浜矩子氏の痛快アホノミクス批判と高水準の子どもの貧困率


水曜日はヨーガの日、今日は今年最後の日。いつも住宅街の中の道を通り抜けますが、先週、もう水仙の花が咲いていました。早春の花というイメージがあるので、師走の水仙は不思議です。その前日、我が家でSさんと雑誌の交換をしたとき、ビニール袋に「女性のひろば」という冊子も入っていました。12月と1月号が入っていたので、面白そうな記事を選んで読んでみました。共産党が発行している冊子で、勧められてとってみたと仰っていました。1月号の目次の「発言集」というところに、浜矩子、安田菜津紀山口二郎さんたちが書いています。安田さん(1987生)は、時々、サンデーモーニングのコメンテーターでお見掛けするフォトジャーナリスト。
浜矩子さんの痛快でドンピシャのネーミング「アホノミクス」を雑誌の広告でよく見ます。この記事を読んでみると、ネーミングだけではない痛快さ!書き移してみたくなりました。前段は要約で、途中から書き移しです:

人間を不幸にする経済を越えて

浜 矩子(のりこ) 同志社大学大学院教授

 選挙で与党が「圧勝」とメディアが報じるのはおかしい。野党でもだれが民主主義側で、だれが国粋主義側かが分かって,立憲野党と市民の連合が確立。グリーンモンスターの小池氏の党は大混迷、もし第一党になっていれば、今頃は憲法改悪に向かって走り出していたはず。ところが、立憲民主党野党第一党になっため、公明党改憲に対する構えも変わった。今回の選挙は、そういう変化をもたらしたのと、もう一つは、日本にも市民社会ができたこと。「一見鳴りを潜めたように見えても、必要に応じてすぐに盛り上がることができる市民運動」ができたこと。



 よく、安倍政権について「憲法『改正』は嫌だけど、経済は結構いいんじゃない?」という人がいますね。私はそういう発想が一番怖いし、間違った認識だと思っています。憲法と経済は切っても切れない、表裏一体の関係です。憲法「改正」は「強兵」、アホノミクスで「富国」。21世紀版の大日本帝国です。


 そもそもアホノミクスは、私たち国民のためにやっているわけではない。政府・財界でつくる「チームアホノミクス」は、強いものをより強く、大きなものをより大きくする、そのことによって強い「御国」づくりのための強い経済基盤づくりをひたすら目指している。それだけです。こんな中で、我々国民が景気回復を実感するわけがない。


今年3月末に打ち出された「働き方改革実行計画」では、「同一労働同一賃金」「長時間労働の是正」が打ち出されました。これらを、”強兵路線を隠ぺいするため”とか、”国民に改憲の賛同をえやすくするため”の煙幕や人気取りだと思ってはいけません。この認識は甘い!


 安倍政権は、同一労働同一賃金が働く人にとって当たり前の権利だからとか、長時間労働を是正しないと人が死んでしまうから改革が必要だとかんがえているわけではありません。戦後の日本で労働法制によって確立した働く人の権利を切り縮め、そのことによって「労働生産性」をあげることが目的。一人ひとりが人間らしく働き続けられるような改革など、毛頭、やる気がない。



 「働き方改革」の第3の柱である「柔軟で多様な働き方」も耳に心地よい言葉で飾られていますが、要するに労働法制に守られている世界から国民を追い出すのがねらいです。諸外国でもフリーランス型の働き方は増えています。 ですが、日本の異様なところは、政策がその方向に人々を駆り立てている点です。


 海外では、政策は人々がフリーランス化することにともなって発生する問題を解決しようとしている。フリーランス化に伴って働く人々の権利が阻害されないようにしなければ、と考えて制度改変について思案している。


 ところが、日本では、働く人々の権利が侵害される可能性のある世界に向かって、政策が意図的に人々を送り出そうとしている。それが、「柔軟で多様な働き方の推進」の正体です。


 「一億総活躍」でお国のために一億総奉仕する臣民にさせられないためにも、我々は、個別施策ではなく、彼らの本質的な狙いが何なのかを見極めていかなくてはなりません。アホノミクスは妖怪が経営する料理屋さんのようなもの。いくら料理がおいしそうに見えても食べに行けば食われてしまいます(笑)。


 人間を幸せにするための営みーーーそれが経済活動です。多少なりとも人間を不幸にしたり、人権を脅かしたりするものを経済活動とは言わない。ブラック企業も、原発を推進する人たちがやっていることも経済活動ではないのです。そういう認識を我々がしっかりもっていないとダメだと思います。


(以下省略)


はま のりこ
エコノミスト三菱総合研究所初代英国駐在員事務所所長。同社政策・経済研究センター主任研究員などを経て、現在に至る。近著に『世界経済の『大激転」混迷の時代をどう生き抜くか』(PHPビジネス新書)、『どアホノミクスの断末魔』(角川新書)ほか

◎日々何とか不自由なく過ごせている者にとっては、日本の子どもの貧困率が高いとか、生活保護と言ってもなかなかピンとこない。何年か前、同年配の自民党の市会議員さんに子供の貧困のことを言ったら「そんなん昔のことや」と言われました。昔というのは戦後間もなくのことです。

内田樹さんがリツィート
◆渡部 深雪‏
@mipom11

ユニセフのレーク事務局長がNHKの取材で、日本の子どもの貧困率が高い水準にあると懸念を示す。
レーク氏は、国連が掲げる世界の持続可能な開発目標が、あらゆる貧困の解消を掲げているにもかかわらず、日本の子どもの貧困率が先進国の中でも高い水準にあるという。これがアベノミクスの果実だ。



金子勝
@masaru_kaneko

アベの取り巻きに金が溢れ、貧困は拡大する】生活保護費の5%カット、母子加算の4000円削減が決まり、多くの母子家庭が生活困難に陥るその一方で、電力消費3倍の時代遅れに3兆円の財政登用しを投ずるリニアは大手4社の談合で捜査。未来がどんどん失われていく。(https://mainichi.jp/articles/20171219/k00/00m/040/125000c)


生活保護
母子加算削減に怒り悲鳴「負の連鎖招く」毎日新聞2017年12月18日 22時00分(最終更新 12月19日 00時30分)


 生活保護費の生活費相当分の受給額最大5%カットが決まり、受給者や支援者らからは憲法25条が保障する「生存権」がさらに脅かされることを懸念する声が相次いでいる。