「新聞記者」の松坂桃李主演ドラマ「微笑む人」

◎3月6日には日本アカデミー賞の昨年度の最優秀作品が決まります。ノミネートされている「新聞記者」と主演の松坂桃李さんが受賞されるか気になる所ですが、その松坂桃李さん主演のドラマが3月1日(日)テレビ朝日で放送されました。「ドラマスペシャル”微笑む人”」(PM8時から2時間)。日曜日は大河ドラマの「麒麟」と日曜劇場の「テセウス」もあり忙しい?ので録画して火曜日の昼間、見ました。

◎同じテレビ朝日のモーニングショーでは28日に玉川氏によるスペシャルドラマの紹介を兼ねた松坂桃李インタビューが放送されたようです。山崎正弘氏のツィッターでその時の画像が一部引用されていましたが、ドラマの方ではなく映画についての部分:

◎ テレビ朝日開局60周年の記念のスペシャルドラマの「微笑む人」とは。番組サイトのキャッチコピーを引用すると:

     松坂桃李が母子殺人事件の容疑者に!
      テレ朝ゴールデン帯ドラマ初主演!
   貫井徳郎の“最恐”ミステリーが待望の初映像化!
     エリート銀行員が語った衝撃の供述は…
      「本の置き場所が欲しかったから」
       尾野真千子演じる女性記者が迫る
        美しき殺人者に秘められた“謎”
  衝撃のラストにあなたは震撼する!

松坂桃李尾野真千子というと、2年前のこの番組が思い出されます。大ヒットした劇場版とは内容が少し大人向け? すずさん(松本穂香)と周平(松坂桃李)の夫婦関係も、すずの幼馴染への夫の周平の戸惑いと仕打ち?や遊女(二階堂ふみ)との関係に嫉妬するすずが描かれたり。嫁ぎ先から転がり込んできてすずたちと同居することになる小姑(尾野真千子)のすずへの複雑な思いも丁寧に描かれていました。

◎さて、この『微笑む人』、出だしの河原のシーンからいきなり怖いです。妻子を溺死させて捕まる松坂(仁藤)ですが、裁判が始まって殺した理由が「本の置き場所が欲しかったからです」という。「そんな馬鹿な!」と、週刊誌の記者尾野真千子(鴨井晶)も思います。

そして、仁藤との小さな接点があった晶は「そんなはずはない」という確信から取材を始めてスクープを狙います。仁藤の松坂の微笑みも怖いですが、晶の尾野真千子の追求していく姿も怖い。真実に近づいているという過程の実感が共有されるから余計に怖い。そしてラストは思いもよらない方向へ。『衝撃のラスト』はオーバーな表現ではありません。再放送があるかもしれないので、内容には触れないでおきますが、とても見ごたえのある、そして考えさせられるドラマでした。

 ◎ドラマのあらすじ:

 「本の置き場所が欲しかったからです」
 妻子を殺害した罪で起訴された仁藤俊美(松坂桃李)は、公判で衝撃の動機を明かす。
 1年半前、神奈川県相模原市の西北部を流れる安住川で、仁藤が妻の抄子(かんこ)と娘の亜美菜(池谷美音)を溺死させたとされる『安住川事件』――被告人の仁藤は、日本最難関の大学に現役合格し、大手都市銀行に就職。抄子と結婚後は都心の一等地にある高級マンションに住み、娘を授かるなど、エリートサラリーマンとして誰もがうらやむような人生を送っていた。

 そんな順風満帆な生活を送っていた仁藤が、なぜ妻子を殺害するという凶行に至ったのか…。事件前から仁藤とは面識があった週刊海潮の記者・鴨井晶(尾野真千子)は「事件の真相を暴きたい」とデスクの井上肇生瀬勝久)に直談判! 見事、巻頭特集を約束された晶は、仁藤の関係者に取材を続け、彼の人物像を掘り下げていく。
 救急隊員が現場に駆けつけたときの状況、搬送先の病院での様子を知れば知るほど、仁藤への疑念を深めていく晶。自分が以前から知っていた仁藤と、捜査関係者から聞く仁藤、いったいどちらの姿が本当の彼なのか…。
 複雑な感情の波に飲まれそうになる晶だったが、やがて仁藤にまつわる衝撃の過去が明らかになり、これまでに彼に関わる何人もの人間が不審な死を遂げていたことを知る!

 ◎原作者の言葉です。尾野真千子さんの役は原作になかったと言います。脚色ってすごいですね・・・

「映像化不可能」と言われた“最恐ミステリー”『微笑む人』を松坂桃李で初ドラマ化!
原作者・貫井徳郎氏が語る映像化困難の理由とは?
そして美しき殺人者・仁藤を松坂が演じることについて…

 

――貫井さんが考える『微笑む人』の映像化のしにくさ、とは何だったのでしょうか?

 テーマが難しいのではないかと思ったんです。この本のテーマって「世間の人たちは、自分がわかる範囲だけで“わかった気になっている”」っていうことなのですが、そんなことって、「言われたくない」「目をつぶっていたい」って思っている方々が大半だと思うんですよ。

 大半の人たちが「受け付けられない」と思っているようなテーマでも、テレビで放送したら多くの方の目に触れてしまうので、ちょっと映像化は難しいのではないかな、と感じていました。

――そんな映像化不可能と思われた作品を松坂桃李さん主演でドラマ化。松坂さんが演じた仁藤俊美はいかがでしたか?

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 仁藤役に松坂桃李さんをキャスティングしたというだけで、もうこの作品は成功じゃないですか!?と思うくらい、ぴったりだと思いました。松坂さんって見るからにいい人。爽やかですし、裏に隠していることなどもなさそう…。でも、そういう人が「本の置き場所が欲しかったから」というわけのわからない理由で妻子を殺す――そのギャップの大きさが、逆に怖さになると感じました。

 そして、松坂さんがこんな役をやってくださることにも少なからず驚きはありましたね。

――尾野真千子さん演じる晶は原作にはない役でしたが…?

 映像と小説の違いの間には補助線を引いたほうがわかりやすくなる、ということがあります。今回はその役を尾野真千子さん演じる晶がやってくださっていると思います。尾野さんの存在で、このストーリーが視聴者の方々にわかりやすく伝わるといいな、と思っております。

https://www.tv-asahi.co.jp/hohoemu/#/?category=drama