一触即発の米イラン&「ゴーン逃亡と日本の裁判所の対応(フィガロ紙)」など

◆新年早々、アメリカとイランが一触即発。二度と戦争をしないと決めた日本の首相が間に入って出来ること…アメリカに言えること、イランに言えることがあるでしょうに平和憲法を敵視してきた安倍さん、この期に及んで言うべき言葉もたずゴルフ!?:

内田樹さんがリツイート

きっこ @kikko_no_blog 1月4日

アメリカとイランが一触即発の状況なのに「アメリカとイランの架け橋」を自称する安倍晋三は公式コメントも出さずにゴルフに映画鑑賞か‥‥

◆これは意味深(古いかな)。今から9年前のオバマ大統領へのトランプ氏の悪態?ですが、自分が思っているから相手もそう考えているに違いないという意見?これが今回のトランプ大統領の本音!ですね: 

内田樹さんがリツイート

YoJung Chen @YoJungChen 2時間

この2011年11月16日のビデオで、D・トランプ氏というまだ無名な億万長者は当時のオバマ大統領についてこう指摘した:「交渉能力も無い弱くて無能な大統領は大統領選の前に必ずイランを攻撃して戦争を仕掛けるそれしか彼が再選される見込みがないから。情け無いじゃないか!

 

◆ 言ってることが無茶苦茶です:

内田樹さんがリツイート

ファリード ヤス @Yasu9412 1月5日

このツイート、単にイランの施設を徹底的に攻撃するってだけじゃなく、文化的なものまで破壊することも示唆してるそれって国際法上、戦争犯罪やろ。

もちろん一番尊いのは、人命であることは言うまでもないけど、それにしてもトランプは狂ってる。

引用ツイート

Donald J. Trump @realDonaldTrump · 3時間

....targeted 52 Iranian sites (representing the 52 American hostages taken by Iran many years ago), some at a very high level & important to Iran & the Iranian culture, and those targets, and Iran itself, WILL BE HIT VERY FAST AND VERY HARD. The USA wants no more threats! 

◆年末のゴーン国外逃亡についてのフランス人記者の記事は、日本の裁判所の対応の遅れを指摘しています。「先進国で使われている被告人の位置を特定できるツールである電子ブレスレットやアンクレットが日本の裁判所では使われていない」。これを使用していれば100%の監視で逃亡は防げたし、人権侵害にあたるような身柄拘束や人手のかかる監視方法を取ることもなかったという。山崎氏の指摘は、井の中の蛙に「井戸の中最高!」を煽り立てるメディアですね: 

山崎 雅弘 @mas__yamazaki 1月4日
レジス・アルノー(『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員)日本は、海外に行く人が少ない国でもある。パスポートを持っているのは人口のわずか23%に過ぎない」(東洋経済https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200102-00322811-toyo-soci
海外渡航経験のない国民が4分の3なら、日本スゴイ系の嘘も見抜かれにくい。

◆海外派兵を国会にも通さないで閣議決定する安倍政権。命に係わる問題を今の政権に預ける気がしないのは、自衛隊員も自然災害で被害にあう住民も放射性物質の被害を受けている福島の住民も同じなのではないでしょうか:

山崎 雅弘さんがリツイート

布施祐仁 @yujinfuse 1月3日

2015年に安保法制が成立した時、知り合いの自衛官が「戦死するかもしれないとかいう以前に過労死する」と嘆いていたことが思い出される足下の人的基盤を無視してアメリカの方ばかり向いて自衛隊の任務を増やし続ける現政権だが人のことを考えずにどんな戦略を描いても画餅に帰すだけだ。

米中のはざまで:任務過密化に疲弊する自衛隊 尖閣諸島北朝鮮ミサイル、ソマリア……  https://t.co/qYgYRWqZEl

 

 

 

グレタさんと日本の高校生

◆気候変動、年間平均気温1℃上昇というのは大事件ですが、グレタさんの国連での発言を「親に言わされている」とか「病気(アスペルガー症候群や鬱)でしょ」という非難は日本だけではなく他の国々でも言われています。BBC放送がその点をグレタさんの父親にインタビューして確かめています。

