10月のお茶のお稽古

◎昨夜のテレビのニュース番組では野田佳彦元首相の安倍元首相への追悼演説のダイジェストを放送していました。二人で聞き終わって、良かったね. と。ちょっと心配していましたが、心のこもった、それでいて褒め称えるだけの内容にはなっていなくて、野党政治家らしい立派な内容だったと思いました。翌朝、「shuueiのメモ」さんで全文を読んで、ますます感心。久しぶりに政治家の言葉を聞いたような思いがしました。(全文はコチラで:【全文】「勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん」野田元首相が追悼演説 - shuueiのメモ (hatenablog.com)

 いつも最終金曜日に決まっていたお茶のお稽古でしたが、今月は誰かの都合が悪くて水曜の午後になりました。お天気は良いものの日陰は少しひんやりでした。

 旅行の途中で広島県三次(みよし)の夫の友人宅に寄った時いただいた”もみじ饅頭”、たくさん入っていたので我が家分を残してお土産代わりに持って出かけました。先生は私より8つ上で、子どもさんお二人が我が家の息子たちと同級生。8つ下の弟さんと私も小中の同窓生。なので母が大先輩と尊敬していた先生のお母さんも良く知っています。お茶仲間お二人が来られるまで少し時間があったので色んなお話が出来ました。

 一人暮らしの高齢者の話になって、先生はお茶(の先生)をやっているので他人と話をしない日が続くことはなく良かったと思っている、弟が辞めるな、ぜひ続けろと言ってくれると。「そうですか、あのM君が・・・」と私。そのM君は連れ合いを早く失くしたので一人暮らし、大病もしているので、いつ死んでも迷惑にならないよう家も処分、車も処分して、住んでる自宅は家賃を払い、車も自分の車だけど持ち主ではないと、4年前の同窓会の帰りに聞いて驚いたのを思い出しました。

◎掛け軸は初めての「秋菊有佳色」。読み方は「秋菊(しゅうぎく)佳色あり」

「秋菊有佳色」とは中国の詩人陶淵明の詩の一節です。菊は又、喜び久しいの意で、茶席では喜ばれます。「佳色」は茶席にお見えになるお客様のお顔色さながらです。

アケビ籠に活けてある花は、上から、フジバカマ、高砂芙蓉、左の藤色の花はホトトギス、右手前の濃い紫はノダケの花。秋の花はタップリ、と言っても奇数種で、生けてもよいということです。

用意されていた練り菓子は『錦秋』という名前。中のあんこも美味しい。

干菓子はそばぼうろ。懐かしいお菓子で、久しぶりに食べると甘くて美味しかった。

10月は風呂釜の最後。来月から炉に火が入ります。秋が深まるとともに、風呂釜の位置がお客さんの方に近づいていきます。今回は『中置き』といって、棚がなく、漆の板が置いてあるだけ。それも昨年より小さい板で、水差しの置き方が違ったりします。

右のお茶碗は丹波焼釉薬がお茶碗の外側正面と内側の正面にかかっています。釉薬のたれ具合が面白い。左のお茶碗は俵型。

可愛いドングリの絵と柿の絵の京焼茶碗。

◎終わった後、先生から紹介されたのは、今朝の朝日新聞の読者欄『声』の頁の「どう思いますか『高齢両親の施設入所』」の投書。施設に長年入所されていた先生のお母さんは105歳で昨年亡くなられました。今日の新聞の投書欄には「親を施設に入れることへの後ろめたさ」と『最近見かけなくなったが、施設に入れられたんじゃないか。かわいそうだ』というご近所の噂話についての意見が紹介されていました。

 3人で一致したのは、「可哀そうだ」というのは20年ほど前の話で、その後、見守る世代も高齢化してきているので、私たちの親世代で施設入所を選ぶのは普通になっているんじゃないかという感想でしたが、今も未だそう言われる地域もあるということですね。戦中、戦後の私たち世代、特に団塊世代以降は年金額も減らされるし、今の90代以上の人たちのようにはいかなくなるという話にもなりました。

 来月の稽古日を決めてお開き。