BSドラマ12/29「竜馬の遺言」


今年は息子たちも帰らないお正月ということで、黒豆を炊いて、ごまめを炒って、夫の好物のカズノコの塩出しをして…と、お正月準備は簡単に。晦日レコード大賞、大晦日紅白歌合戦を見ました。夫も、紅白を最初から最後までゆっくり見たのは生れてはじめてとか。欅坂46の「不協和音」、枝野幸男氏が立憲民主党を立ち上げるかどうかという頃の車中、この曲を流していたというので歌詞に注目していました。
ところで、昨年後半、夫がリウマチに罹ってから、変わったことが一つ。それは、山歩きが出来なくなって、余った時間を、音楽鑑賞に充てるようになったこと。そして我が家で、モーツアルトが聴けるようになりました。

私が自分でアルバイトして家計の足しにしていたころ、何か記念になるものを買っておかないと生活費に消えて何にも残らないと思って、小学館モーツアルト全集を買うことに。吉田秀和さんの文庫本を読んで、それに従ってクラシック音楽を聴き始め、夫が録音していたテープでモーツアルトにたどり着き、全曲を聴きたくなりました。今できなくても、老後にでもと思って、25年前、全巻購入。オーディオ機器を一新(ターンテーブルのみ結婚当初に入手したパイオニア製品)して、LPレコードを聴いたり、この全集のCDを掛けたりしています。ほとんどダイニングテーブルで過ごす私も聴くことに。あの当時、聴きこんでいたメロディが懐かしくよみがえってきて、やはりモーツアルトはいいなぁ〜なんて思っています。全部聞きたくなる作曲家と言えば、後、ショパンくらいですね。

先ほど、午後のお茶を済ませたところ、お正月の洋菓子は我が家の定番、バウムクーヘンでした。爆睡明けの長男から、来月帰るのメールもあり、喜んでいます。夫は今年102歳と97歳になる両親の写真を撮ってラインに載せました。これが私はまだできない・・・
◎さて、本題のドラマ。12月の29日ですから、まだ一週間も経たない先週金曜日に観たドラマについて書いておこうと思います。というのは、今年は明治維新から150年ということで、維新の意義について何かと騒がれる年になりそう。内閣支持率がダントツに高い長州・山口県出身の安倍首相が、これを利用して国威発揚を一層図るのではないかと恐れています。

み田樹さんがリツィート
HOM55
@HON5437
平成30年の年頭所感が発表。しかしそこには「震災」「復興」は一文字もなし。平成25~26年には震災復興や被災者について多くの言及があったけれど、それ以降は極端に減少。平成29年にはなぜか「戦後の復興」が取り上げられる始末。被災地の復興を忘れ、明治150年に興奮してる総理大臣。

BSプレミアムで放送されたドラマは「竜馬の遺言」。先に放送されたという「竜馬最期の30日」の続編ということでしたが、残された二人が竜馬の死によって失われてしまった理想の新国家の夢、何が失われたのか、そして誰が龍馬を殺したかについて語るという内容です。ネットで見つけた番組案内です:https://navicon.jp/news/46494


29日NHK BS SPドラマ「龍馬の遺言」坂本龍馬が残した最後のメッセージとは!?NHKオンデマ見逃し配信 [12月28日14時30分] 【ドラマ】


没後150年を記念して11/19NHKで放送されたSPドラマ「龍馬 最後の30日」の続編となる、龍馬の死後のこされた人たちを描くドラマ「龍馬の遺言」を放送!龍馬(新井浩文)を知る松平春嶽筒井道隆)と岡本健三郎(伊藤淳史)は何を語るのか!?NHK BS 29日(金)夜7時30分より放送!30日よりNHKオンデマ見逃し配信。


慶應3(1967)年11月15日、31歳になった坂本龍馬は誕生日当日、暗殺された。今年(2017)は没後150年となる。坂本龍馬の人気は言わずもがなだが、今年は教科書から「坂本龍馬」の名前が消えるかも、と話題になった。


大政奉還に尽力した龍馬だが、実際には何もしなかったというのがその理由らしい。とはいえ、いまだ坂本龍馬の人気は絶大である。坂本龍馬ファンの多くは、司馬遼太郎作『竜馬がゆく』に感化されたはずだ。