 ◆1日の夜、息子と三人でNHKスペシャルを見ていました。司会をしている清原果耶さんを見て息子が「いくつなの?」と訊くので「まだ17歳」と私。二人で驚いていましたがシッカリしていますね、演技だけでなく。この番組のコメンテーターの方が、これから国民が政治家を動かしていく際、選挙演説をしている候補者に積極的に「あなたの原発政策は、再稼働についての意見は?」と聞いていけば、国民はそういうことに関心があるのかと考えるだろうと。「そう、その通り。そうならなくちゃ」と茶の間でも盛り上がっていました。暮れのブログで板橋の小学生の「ちんじょう」の記事(僕らがちんじょうしたわけ | Webリポート | @首都圏 | NHK)を取り上げましたが、次のツィッターの高校生は相手が外務省です: 

◆法破りの常習はどっち?  

内田樹さんがリツイート
想田和弘 @KazuhiroSoda 1月2日
・ゴーン氏は法を破り逃げた。にもかかわらず非難する気になれない人が多いのは、安倍政権下で恣意的で不公正な法の適用が常態化し、法治主義が崩れているからであろう。法を破っても咎められない人がいる状態では守る方がバカバカしく見えてしまう。日本は法治国家として危機にあるのでは。
・「日本は法治国家である」と胸を張れない状態で「法を守れ」と言うのは、実はけっこう難しいものです。そしてそういう気分や考えが立ち上がってしまっていること自体が、法治国家としては危機なんじゃないか。 

 ◎下書きにしていた記事が行方不明だと思ったら、押し間違えたらしくて2日のブログにアップされてしまっていました。新年早々のミスですが、余分なものを削ってこのままにしておきます。

 

お正月の初詣

明けましておめでとう

ございます

今年もどうぞよろしく

お願いいたします

 

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昨年は、長男が29日の夜の放送を見届けて翌日から2日の今日まで我が家で過ごすことになりました。昨年より一日早い帰省です。次男は沖縄の那覇。29日は、まだ働いている人たちの仕事納めだから労ってやらなくちゃと忘年会と称する慰労会で出かけるとメール。一介のサラリーマンが中小企業の社長みたいなことを言って、夫に言わせると見栄っ張りが…ということに。夫々の仕事納めでした。

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晦日の夜は、報道担当なのに珍しくエンタメの仕事でアメリカ取材に出かけた息子の裏話を聞かせてもらいました。エンタメの取材といえども人間関係なんだということが分かりました。初めてのアメリカ、これが若いころだったらアメリカに行ってたというとんでもない話。ダラス空港からニューヨーク、アイオワからフロリダと5日間であちこち飛んだようですが、アメリカの魅力には惹かれたようです。自分をあの大きな世界で試してみたいと若いころなら日本には帰ってこられなかっただろう、というのを聞いて、今でよかったと私は胸をなでおろしました。大阪から東京に出たとき、そんなことを言っていました。やっぱり東京は日本一の物と人と才能が集まる場所、大阪は田舎とも言っていましたっけ。

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息子のせいで紅白歌合戦は見られず、裏番組(息子の働いている局でもないのに)の長い番組に付き合いました。夫は早々と降りてしまって隣の部屋で好きな番組を見ていたようです。私は途中年越しそばを作って年明けまでつきあいました。

元旦は隣の母も呼んで、いつもより一時間遅れでおせち料理。生協で母が取り寄せた金沢の二段重ねのおせちです。母も懐かしい数々の加賀料理、かぶら寿司やゴリの佃煮、かぶら寿司カニと菊の花の酢の物やクルミ煮が入っていました。黒豆には金箔がかかっていて贅沢。私が作ったごまめはとっても良い仕上がりで、これも残り僅か。

