「大津地裁・関電異議退ける」と「2013年参院選との比較」とペシャワール会報から


◎読売新聞、12日4時のニュースです:(イラストと写真はネットからお借りしました)

高浜運転差し止め、関電の異議退ける…大津地裁



関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた仮処分決定の保全異議審で、大津地裁(山本善彦裁判長)は12日、関電の異議を退ける決定をした。

差し止め決定を支持しており、両基は運転できない状態が続く。関電は決定を不服として、大阪高裁に保全抗告する方針。

滋賀県民29人が2015年1月、運転差し止めを求めて仮処分を申請。今回と同じ山本裁判長が今年3月の仮処分決定で、「安全性が確保されていることについて、関電は説明を尽くしていない」などとして差し止めを命じた。運転中の原発を停止させる初の司法判断だった。

6月には、関電が仮処分決定の効力を止めるよう求めた執行停止の申し立てを却下していた。

内田樹さんがリツイート


奥田愛基akaオークダーキ ‏@aki21st · 7月11日

2013年参議院選挙と比べ。



◎前回、3年前(2013年)の参院選との比較。これを見ると、得票数が伸びているのは、民進党共産党、社民、生活の野党共闘4党ですね。98%時点で、減らしているのは、自民党公明党。これは、野党共闘、もっと評価されていいですね。
中村哲氏のペシャワール会報(No,128)が届きました。「2015年度現地事業報告」が掲載されていますので、その中から一部を書き写してみます。

「緑の大地計画」の仕上げを前に農村の荒廃が進み、飢餓人口が増え続ける



2015年度現地事業報告 PMS総院長/ペシャワール会現地代表 中村 哲


2015年度の概況
異常気象と洪水
 

 2015年7月中旬、アフガン東部全域が熱波に襲われ、50度を超える気温となった。7月下旬から8月初旬にかけてクナール河流域、カブール河沿いの各所で氾濫がおきた。「記録的洪水」は、もはや珍しい現象ではなくなったように思われる。
 最近の傾向は、以上お香気温、集中豪雨、河川の氾濫らが気まぐれで、かつてのように決まった季節に来襲せず、常に備えをしなければならぬことである。
 2015年度は、マルワリード=カシコート連続堰を除く全ての堰の改修が行われた。今後を予想し、河川周りの工事(堰と護岸)に機動部隊を常時置き、「緑の大地計画」全域に速やかに展開すべく、緊急事態に備えている。

(中略)


(↑ガンべり農場の麦刈り・2016年5月)

(↑田植えが始まったガンべり農場・2016年6月)


2015年度を振り返って


 最近PMSの「緑の大地計画」が注目を集めているのは、必ずしも喜ぶべきことではありません。アフガン農村の荒廃がさらに進み、飢餓人口が依然として増え続けているからです。
 それでも、多くの心ある人々が干ばつと食糧問題に目を向け始めたのは、この一年の大きな進展でした。次の段階は、良き訓練の場を提供し、如何にして他地域に希望を分かつかにあります。そのためには、やはり成就に近づいた「緑の大地計画」を確実に仕上げ、地域から流れを起こすことだろうと思います。
 進行する事態は生やさしいものではありませんが、私たちは絶望しません。神を信ずる者にも、信じない者にも、等しく恵みが与えられていることを知っているからです。


 虚飾の時代です。利を得るに手段を選ばず、欺き、殺してまで目先の富を守ろうとする風潮が、世界中で目につきます。「近代」は実を失い、道義の上で既に廃頽しました。経済成長という怪しげな錬金術にすがり、不老不死の夢を追い、自然現象まで科学技術で制御できるかのような進歩信仰は虚しく、人間の品性と知性はかえって退化したようにさえ思われます。


 ツケはすでにきています。「テロとの戦い」は、世界中で宗教的偏見を煽り、狂気を呼び起こしました。アフガン報復爆撃から16年、今国際世界は暴力化し、得体のしれぬテロの恐怖に脅(おび)えています。豊かさを求めて原子力に慄(おのの)き、貪欲に富を求めてカネの下僕になっていくようです。GDPも防衛力も、恵みを語りません。「景気回復」は至福を約束しません。戦いで死者は増えても、貧困と飢餓はなくなりません。


 東部アフガンという辺境の一角で、世界の流行に惑わされず、ここまで来れたことに感謝します。今後も変わらず心ある人々と協力し、実のある歩みを続けていきたいと思います。そのことが、次の時代を拓く確実な手がかりだと信ずるからです。
 温かいご協力により、無事に一年の歩みを経たことに感謝します。
                              平成28年6月 記