5月のお茶のお稽古と幻のアジサイ"七段花”

5月の最終金曜日の午後から、お茶のお稽古でした。

大病から回復されたNさんと会えます。久しぶりに扇形テーブルも出してありました。

五月は炉が無くなって風呂釜になりますので、お部屋の雰囲気も夏向きになります。

掛け軸は「薫風自南来」。「くんぷう、自ずから、南から来る」と読むのかな。さわやかな風が南から吹いてくるというので、ちょうど今の季節。

お花は、3種類ともアジサイのようですが、真ん中が額アジサイ、濃いピンクはシモツケ、そして青い花は幻のアジサイと呼ばれているものだそうです。

今日は、トップバッターはNaさんに代ってもらいました。

棚がありませんので、最後の柄杓と棗の飾り付けは無しということでした。

水差しは瀬戸焼

主菓子は大きなきんつば。一辺5㎝ほどもあってびっくりしました。

食べきれず、懐紙に包んで持ち帰りに。

2番手に私。水屋で写真を撮ってカメラを置いて、支度にかかりました。

干菓子は落雁と奈良のみそ煎餅とか。棗(なつめ)には藤の花が描かれています。

◎この後、Nさんは、まだ血圧が低すぎて身体が本調子ではないので、用心してお茶は点てないで、お客さんでお茶を飲むだけにしておくとのことでした。

余った時間で、袱紗捌きの練習をしました。お茶を点てる前に、袱紗で棗の蓋を清める時、三角に折った袱紗の両端を親指で溝を作って両方に引っ張って音をたてるのですが、私は最近やっとちゃんと音が出るようになりました。この時も、そっと引っ張ると、女らしい優しい音が出て、先生に初めて褒められました。以前、バチンとやったら、それは男の人の音ですと言われました。お茶では女手と男手があって、女性らしさが求められます。

ところで、家についてしばらくしてお稽古バッグにカメラが入ってないのに気づきました。先生のお宅に電話をしてみたら、やはり忘れて帰ったようです。すぐに自転車で先生宅まで。ガレージの入り口はシャッターが下りていたので、正面の門のチャイムを鳴らして扉を開けて玄関口の方へ向かうと先生が待っていてくださいました。カメラは水屋にあったというので、あ~あの時かと思い出しました。

先生が、「持ってく?」と訊いてくださるので、「何でしょう?」と私。

あの綺麗な水色の花を挿さないかと言われました。「え~いいんですか?これから梅雨だから挿し時ですけど…」と先生について庭の奥へ。

シモツケ草とよく似た花で「鹿の子草」というのがあると仰っていたカノコソウを見ました。その手前にアジサイによく似た花がこんもりと花をつけていました。花の名前を聞いたらシダンカと聞こえ、調べたらわかるわよと言われましたが・・・

頂いてきたのをひとまず花瓶にさしました。土と鉢を用意して挿して根付かせます。

3本の茎が取れるので、どれかが根付いてくれるといいのですが。

確か「摩耶山」と言われたと思って、先生の言葉を頼りに「摩耶山、幻のアジサイ」で調べたら分かりました。「七段花(シチダンカ」だそうです。これは嬉しい!!

江戸時代末期に日本を訪れたシーボルトが「フローラ・ヤポニカ(日本植物誌)」で紹介したものの、誰もその実物を見た事がなく絶滅したものと考えられていた。
昭和34年(1959)に約130年ぶりに六甲山で発見された。。。ということです。