坂本龍馬の何が、没後150年経った今も多くの人を魅了するのだろう。組織に属さない、自由な生き方はある意味男性の理想像なのかもしれない。たとえ教科書から「坂本龍馬」の名前が消えようとも、龍馬の生き方や思想はこれからも多くの人に影響を及ぼし続けるだろう。混沌とする世の中だからこそ、坂本龍馬が求められているのだ。


今年の11月19日、新井浩文主演で「龍馬 最後の30日」というスペシャルドラマが放送された。龍馬暗殺の真相を描いたもので、新たに発見された資料を踏まえた大胆な仮説に基づき、スリリングなドラマとして好評を博した。

その続編となる「龍馬の遺言」が29日(金)NHK BSプレミアムで放送される。龍馬が想い描いていた「新国家」とは…!?


■あらすじ
明治16年、世の中は幕末の英雄・坂本龍馬新井浩文)ブームとなっていた。しかし、そこには決して表に出ることがない歴史の闇に埋もれた事実があった。生前の龍馬を知る元福井藩主・松平春嶽筒井道隆)と元土佐藩士・岡本健三郎(伊藤淳史)が再開。2人は龍馬の死によって失われてしまった理想の「新国家」の夢を語り合うのだが…。


NHK BSプレミアム12月29日(金)夜7時30分より「龍馬の遺言」を放送。出演:伊藤淳史新井浩文宇梶剛士/成河/近藤芳正山本浩司戸田昌宏/水澤紳吾/中山麻聖/一ノ光明/加部亜門/井之上淳/佐渡山順久/木内義一/南条好輝/山本禎顕/浜口望海/三谷昌登/苅谷俊介筒井道隆ほか。NHKオンデマンドにて30日より見逃し配信。


◎ドラマでは、竜馬暗殺の実行部隊は幕府の見廻り隊で、暗殺を命じたのは徳川慶喜とともに京都から大阪へ下った永井尚志(なおゆき)。慶喜を排して松平春嶽を新政府のトップに押した竜馬の意図を誤解して暗殺を決意したことを、のちに悔います。
竜馬は徳川の血筋の春嶽をトップにして、自藩の利益にこだわる長州と薩摩を抑えて統一国家としたかったのですが、竜馬が暗殺された結果、慶喜も納得していた春嶽も除外されて、京都の朝廷が表舞台に出てきます。これが錦の御旗で祭り上げられて、結局、明治天皇を戴く明治維新になってしまいます。
春嶽(筒井道隆)が自由民権運動から実業家に転身した岡本(伊藤淳史)に、竜馬(新井)暗殺を命じた永井(宇梶)をなぜ責めなかったか理由を語ります。幕府の目付・永井には竜馬が目指す夢の世界を見ることは叶わなかった、想像することすらできなかった。憎しみではなく古い体制が壊されることの恐怖の方が大きかった。それは、春嶽にしても同じ。竜馬が描く、幕藩体制を廃して新しい合議制の民主主義体制という理屈は理解できても、自分がその先頭に立つという竜馬の考えに躊躇し、決断できなかったのは、やはり、現体制が消える、変わるという恐怖心、が自分にもあったと。このあたりドラマはなかなかうまくできていたと思います。
結局、長州の天下。薩摩は西郷隆盛西南の役がありますし、竜馬を失った土佐は自由民権運動につながっていきますが大弾圧を招きます。竜馬が実現したかった新国家とは本当はどんな姿だったのか。二院制の議会制民主主義国家と言われていますが、明治は、どうだったのか・・・

長州藩の解釈だけで明治維新が語られたのでは、志半ばで倒れた土佐の坂本龍馬や、維新10年後に異議を唱えた薩摩の西郷隆盛が浮かばれないのでは…本当に明治維新でやりたかったこと、やれなかったことは何だったのか考えないといけないんじゃないか・・・教科書から坂本龍馬を本当に消してしまっていいのか・・・長州の言いたいことだけが残る歴史にならないか、一寸考えてみたいと思いました。
(写真の張り子の犬は安芸の宮島で求めた民芸品。父が80歳の誕生日の時、娘三人がお祝いで集まり、そのまま広島・山口へ旅行に出かけました。竹籠をかぶっているのは『笑』という字を模して、竹冠に犬で「笑」とのこと)