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午後になって三人で、郵便局に寄ってから山へ向かって初詣に。最初は瀧安寺から。先に滝道をまっすぐ行って裏から入ると参拝の行列ができていたので最後尾に並ぶことに。おみくじを引いたら末吉、境内の木の枝に結びつけてきました。急階段を下って観音寺もついでにお参り↑。川向こうの、一昨年の台風21号の倒木で崩壊した建物の再建に取り掛かるため、太鼓橋は重機が通れるよう補強工事、長い階段は重機が登れるようコンクリートを流して平らな坂道にしたようです。

川沿いを歩いて昆虫館前から湾曲した中之島状の中央への橋を渡ると、あの読めない漢字の『つつじが原』にでます。

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もう一つの橋を渡って滝道に合流、だらだら下ると音羽山荘前へ。

↓写真の橋を渡って山に入り、急坂を折り返して上り詰めると次の目的地の西江寺聖天宮)の裏に入れます。

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ここでもお詣りを済ませて、階段下の社務所でおみくじ。夫は初めてお神酒が置いてあるのに感激。小銭の山に小銭を載せて、青竹のお猪口で頂いていました。私はここで大吉のおみくじを引き当てました。こちらは、お持ち帰り。何年振りかの大吉です。

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途中から振り返って写真を。ここからもう一段下がった境内が天狗が子どもを追いかける場所。そこから又階段を下ると裏出口に大イチョウとモミジの樹があります。

いいお天気に恵まれた穏やかなお正月でした。前日、速報でゴーン氏の日本脱出が報じられて、息子が担当部署の記者たちは正月どころじゃなかっただろうと言っていましたが、狙われましたね、日本のセミ空白状態になる年末を。息子と二人でこの逃亡劇は絶対映画になるねと。日本の警察と裁判所の間抜けぶり?が映画になるのは一寸残念ですが…。

2日の昼の切符しか取れなかったという息子は夫の車で新大阪まで送ってもらって東京へ向かいました。沖縄の次男とはスマホでも連絡取れず、ひょっとすると台湾旅行かも。大阪へ帰省するお金で行けそうですから。いつも年寄りばかり静かに暮らしているところへ、一人40代最後の若いのが入ると大変です。ちょうど良いくらいで帰ってくれました。

今年はヨーロッパへ仕事で行きたいとか。原発のこと、気候変動のこと、小泉親子の真逆の評価や、安倍政権のことなど、そして、仕事のことなど何時になく三人で話し合えました。息子が、気温1℃上昇は大変な出来事、日本で原発はやめなきゃ、で、それに代わるエネルギーを国民みんなでどうするんだを考えなきゃなきゃ、と息子が言い出しました。で、どうする?という話になったり、それぞれ一致するところ、違うところもあって、これ以上はやめた方がとお互い引っ込めたり、探り合いの話もありましたが、楽しかったです。少し、あるいは、やっと、大人になったかなという感じです。結婚、考えていないようで、これも引っ込めました。

やっと一人の時間になったので、山口のWさんにお返事の電話をかけることに。娘さんが小中高の3人の息子たちを連れて29日から昨日まで帰っておられたので、あちらはもっと大変。食べ盛りの男の子3人ですから、料理は作っても作ってもあっという間に無くなってしまったようです。お父さん側の大阪の実家に寄るため1日に移動で丁度いいぐらいに帰ってくれた、あとは、ぐったり、静かになってほっとしているとか。アラウンド喜寿(アラ喜寿)の母親である私たちにはちょうど良いお正月でした。

 

 

今年の終わりに

いよいよ今年2019年もあと2日です。

2年ほど前から自然災害が、と言っても阪神淡路大震災を起点にすれば、もう20数年前から自然の猛威に日本列島は晒されています。日本だけじゃなく、ペシャワールから灌漑事業の報告を送ってくださっていた中村哲氏は、以前から地球規模の温暖化については警告を発し続けておられました。それでも、今年は台風による大雨で千曲川が決壊したり、関東以北、東北地方での大規模な水害による災害は、いよいよ私たちに目を覚ませと警告しているようですし、そう受け取らなければならない時が来ていると思います。

