「森友学園狙い撃ちは、本当に『国策捜査』だったのか?」(現代ビジネス)

森友学園問題で籠池氏の自宅でインタビューして以来、大量の資料が入った段ボール箱を自宅に持ち帰って整理を続けていると言われる菅野完氏のツィッターで「現代ビジネス」の記事が紹介されていました。先日の籠池元理事長自宅の強制捜査は「国策捜査」といえるのかについて全文引用です。
今朝のサンデーモーニング青木理さんの解説では、補助金詐取だけではトカゲのしっぽ切り、不当に安い国有地払い下げ問題に触れずでは国策捜査という被疑者の籠池氏が正論を言っているという不思議なことに。世論がこういうことを許すのかという民主主義が問われているという解説でした。それでは:

菅野完‏ 
@noiehoie
森友学園の狙い撃ちは、本当に「国策捜査」だったのか 籠池理事長が最後に残した問いかけ(現代ビジネス)- Yahoo!ニュース(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170622-00052079-gendaibiz-pol&p=1)

森友学園の狙い撃ちは、本当に「国策捜査」だったのか 籠池理事長が最後に残した問いかけ
6/22(木) 7:01配信

「弱み」はカネがないことだった

 「国策捜査だから、何でもできるんやな。逮捕も覚悟しています


 大阪地検特捜部が、6月19日、国や大阪府などの補助金を不正に騙し取ったとする詐欺などの容疑で、学校法人「森友学園」などを強制捜査した。自宅で長時間の家宅捜索を受けた籠池泰典前理事長は、翌20日午前8時、報道関係者を招き入れ、疲れ切った表情でこう語った


 確かに籠池氏は、安倍晋三政権に刃向かう“異分子”となり、「国策」として検察が捜査着手した。だが、国策は政権に沿い、その意向を代弁するものだけではない。検察は、日本という国家に資することになる捜査を、国策として行うことがある。


 以下に説明しよう。


 今年2月、「国有地の8億円値引き販売」が発覚して以来、物怖じしない籠池ファミリーのキャラクターもあって、森友学園事件は国民の関心を集めた。特に、3月16日、野党議員団を大阪・豊中市の自宅に招き入れ、「(安倍)昭惠夫人からの100万円寄付」を暴露して以降安倍晋三政権は完全に敵に回り、証人喚問に呼んで締め上げた


 籠池氏は、まさに四面楚歌大阪府は建設工事が9割以上、進んでいた「瑞穂の國記念小學院」の認可を出さないと脅し弁護士は籠池氏の元を離れ、府の意向を代弁するように「申請を取り下げるように」と勧め忖度して安値払い下げに応じてくれた財務省は掌を返し、「配慮したことはないし、交渉記録は残っていない」と、開き直った。



 そのうえ頼みの綱の昭恵夫人は、小學院の名誉校長職を辞し、やがて籠池夫人との連絡を断ち、「非常に教育熱心」と、当初は褒めていた安倍首相は、「しつこい人」と、忌避するようになった3月23日の国会喚問は、「100万円発言」に安倍首相がブチ切れ、菅義偉官房長官が意を汲んで仕掛けたものだが、籠池氏の明瞭で明確な証言は、むしろ官邸や財務省の不誠実さを浮かび上がらせた


 私は、証人喚問の直後、籠池氏に2時間半のロングインタビューを行い、彼の「強み」と「弱み」を、ある程度知ることが出来た


 「強み」は、理想の小学校設立へ向け、熱心な活動を続け、安倍夫妻も含め、政治家と官僚を使いたいだけ使っていたものの、裏で賄賂を贈って行政を歪めるようなタイプではなかったこと。正面突破の人であり、贈賄工作には遠い印象だった。

 「弱み」はカネがないこと。幼稚園、保育園はそれなりの規模だったが、小学校を一から立ち上げるとなると、「借金なしの土地取得」を始め資金が必要。ところが、籠池氏には資金がなく、スポンサーもいなかった。


 安倍首相夫妻の看板利用はやむにやまれぬ戦略。それが功を奏して「神風」が吹き、8億円の値引きが可能になったが、それでも足らず、家宅捜索容疑となった国交省大阪府補助金不正受給疑惑につながった。


