庭の花と平家物語「知章最期」

ひんやりと少し寒い雨の昨日の水曜日、梅雨入りだそうです。
それまでお天気続きだった庭の花の写真です。

百日紅サルスベリ)の木の下にある西洋アジサイアナベル)が真っ白になってきました。
↑北側の柏葉アジサイも白い花の房が咲き始めより一回りも大きくなって咲いています。


斑入りオリヅルランは子産み?の季節を迎えました。
ランナーを長く伸ばして可愛い白い花を付けています。
↓椿の木の下に咲くヤマアジサイと十薬の白い花、星が瞬いているように見えます。
↓そして、夏椿の木陰の赤いバラの蕾と紫陽花の蕾。木陰で咲くことになりそう。
 

木立性ベゴニアの赤い蕾も見えてきました。
今年は枝を差して更新したのですが、
うまく着いてくれました。
↓大事に育てている?ニゲラの花。
なかなか増えてくれません。
咲き終わったピンクの花は
こんなに大きな実をつけています。

去年の種がまだ残っています
雨が降るという前日、
もう一度種まきをしてみました。
移植を嫌うというので
鉢の中に撒いてみました。
◎先週の土曜日3日は平家物語の日でした。先月、5月の6日は、直前になって体調不良で休んでしまいましたので、先週、入り口でもらった新しいプリントは巻十の「首渡(くびわたし)」に進んでいました。1184年(寿永3年)陰暦2月7日のこと。摂津の国一の谷で討たれた平氏の首が12日都に入り、縁のある人々は嘆き悲しみ合っていたというお話です。

休んで抜けてしまった「知章最期(ともあきらさいご)」は、清盛の四男・新中納言知盛の長男・武蔵守友章の最期について書かれています。
その前の笛の名手敦盛の最期は、首を取った源氏方の熊谷次郎直実が自分の息子と同い年の十七歳と知り、また、身に着けていた笛が鳥羽院から授けられたもので小枝(さえだ)という名前だと知って、いよいよ出家の志を強くしたというお話でした。
この「知章最期」も十六歳の若者の死を描いています。
今度は父親を助ける息子、息子を見殺しにして逃げなければならなかった父親の話。そして名馬の話。馬は泳いで主の知盛を船まで送った後、船には乗るスペースがないので追い戻されるのですが、「敵のものになっては」と射殺そうとする安波民部(あわのみんぶ)重能(しげよし)に、知盛は「誰のものになったとしてもかまわない。自分の命を助けてくれたのだ、殺すな」と。↑イラストの左が重能です。

この馬、信濃の国の井上産で「井上黒(いのうえぐろ)」と言います。主の知盛を慕って何度も船の方を振り返っていたのですが、その後、捕らえられて、院に献上され、院の厩で飼われたとか。もともと院の秘蔵の馬で、兄の宗盛に下されたのを新中納言が預かり大事にしていたもの。その主の命を助けた後、また元に戻ったことに。

さて、息子の知章ら主従三人が十騎ばかりに追われて戦っている間に逃げおおせた父親の新中納言(知盛)は「子の討たれるのを助けもせず、よくも逃げてこられたものと、他人のことならどんなに非難したことだろうが、自分自身のこととなると、命は惜しい。人々がどう思われるかと思うと恥ずかしい」と、袖を顔に当ててさめざめと泣きます。十六歳の同い年の息子を持つ大臣殿は慰めます。「いくらもなみゐたりける平家の侍ども、心あるも心なきも、皆鎧の袖をぞぬらしける