それなのに、日本の政治は鈍感この上なし。税金の使い道があらぬ方へといってしまって、トランプ大統領には日本は金持ちだと言われてしまっています。こんな誤った印象を与えた責任者は、責任を取っていただきたい。自分で自覚できないなら、追い出すしかありません。来年こそは・・・

さて、個人的には、今年は父の一周忌もみんなで迎えることができましたが、その前に母が脊柱管狭窄症で入院。そのまま施設かと思いましたが、何とか退院できました。私は後期高齢者となり、無理のできる体ではないと2か月間の体調不良で思い知りました。来年は、春ごろから母が有料老人ホームへ入所という予定ですので、母にとっても私たち夫婦にとっても今までにない新しい暮らし方が始まります。

さて、ブログ、最近はテレビのニュース番組や新聞は奥歯にものの挟まったような報道ぶりが目立って、あまり熱心に見なくなり、スルーすることも多くなりました。それよりは信頼できる発信者のツィッターの方がより事実が分かりやすくなりました。そういう時代になったのかもしれませんが、その分、政治に関心を持つ人たちが少なくなっているのではないかと心配もします。そんな中、大事だなと思うニュースはなるべく取り上げておこうと思いブログを続けています。一つは自分自身のためでもありますが、拾って覗いてくださる方たちもありますので来年もなるべく続けてみようと思います。

 

今年も毎回訪ねてくださる皆さん、

本当にありがとうございました。

良いお年をお迎えください。

金曜デモ『年の瀬に、峠に立つ(特別な1日)』とニュース彼是

昨日は27日の金曜日、官邸前の再稼働反対金曜デモの年内最終日。「特別な1日」のブログ主さんはお休みでした。今年も1年、あの福島の原発爆発以来、日本のエネルギー政策は変えなければならないと誰もが思ったあの時の思いを毎週繋ぎ続けて世にアピールしてくださっている人々が200人ほどもいることの有難さを今年も感謝したいと思います。SPYBOYさん有難うございました! 昨日のブログはこんなタイトルです:

★峠の坂道、上り詰めてそろそろ下るしかない、否、下りを下り始めているのに気づいていないということか。SPYBOYさんによりますと「今年の出生数が80万人を割った人口の「自然減」も51万2千人で、毎年 鳥取県1つ分がなくなっていくペースだそうです。それだけでなく、生まれてくる女性自体も減っているわけですから、いくら対策をとっても人口の減少はそう簡単には止まりません日本経済は毎年 鳥取県1つ分縮小していくだけでなく、それが今後 最低でも50年くらいは続く」。 

★もう一つ野党共闘についても書いておられます。これも是非ブログを訪ねて読んでみてください。仕掛け人に中村喜四郎氏の名前が挙がっています。私もこの方に少し期待していました。政治改革に並々ならぬ意気込み。東京新聞のこの記事を:

◎以下、内田樹氏のツィッターから気になるツィートを並べてみます。

◆「冬の賞与過去最高」の中身がお粗末。こんなニュース、よく流すな~と思いました。フェイクニュースの域ですね。わずか150社の大企業のボーナスだそうです:

異邦人 @Narodovlastiye 12月26日

冬の賞与が平均95万円で「過去最高」だというが調査は経団連大企業のうち「150社」だけちなみに我が国には「約400万社」以上の企業が存在するので、150社というのは僅か「約0.0004%」に過ぎない絶対王政時代のフランス貴族より少ない層のみが独占する好況感に意味はない。

◆子どものニュース。最近取り上げた板橋の小学生の陳情も放課後の遊び場確保の話でした。少子化のなか、女・子どもを大切にしない国に未来はありませんね: 

