再稼働反対の官邸前金曜デモと全国一斉自民党前抗議

昨日、5月11日の官邸前再稼働反対デモのルポを、いつものように「特別な1日」さんのブログから。今回のタイトルは「読書『国体論 菊と星条旗』と『0511再稼働反対!首相官邸前抗議』&『全国一斉自民党前抗議 #0511FCKLDP』」です。形を見せつつある国立競技場の写真をまずお借りして・・・

●まず、タイトルの通り、白井聡氏の話題の本『国体論 菊と星条旗』です。
ブログ主のSPYBOYさんのちょっと辛口の書評はぜひブログを訪ねて読んでみてください。
私は今本を読む時間がなかなか取れなくて、書評や感想を読んで、内容を想像しています。
それにしても、対米従属なんて言葉は、大昔の昭和の時代なら共産党ぐらいしか言わなかった言葉ではなかったでしょうか。その頃と比べれば、アメリカとのと従属関係を、普通の主婦が言ってもわかってもらえるようになったのは、私の場合、孫崎享氏の『戦後史の正体』と、鳩山由紀夫元首相の時の普天間基地の県外移設が潰れたこと、そして沖縄の翁長知事誕生などがあったからです。最近は、ヨガ仲間とも政治について話す機会がなくなってしまって、周りの私たち世代がどんな風に感じているのか、じかに聞くことがありませんが、どうなんでしょう?
アメリカに対する『従属』とか「隷属』という実態が把握できれば、その現状をどうすればいいか。自立を目指すという方向がはっきりしてくれば、その方法も見えてくるのではないか。まずは「従属、隷属」が意識できるかが大問題だと、私などは思っていましたので、SPYBOYさんのように、”その先がない”という批判には甘くなってしまいます。たとえば、最近、トランプ大統領になってから、日本訪問が横田基地経由になっています。外国のトップが日本の表玄関を素通りして、日本にある米軍基地からやってくる…日本はいつからアメリカのものなん???と思いませんか? 北朝鮮が解放した3人のアメリカ人が帰国したのは、横田経由だった?なんてニュース、ありましたっけ? 知らなかった・・・

内田樹さんがリツイート
YoJung Chen
@YoJungChen 5月10日

国務長官は日本を経由して北朝鮮へ。そして解放された米人らを連れて再び日本を経由して帰国。結構な事だ。
外交的に気になるのは、往路でも復路でも、北朝鮮問題に何とか関与したい日本政府首脳に一言でも挨拶があったのだろうか?
それとも、経由した「横田」は日本に関係ないと言うのかな?


◎横道にそれて申し訳ありませんが、昨日の朝日の夕刊に池澤夏樹氏が「終りと始まり」と題するかなり大きな記事を書いておられます。内容が丁度同じ白井聡著「国体論 菊と星条旗」でした。SPYBOYさんの書評ほど明解ではありませんが、文学者らしいといえば、らしい感想なので、少し端折って内容を書き移してみます:


 沖縄は何か罰を受けているのはないだろうか
 広大な基地を押し付けられ、軍用機の騒音と米軍人の犯罪に苛(さいな)まれ、土人呼ばわりされ、あからさまに侮蔑される。異議を申し立てればまた叩かれる。
 これが罰でなくて何だろう。問題はいかなる罪に対する罰かということだ。なぜアメリカ軍はかくも横暴にふるまい、なぜ日本政府はそれを放任ないし助長するのか? 過去をどこまで遡っても思い当たる節がない。<中略>


 同じように第二次大戦の敗戦国であり、同じように米軍基地を抱えたドイツとイタリアではどうか。
   ▽
 沖縄県はこの二月、三人の職員をドイツとイタリアに派遣して地位協定の運用を調査した。あちらでは事態はまるで違った。<省略> 
  
