「福島原発事故の汚染水 海洋放出は非科学的(大島堅一さん)」 

◎お茶のみ友だちが、薦めてくれる方が良い人で断り切れなくて取っているという「赤旗日曜版」を少し遅れて届けて下さるので読ませていただいています。今回、9月10日号の福島原発汚染水の特集の内容がとても分かり易いので、取り上げてみます。

トリチウム水は世界中の原発から流されているとよく言われますが、日本の福島原発は世界で唯一事故を起こしてメルトダウンした原発からの汚染水で、トリチウム以外の放射性物質も含まれています。未知の危険に対しては、人は、未来を生きる子孫のためにも、用心深くあるべきだと思います。

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福島原発事故の汚染水

海洋放出は非科学的    

原子力市民委員会座長、龍谷大教授 大島堅一さん

おおしま・けんいち=博士(経済学)。立命館大学などを経て現職。原発事故後、経産省総合資源エネルギー調査会基本問題委員など歴任。著書「原発のコスト」など。

 

 <岸田政権が漁業者と国民への約束を破り、東京電力福島第2原発の事故で発生した汚染水(ALPS処理水)の海洋放出を開始しました。環境を汚染する海洋放出を批判し、代替案を提案している原子力市民委員会座長の大島堅一さん(龍谷大学教授)に聞きました。宇野龍彦記者>

 

 汚染水処分の大原則は環境に影響を与えてはいけないということです手っ取り早く海に流してしまう海洋放出は、まったく科学的ではありません。

 政府は「アルプス処理水の海洋放出の安全性が国際的な第三者機関によって確認された」と、新聞広告などで宣伝しています。それをニュース番組やワイドショーが無批判に繰り返した結果、「アルプス処理水放出は科学的に正しい」という誤解が広がっています。

 「国際的な第三者機関」とは国際原子力機関IAEAのことです。IAEA原子力利用を促進する機関で、環境保護や人権を守る面では中立とは言えませんIAEAの報告書は日本政府が提出した海洋放出計画を追認したので、海洋放出以外の選択肢との比較はしていません。また、海洋放出を推奨しているわけでもありません

 通常出るトリチウム水と「処理水」はまったく違う    

 政府・東電や報道は、「アルプス処理水」に含まれるトリチウム三重水素)だけをクローズアップしています。海外の原発の通常運転で出るトリチウムよりも、排出量が少ないから安全であるかのように言います。しかし、世界のどこでも、事故原発の処理水を海に意図的に流したことは一度もありません

 「アルプス処理水」は通常運転の原発から出るトリチウム水とは発生のプロセスがまったく違います。

 通常運転の原発から出るトリチウム水は、主に冷却水中の重水素やホウ酸と中性子が反応して発生します。

 一方、「アルプス処理水」は、原子炉建屋に流れ込む大量の地下水などが、事故で解け落ちた核燃料に直接さらされてできたものです。その為、トリチウム以外にもヨウ素129やストロンチウム90など、多くの放射性物質が含まれています

 東電の3月の発表によると、タンク貯蔵された「アルプス処理水」の7割近くには、トリチウム以外の60種類以上の排出濃度基準を超える放射性物質が含まれています

 放出までに処理され、さらに海水と混ぜて薄められた結果、排出濃度基準以下になったとしてもトリチウム以外の放射性物質が含まれていることは変わりませんそれらの放射性物資が最終的にどれだけ海に放出されるのか、総量も明らかにされていません。

 トリチウムの影響については専門家の間でも意見が分かれています。政府は「環境や人体への影響は考えられない」としています。しかし、

トリチウム有機化合物を構成する水素と置き換わり、有機物の形で人や動物が摂取すれば食物連鎖の中で濃縮されうる

トリチウムがDNAを構成する水素と置き換わった場合、トリチウムが放射性崩壊してヘリウム3(同位体)と酸素になる結果、DNAが切断されるーなどの指摘があります。

実績ある代替案の真剣な検討を

その1 モルタル固化

その2 大型タンク保管

下水流入を止める根本的対策 広域遮水壁

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