内田樹さんがリツイート

ITOKEN @itokenichiro 12月26日

この「小学生の体力が低下(特に小5男子)」っていうニュース、役所は原因を「スマホ」「ゲーム」に求めているけど

そもそも公園での子供の声が「騒音」扱いされるような不寛容な社会で、わざわざ外で遊ぼうって思わないよね。

球技も禁止の公園も多いし

◆この急激な人口減少は予測できていたし、自然現象でもない。子どもより軍事という政治が導いた結果でも: 

異邦人 @Narodovlastiye 12月25日

出生数90万人割れと人口50万人自然減何も今ごろ驚くような話ではない。何せ第三次ベビーブームの担い手たり得た団塊ジュニア世代をギリギリのラインで救済する為旧民主党政権時代に作られた子ども手当てを「そっくり軍事費に回せ」と主張した連中が今、政権の座にあり悪政を敷いているのだから。

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 ◆中村哲氏は「憲法九条は守るのではなく、実行せよ」と。自衛隊派遣を国会を経ないで閣議決定で政府が決めてしまうこと自体、二重の憲法違反では!

 山添 拓 @pioneertaku84 12月27日

安倍政権が自衛隊の中東派遣を閣議決定河野防衛相はその目的を「中東地域における平和と安定、日本関係船舶の安全確保のため」と述べ、米海軍司令部への要員派遣まで行うというこれが「調査・研究」を根拠に可能だと言うつもりか。

なし崩しの海外派兵を認めてはならない。

◆カジノの問題で国会議員の逮捕者が出ていますが、大阪のカジノはどうなの?

政府肝いりで相手はアメリカ。中国資本のカジノはつぶされるけど、こっちは大丈夫?

志位和夫 @shiikazuo 12月26日

カジノ汚職容疑で秋元議員逮捕。ギャンブル依存症の増加、子どもや地域経済への悪影響、人の不幸を儲けの種にする、さまざまな害悪が指摘されてきたカジノだが、それに政界汚職が加わったカジノへの道は、汚職で敷き詰められている。カジノ汚職の闇の徹底究明とともに、カジノ導入そのものの中止を!

◆今の世の中、強い人はどんな悪いことをしてもお咎めなしの無法社会になっています。正義も何もあったもんじゃなく、子どもに恥ずかしい世の中です:

異邦人 @Narodovlastiye 12月26日

児童が残した給食を持ち帰っていた教諭→処分

国民の税金で選挙区民に土産を持たせた首相→放置

100円で150円のラテを注いだ会社員→逮捕

国民の税金で選挙区民を饗応した首相→放置

捜査書類を破棄した警察官→処分

公文書を大量改竄したりシュレッダーする政権→放置

書いていて嫌になってくる

◆最後に、毎日新聞が首相との会食を断ってから政権への論調が厳しくなったといわれていますが、菅官房長官のここ数年にわたる望月記者いじめ・孤立化にも変化が出始めているそうです。桜問題をきっかけに、菅氏を追求する記者が増えています:

山口二郎

@260yamaguchi 12月26日

政治家の権力は貨幣の信用と同じで、みんながあると思えばあるし、疑わしいと思う人が多数派になれば消える安倍政権の不祥事が次々と露見するのは、沈没船から逃げ出す人が増えているから。官邸記者会見も、菅をこわくないと思う人が増えれば、厳しく追及するのが当然となる

 

【2】中村哲さんの『柳の話』と『緒方貞子さんの思い出』

12月4日はアフガニスタン中村哲さんが運転手や護衛の人たちと一緒に何者かに銃撃された悲劇の日でした。この日発行されたペシャワール会報に掲載された記事が中村哲氏の最期の生きたメッセージとなりました。昨日の記事のほかに、「水のよもやま話(5)」として『柳の話』という記事も掲載されています。

現地の用水路の護岸と強化のために柳が植えられていますが、その柳についてのお話です。さすが昆虫博士?というか、先生は時間があればやりたいことに昆虫採集をあげておられますが、この柳のお話は、詩歌や童謡に歌われる柳から”柳に幽霊”の話まで書かれていてとても楽しい読み物になっています。先生の別の一面をうかがい知ることができる記事だと思います。全文書き移してみます。最後に緒方貞子さんの思い出も書いておられますので、それも。