 日本では、2004年の沖縄国際大学ヘリ墜落事件の際、消防や警察でさえ現場に入れなかった。
  ▽    

 なぜこうまで違うのだろう? 歴代の日本政府はアメリカという言葉が出ただけで直立不動になり、頭が真っ白、判断停止状態になる。


 白井聡の『国体論 菊と星条旗』(集英社新書)がこの問いに対して最も根源的な答えを提出している。「国体」とはまたずいぶん古い概念だ。明治維新から昭和二十年までの間、日本の国の形を規定していた「天皇を頂点に頂いた」。『君臣相睦(むつ)み合う家族国家』を理念として全国民に強制する体制」。これは敗戦で崩壊した
 しかし、大日本帝国憲法による天皇が消えた後の空白に「アメリ」が入り込んだ。そういう形で国体は継続された。この論証が本書の最もスリリングなところだ。


 戦前の国体は力尽くで作られ(明治期)、安定したところで見えなくなり(大正期)、硬直化して矛盾のうちに破滅した(敗戦)まで
 同じ過程をアメリカを頂点にいただく戦後の国体も辿っている。敗戦から復興までが第一期、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われたのが第二期、バブル以降の空白の三十年が第三期。


 歴史は過去をなぞり、我々は1940年代と同じ間違いを犯している。冷戦後、衰退するアメリカにまだ日本がしがみついてきたのは、主体的に国を運営する思想基盤がないからだ
 この日米関係を本書は「異様なる隷属」と呼ぶ。第三者から見れば不可解な事態なのに本人たちは気づかない。嬉々として滅私奉公に走る。この先、日本が相手にすべきはアジア諸国なのに、そちらとは仲は悪化するばかり。<後略>


◎この後、池澤氏は唐突に17行ほど今上天皇に言及、「国体の頂点という危険な場所から距離を置くこと。貪欲な愚者どもの神輿(みこし)とならないこと。持てる者は放置して、何も持たない人々の側に身を置こう。 天皇が働く場所は弱者の傍らしかない。」と結んでおられます。
★SPYBOYさんは、白井氏にその先を求めます:

白井は『日本の国体を成り立たせているのは、日本人が自ら隷従しようとする『奴隷根性』』としています。それはそうかもしれないが、それを超えられるような統合原理・物語をどうやって作り出すか、が問題だと思います。例えば光州事件、また昨年の100万人もの人が集まって朴大統領を退陣させたのは韓国の民主主義にとって物語の一つでしょう。もちろん流血の惨事はお断りですが。
日本でも原発再稼働や安保法制への反対で国会前に集まった群衆は可能性がありますが、統合原理、物語になるには旧来のオールド左翼の市民団体や組合ではない、普通の人たちがもう二けたくらい多く人が集まらなければ力不足です。


この本は そのまま鵜呑みにするような話でもないし(笑)、『永続敗戦論』から議論がそれほど進んだわけでもない。文章も左翼のアジ文書(笑)みたいで論理的じゃないところも多いです。ただ『これからの日本の統合原理をどうするのかという本質的な問題を浮き彫りにしたのはこの本の価値だと思います。議論のきっかけとしては良いんじゃないでしょうか(笑)。

◎そうですね、私も、特に若い人たちの間で、この本がベストセラーの話題になって、それこそ、賛成、反対、不十分、こうすべき,等の議論のきっかけになればいいと思います。


ということで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
昨日までは季節外れの寒さでしたが、今日は一転、爽やかなお天気です。抗議日和(笑)。午後6時の気温は19度、参加者は650人。同時間に後述の抗議があったんです🤭

で、私も、ツィッターで知ったのですが、全国の自民党(本部と支部)に抗議のデモを仕掛けるという運動、これはいいかも、と思いましたが、SPYBOYさん、参加されています! 東京なので自民党本部前です。その結果は:(色太字by蛙)


参加者は若い人、中年層を中心に高齢層まで幅広い。主催者発表1000人。確かにそれくらいは居ました。言葉は悪口雑言、汚いですが、参加者は怒ってはいるけど、むしろ笑いながらコールしてるやっぱり楽しい、活気ある企画だったら、こういう参加者層になるんだと思いました。地方の自民党支部前で数人で抗議したところから(リスペクト!)、東京の1000人までこれが100倍になったら、国家の物語になりますよ(笑)。

★★★地鳴りのような「総辞職!」コール以外に、沢山のコールが紹介されています。これはびったりという怒りと笑いのコールがたくさんありますので是非ブログを訪ねて!!こちらです:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20180511/1526041262