「統一協会と自民党 共通する”家族“観 / 選択的夫婦別姓や男女共同参画、同性婚を攻撃」(山口智美さん)

◎昨日は10日、2か月前の7月10日が参院選挙で、その2日前の7月8日、奈良で選挙の応援演説中の安倍元首相が銃撃を受けて亡くなりました。最初に山上容疑者の「安倍政権の政策については何とも思ってなくて、統一教会との関連で恨みがあった」という意味の一報が流れて丸二か月です。以後、安倍元首相と統一協会との関係は一向に明らかにされず、政府は国葬で覆い隠そうとしていますが、一部メディアやジャーナリストのお陰で自民党統一教会の関係は相当明らかになって来ています。

◎山上容疑者が真っ先に精神鑑定を受けさせられたことで、このまま精神に問題ありとして裁判で証言出来ないようにされるのではと勘グっています。裁判を通して統一教会の被害の実態や安倍元首相と統一協会との関係をこれ以上想起させるようなことは避けたいとういことではないでしょうか。

◎この二か月で分かったことは、日本の政治の中枢部が統一教会の思惑通りに政策面でも動いてきたという事。憲法改正案の内容が統一教会の考えと同じだったとか、「子ども家庭庁」のネーミングの「家庭」は統一協会が入れたのだとか、そして、私が一番腑に落ちたのは、ジェンダーに関する法案が何故か自民党の反対で通らない理由が統一教会にあったということでした。一国の政策が一カルト集団の考えによって実現したり、実現しなかったり、などという民主主義国家にあるまじき事態になっていた、ということは由々しき事態であって恐ろしいと思いました。

◎先日、雑誌のやり取りをしているSさんに到来ものの梨を届けに行った帰りに赤旗日曜版9月4日号を貰いました。私の疑問にこたえるかのような記事がありました。とても分かり易い内容でしたのでメモ代わりに:

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ジェンダー平等の前進妨げる逆流

 統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党など政治家との癒着が、次々明らかになっています。モンタナ州立大学准教授の山口智さんは癒着する理由について「ジェンダー性的少数者の問題で共通のゴールをもっているからだ」と指摘します。ジェンダー政策をゆがめてきた実態を聞きました。菅原久仁栄記者

統一協会自民党 共通する”家族”観

 「統一教会ジェンダー観は、憲法の基礎単位である「個人」よりも家父長的な『家族秩序』を重視している点で自民党と共通しています」

(本文写真のつづき:)個人の尊厳とジェンダー平等を求める運動や世論を敵視し、バッシングするバックフラッシュ(逆流)がありました。私は05年頃から”草の根”保守運動の調査・取材をしてきました。統一教会関係者にも話を聞きました。

―――その実態はどんなものだったのですか。

 大手メディアが霊感商法などをあまり報じなくなった中、統一協会”草の根”の活動をしていました。

 統一協会男女共同参画に注目するようになったのは03年の「都城市(宮崎県)男女共同参画社会づくり条例」制定が切っ掛けでした。

  条例は「性別又は性的指向に関わらず」と明記され、性的少数者の権利を盛り込んだ画期的なものでした。しかし、統一教会の教義上、同性愛や両性愛、同性愛は絶対に許されないものでした。危機感を抱いた統一協会は、統一協会系の新聞「世界日報」紙上で条例が制定されると、「都城は”同性愛解放区”になる」と攻撃、同紙の記者が何度も宮崎入りしていました。

ジェンダー平等への逆流

1999年—------------------------—---

  男女共同参画社会基本法交付・施行

2006年ー---------------------------

  ▼第1次安倍内閣発足

  ▼愛国心」「家庭教育」などを盛り込んだ教育基本法改悪

2020年ー----------------------------

  第5次男女共同参画基本計画から「選択的夫婦別姓(別氏)制度」の文言を削除

2021年ー-----------------------------

  自民党LGBTなど性的少数者に対する理解増進法案提出見送り

 富山では世界日報」に、男女共同参画批判を書いていた人物(のちに統一協会広報部長になった)が、男女共同参画推進委員になりました。「親の介護は子どもがするのが当然」と言った彼らの価値観に基づいた寸劇を作り、上演しました。本来の男女共同参画の理念からかけ離れたものでした。

 福井では、「世界日報」に寄稿していた人物が男女共同参画推進委員になり、図書館にあったジェンダー関連の本を「不適切」として県に撤去を求めていました自治体の公募に応募して男女共同参画推進委員になり、苦情も仕立て制度を使って図書の撤去を求めたのです。既存の制度を利用して統一協会は影響を及ぼしてきたのです。

 15年、東京都渋谷区で「同姓パートナーシップを認める条例」が成立しました。統一協会本部のある地元での動きに彼らは相当危機感を抱き、協会員がネット署名や会(家庭を守る渋谷の会)を立ち上げて運動しました。

 今年1月と19年6月、富山市議会自民党の会派で「国際勝共連合」の幹部を講師に勉強会を行っていたことも分かりました。テーマの一つが同性婚反対でした。

 統一協会は、政策に影響を及ぼそうと活動してきたのです

生きづらさ救済

――多くの人の生活を壊してきた統一協会自民党の癒着。国民の8割が全容解明を求めています。統一協会は女性をターゲットにしているそうですね。

 何十年経っても実現しない選択的夫婦別姓、一向に進まないジェンダー政策…その背景には、政治と右派の癒着があります。全容解明はもちろん、こうしたことを知らせ、みんなで声を上げていくことが大事だと思います。

 統一協会が15年、「世界平和統一家庭連合」に名称を変えたことで、問題がより見えづらくなりました日本は女性が生きづらい社会です。にもかかわらず、支援制度は非常に脆弱です。「家庭」と聞けば、悪い団体だとは思わない。しかし、実際には家庭を崩壊させることもあることが、明らかになっています

 困難を抱える人を救い上げるシステムをつくっていかなければ、問題は解決しません。私たちフェミニストにとっても、重要な課題だと感じています。

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◎安倍元首相の事件をきっかけに政治と統一教会の癒着が明らかになったのですが、ここで踏ん張って、政教分離を明確にして日本の政治をまともなものに戻してほしいと思います。そして有権者である私たちも政治にもっと関心を持ち、いつまでも自民党を勝たせるのではなくて、きちんとした批判票を投じることが出来るように、そして、まずは政治に関心を持って、選挙には必ず出かけて選挙権を行使するようになってほしいと思います。少なくなっていく若い世代がこれからの日本を背負っていかなければなりません。少しでもよい方向に向かうよう、出来る事は何でもしたい、高齢者の一人の老婆心からの願いです。