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 柳の話

       PMS総院長/ペシャワール会現地代表 中村 哲

 

我々が用水路建設で行う柳枝(りゅうし)工は、すっかり定番となって、柳のない水路は物足りなく思えるほどになった。今年四月、二〇〇三年にはじまる「緑の大地計画」でPMSが行った植樹が一〇〇万本を記録、そのうち六〇万本が柳だ。付き合いも長くなったので、ここで紹介しておきたい。

水辺で元気

 たいていの樹木は水に浸かり続けると死ぬ。湿地に木が生えないのはそのためだ。柳は不思議な木で、水腐れを起こさず、むしろ水辺で元気がよい。流水からも酸素を取り込む水草のような性質があるからだ。初夏、柳の根方を見ると、岸辺から張り出す毛根が観察される(写真1)。まるで赤い毛氈(もうせん)のように、鮮やかだ。古くから岸辺の保護に用いられ、日本でも「川端やなぎ」は馴染み深い。日本で一般的なのは「しだれやなぎ」で、幽霊の姿を連想させ、怪談によく登場する。しだれやなぎは中国原産で、奈良時代に渡来して全国に広がったと言われている。実際、日本の地名や人名には柳が頻繁に登場する。

 世界に三〇〇種とも言われ、中間種もあるので、実際は分類できないほど多いらしい。日本の在来種はネコヤナギが有名だ。アフガニスタンでは「しだれ」を殆ど見かけず、我々が現地で使用するものは「コリヤナギ」の近縁種と思われ、枝はピンと張っている。そのせいか、柳にまつわる怪談話はない。

柳もおしべとめしべがあり、一応は虫媒花である。但し、雌雄が別々の枝に着く。春三月、芽吹く若葉に混じって、花が観察される(写真2/ 左雄花・右雌花)。ネコヤナギのふっくらした花はおなじみだ。日本のしだれやなぎに雌花がないことは良く知られ、専(もっぱ)ら挿し木で広がったらしい。

色彩の魅力ーー詩歌の柳

 鮮やかで柔らかい独特の緑色が印象的で、昔から詩歌に登場する。万葉集などでも謳われ、中国の古典には、そのまま「柳色」という表現で登場する。春から初夏、たおやかで、かつ夢のように鮮やかな色彩は、何故か郷愁を誘い、一度見ると忘れない。

 やはらかに 柳あをめる 北上の

   岸辺に見ゆ 泣けとごとくに  

                  石川啄木

 これは望郷の詩である。おそらく柳の群落は、どこの里でも見られた故郷の風物でもあったのだろう。

  渭城の朝雨 軽塵を潤し
       客舎青青(せいせい)柳色(りゅうしょく)新たなり
  君に勧む更に盡くせ一杯の酒
  西のかた陽關を出ずれば故人無からん

        「元二の安西に使するを送る」王維

 これは唐代の有名な漢詩で、かつて送別会で盛んに謳われた。たいていが酒の席だったから「一杯の酒」に力が入り、前の「柳色」まで深く想像できなかった。しかし、アフガニスタンで灌漑の仕事を始めてから、やっとこの詩の情感が理解できるようになった。前の二行がないと、「もう会えない」という後半の切々たる思いは伝わらない。細かい砂漠の塵で覆われる内陸の乾燥地帯は、時折朝方に霧雨が下る。雨が去ると空気が澄み渡り、木の葉の緑が鮮やかに表れる。特にこの季節の柳の色は目が覚めるように美しい。故郷を偲ばせる情景の中で、遠くへ旅立つ親友を送るのである。

柳の精・聖なる木

 縁起を担ぐ人は、柳を庭に植えない。三途の川など、川の岸辺は昔からこの世とあの世の境界と考えられ、柳がそれを連想させるからだ。幽霊の姿も、しだれ柳から想像されやすい。

