りますが・・・
◎「東久留米日記」さん(http://d.hatena.ne.jp/higasi-kurumeda/20140427/1398598997)の<おかしな「空気」とかメモ>の中には、面白い記事がメモってあります。その中の田母神俊雄氏の「女性の社会進出について」(http://t.co/i9xkOdfK0w)を読んで、日曜日に見たNHKスペシャル「女性たちの貧困」を思い出しました。
金曜デモのルポでお馴染みの「特別な1日」さんがブログ(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20140428/1398685944)で取り上げておられます。

番組を見逃した方はSPYBOYさんが紹介されているコチラで「●内容を要約していた人が居た:4/27のNHKスペシャル”調査報告 女性たちの貧困〜”新たな連鎖”の衝撃〜”を見てました。速記メモ。: Fallen Physicist, Rising Engineer」http://sci.tea-nifty.com/blog/2014/04/427nhk-9cc3.html
本当に凄まじい内容に、夫と二人で「今日は録画した『廃炉への道(2)』を見るのは止めよう」と。特に、2年ほど前から母親と19歳の自分と14歳の妹がネットカフェに棲みついた母子、食事が菓子パンだけの日もあり、バイトで稼ぐ月10万円の生活費、とか。本来なら、こういう場合は憲法で保障されている最低限の生活が保障されるはずです。行政が手を差し伸べるべき対象、生活保護の対象であるはずなのに・・・。又愛媛の母子家庭で娘の大学生が学費を稼ぐために休みになったら時給の高い東京へ出稼ぎに来ているという話には、最低賃金の格差の問題が。
◎火曜日の夜、NHK10時のドラマ「サイレント・プア」は、深田恭子さんが社会福祉協議会の職員(CSW=コミュニティ・ソーシャル・ワーカー)を演じています。(番組のホームページ:http://www.nhk.or.jp/drama10/silentpoor/index.html) 取材先に隣町の豊中市社協と書かれているので関心を持って見ています。
〇調査により貧困の実態を取材し、健気に自力で這い上がろうとする姿で締めくくる番組、一方で、行政の支援の網から漏れる人がないようにと懸命に活動する個人が描かれるドラマ。どちらも「政治」が関わってくる問題であるはずです。
NHKスペシャルから(速記メモさんからコピー):

年収200万円以下の非正規雇用で働く女性は289万人に上っている。不安定な雇用、結婚できない。親の貧困が子に連鎖している。

働く女性の約6割が非正規雇用一橋大学との共同調査では、年収200万円未満の非正規雇用で働く15〜34歳の女性の割合が81.5%。


SPYBOYさんは、「番組では宮本顕治の息子の中央大教授、宮本太郎が色々言っていたが、原因は日本のセーフティネットの不備に加えて、最低賃金の問題が大きいと思う。正規・非正規の問題に還元するのはちょっと違うんじゃないだろうか。昔 非正規労働が解禁されたときは若手の正規社員より非正規社員のほうが時給は遥かに高かった。それならば納得できる。」と書いておられます。
私も全く同感、「原因は日本のセーフティネットの不備」でこれは主に生活保護の問題だと思いますし、また「最低賃金の問題」だと思います。ただし、「正規・非正規に還元するのは・・・」というところは一寸……。我が息子も外資の会社の契約社員ですので、それを見ていると、企業の支払うべき賃金の節約のためと簡単に首が斬れるための正規・非正規問題であって、特殊能力をヘッドハンティングして高給でというのは今から思えば相当昔の話ではないかと思います。

番組の内容は、「クローズアップ現代」がアメリカの富裕層を取り上げた問題と重なります。富裕層が自らを囲い込んで住みたいという背景には大多数の極度の貧困があります。社会的弱者である女性がこういう状態であれば、男性も同じです。福祉施設で働く男性が20代後半で月20万円足らずでは、結婚できないと思うでしょう。
こういう深刻な現実問題に目を向けないで、田母神さんのように「少子化の根本原因は多くの女性が働くようになったことではないか」「多くの女性が、仕事を求め働いているのではなく、家計を助けるために働いているのではないか。だから女性が働かなくても生活が出来る国を目指すべきだと思う」というのは、どこかピント外れのような気がします。