 それ以降、森友学園民事再生法の適用申請、保育園の事業停止命令を受けるなど追い詰められて行くが、疑惑の発端である「国有地安値払い下げ」に、籠池氏が不正な働きかけをしたのではなく、財務官僚らの忖度であることが明確になった



 つまり、森友学園に投げかけられた疑惑のうち、補助金不正受給については、「ルールの逸脱」で済むかどうかは疑問だが、「安値払い下げ」については、籠池氏の関与を問うのが、逆に難しくなっていた

国策捜査とはなにか

 籠池氏は、検察がマスコミと一体となって自分を追い詰めるのは、「安倍政権が持つ本質的な歪みを隠すため」と主張する。だから籠池氏は、家宅捜査の際、テレビカメラの前で検察官に向かい、「これは国策捜査だ!」と、言い放ち、一切合切を持って行かれるような厳しい捜索を受けた後、諦めたように前述のような感想を漏らした。


 誤解を恐れずにいえば、大阪と東京の地検に置かれた特捜部の手がける案件は、大半が国策捜査である。少ない数の検事が手掛ける以上、事件は絞られ、勢い、国家秩序の維持に役立つ案件が、一罰百戒的に選ばれる。


 つまり特捜案件は、贈収賄はもちろん、脱税であれ、証券不正であれ、企業の粉飾であれ、放置することが、国家や企業を取り巻く環境を歪めることにつながるものが選ばれる。それが、「最強の捜査機関」と呼ばれる地検特捜の矜持である


 ところが、昨今は、その矜持が薄れ、「政管財の監視役」という本来の役割を忘れ、官邸の意向を伺う行政組織となっている


 理由はいくつかある


 7年前の大阪地検証拠改ざん事件と、その余波による「特捜改革」。査の在り方に変化をもたらす「司法取引」を含む刑事訴訟法の改正他の役所同様、内閣人事局によって法務省人事を握られたこと――。


 森友学園事件の“功績”は、「安倍一強」が官邸のパワーアップにつながり、それが官僚の忖度を生み、行政を歪めていることを暴露したこと。そして、「第二の森友」といわれた加計学園事件では、前川喜平・前文部科学事務次官が、忖度による官邸圧力によって、行政が歪められたことを明かした。


 さらに、「安倍首相に最も近いジャーナリスト」といわれる山口敬之氏のレイプ疑惑では、警察官僚の忖度による「事件潰し」が指摘されている

検察は何を守っているのか

 真正保守を自認する籠池氏は、憲法改正にかける安倍首相の意気込みに共感、一度は夫妻と一体感を味わいながら、事件発覚と同時に掌を返した安倍氏が許せない。だから、官邸が検察を動かし、国策捜査に着手するのが明確になった時から、メディアと野党を効果的に使いながら、反撃を続けてきた


 ベストセラー『日本会議の研究』を著した菅野完氏は日本会議大阪の主要メンバーだった籠池氏とは、「教育の在り方」を巡って対立する立場だったが、「権力の恣意的な行使は許さない」という立場から、今も籠池氏への取材を重ね、籠池氏への取材で入手した資料をもとに、効果的に情報発信、「国策捜査」を揺さぶる。


 菅野氏がいう

 「そもそも森友学園事件とは何か解明すべきは、国有地払い下げのメカニズムです。それを抜きに、籠池氏の罪をあげつらっても仕方がないのに、検察はそれにこだわっている。私は、今後も資料の分析を続け、事件の行方を見据えながら、情報を発信します


 国策は、国の役に立つから許され、国民の支持を得るそれが特捜検察の使命であり、時に暴走することはあったが、権力の監視役の範囲内であるとして認められてきた


 しかし、政権の補完勢力としての特捜検察なら話は別だろう国策が、安倍政権を守ることとイコールになり、本質を隠蔽するのでは、「国家の護持役」としての検察は存在意義を失う


 国策で私を潰すことが日本の利益に適うのか。「小学校用地の安値払い下げ」という事件の本筋に迫り、安倍総理夫妻を捜査対象にすることも必要ではないのか――。 籠池氏のこの問いかけに、大阪地検特捜部は答えることができるだろうか


伊藤 博敏