 柳はそのしなやかさから女性が想像され、柳腰という言葉もある。古くから柳の精が女に化けて男をたぶらかすという話が各地にあるが、必ずしも恐ろしい妖怪ではなく、小泉八雲の怪談の「青柳の話」は、可憐な娘が登場する悲恋の物語だ。

 キリスト教では、演技の良い木として扱われる。切り口から旺盛に新たな枝をだすさまが、復活の象徴として理解されるらしい。福音書のクライマックス、イエスエルサレム入城の際、民衆が路上にシュロの枝を敷いて迎えたという故事がある。これを記念する「シュロの主日」には、早春に芽吹くネコヤナギが世界中で広く使われている。

折れない柳の枝

  「柳の枝に雪折れなし」というように、新鮮な柳の枝は、曲げることはできても、決して折れない。中国では弓矢の矢に使われ、日本語のやなぎという言葉も矢に由来する。曲げてもすぐ戻るので、かつて別れの際に柳の枝を手向けるという風習もあったらしい。

 アフガニスタンでは細い枝を集めて編み、手籠を作る。最近ではみかけなくなったが、日本では柳行李が有名で、古くから旅行や行商の荷物入れとして、今の旅行カバンのように用いられた。

 鞭にも使われたらしく、童謡「歌を忘れたカナリア」(西城八十・作詞)に出てくる。その中に、「歌を忘れたカナリアはーー柳のムチでぶちましょか」と穏やかでない一節がある。「いえいえ、それはかわいそうーー象牙の船に銀の櫂(かい)、月夜の海に浮かべれば、忘れた歌をおもいだす」と続く。子供の頃からこの歌が好きで、この齢になっても覚えている。叩いたり責めたりしても、人は良くならない。心和む情景の中に置けばよい。その通りだ。第一美しい柳を鞭に使うなど、よろしくない。

河川工法の中の柳(柳枝工・りゅうしこう)

 ヤナギは岸辺で旺盛に成長して根を張るので、古くから護岸に用いられてきた。我々の現場では、主に用水路壁のふとん籠工と併せて行われる。石の隙間に細かい根が入り込み、生きた籠として石垣の構造を保つ。

 しかし、クナール河のような急流の自然河川では柳枝工は使えない。主に緩やかな川で用いられる。粗朶(そだ)沈床は、生きた柳枝で編んだ網を沈めて水辺で根を張らせ、岸辺を守る本格的な伝統工法だ。我々もずいぶん試みたが、水位差さが激しいクナール河には向かない。そこで、独立したふとん籠周囲に編み込んで叢生(そうせい)させ、河原に多数を埋設、砂州表面の保護に用いた。形が生け花の剣山に似ているので「剣山粗朶柵」などと称している。その他、川辺の水制間に植え、土留めとして斜面保護に使うことも多い。

群落の維持と植樹

 条件が良ければ、ヤナギは十メートルを超える大木になるが、寿命は案外短い。昆虫たちには人気の樹の一つで、ガ、ハムシの幼虫が葉を好み、カイガラムシが小枝の樹液を吸い、カミキリムシやゾウムシが幹に穴をあけて棲みつき、産卵する。たいていは共生しているが、古くなると樹に元気がなくなって、シロアリがつくと枯れることもある。

 維持するのは定期的な刈り込みか伐採がよい。切り株から盛んにシュート(若い枝)を発し、普通五年以上たった群落なら、二年で完全に回復する。殺虫剤は厳禁だ。ひどい食害でも群落全体がやられることは先ずない。駆除は天敵の鳥やテントウムシに任せ、古くなったら伐採して新枝に更新するのが一番良い。

 植樹は全て挿し木で、適期は晩冬、水やりはバケツによる手作業だ。以前、能率を上げるために水ポンプを使っていたが、活着率は芳しくなかった。十年ほど前、来ていた梅本ワーカーがバケツの方が確実と言い出し、試しに実行したところ、活着率九九%という驚くべき結果が出て、以来それを採用している。幼木は手作業で大事に扱う方がよく、ポンプでは土が洗い流され、木が固定しにくいと考えられる。

 最近では、作業員がさらに考えて、補水を工夫した「挿し木床」が大成功、季節を問わず、いつでも植えられるようになった。限られた工期では画期的なことである。

 こうしてヤナギは最も身近な植物となり、作業地内のいたるところで柳の群落がみられるようになった。PMSの用水路工、排水路工、護岸工、法(のり)面工には必ず柳の群落があり、その長さを合計すると優に百キロを超えるだろう。

 いたるところで、美しい緑が道行く人たちの心を和ます。着工以来六O万本、柳の精たちが多数現れることを待ち望んでいる。

 

    --追悼--

  緒方貞子さんの思い出  

               中村 哲

 緒方貞子さんは最も親近感を覚えてきた大先輩の一人です。 国連難民高等弁務官時代はペシャワールのアフガン難民キャンプで、JICA理事長時代はアフガン復興をめぐって、ジャララバードや東京で何度もお話をする機会に恵まれました。

 我々が二OO三年以来行っている灌漑事業、「緑の大地計画」についても強力な支持者で、陰に陽に声援を惜しまれませんでした。用水路が要所を開通したときは必ず祝電が届き、職を退かれたのちもその後の様子を気にかけておられました。二〇一〇年から八年間続いたJICA=PMS共同事業では取水堰の技術的完成を目指すものでしたが、緒方さんの背後からの支えが大きな力になっていました。

 氏は理念の人道・平和主義者ではなく、その主張する人間の安全」が光彩を放つのは、現場で話ができる方だからでした。その言動は常に実際的、行動的でありました。「国際貢献」という抽象論を嫌い、「おかれた位置が国際貢献そのもの」ととらえ、そこから可能性と責任を問うという一貫した姿勢で、多くの人々を励ましてきました。暖かい大きな火が消えた気がしています。

 天にある御霊の平安を心からお祈り申し上げます。(「カトリック新聞」二〇一九年十一月十日掲載に加筆)

VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV(ペシャワール会報No.142号より)                                     

中村哲氏最後のメッセージ(ペシャワール会報No.142)【1】

中村哲史亡き後ペシャワール会はどうなるんだろうと待っていた会報が先々週届きました。村上裕会長の「会員の皆様へーー中村哲先生の訃報に接して」によりますと、

第1に、ペシャワール会中村哲先生の意思を守り事業継続に全力を挙げます。どうぞご支援ください。遺志ではなく今もこころの中で生きておられる中村哲先生の意思として。

第2に、この事態を前に、これまで中村哲先生がいつもされていたように、少し遠い先を見て、決して後ろを向かぬよう、前を向いて進みます。様々な困難を超えてこられた中村先生は、今でもこころの中に語りかけてくださいます。その声と語り合いながら、会員の皆様と共にアフガニスタンの復興と平和のための事業を続けます。

中村哲さんが襲撃された日は、丁度、会報142号の発送をしようとしている日だったそうです。会報の中村哲氏のメッセージが最後となりました。書き移してみます:

   VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV

凄まじい温暖化の影響

ーーとまれ、この仕事が新たな世界に通ずることを祈り、

   来る年も力を尽くしたい 

PMS(平和医療団・日本)総院長/ペシャワール会現地代表 中村 哲

 

 全ての力を川周りへ

 川とにらめっこしているうちに寒くなり、河川工事の季節が再び巡ってきました。皆さん、お元気でしょうか。

 今冬の川の工事は、カマ第一堰(せき)右岸の補強工事に加え、マルワリード堰の抜本的な改修があります。既に七月から準備し、川の水が下がる十月下旬、「すべての力を川周りへ」と、一気に取り掛かりました。カマ第一堰は最新の堰でしたが、対岸に予期せぬ浸食が発生したため、急遽決定したものです。増水期の三月までに、全ての必要な工事を速やかに終えねばなりません。

 最大の標的はマルワリード堰で、堰だけでなく用水路の本格的なを改修が予定されています。これは建設後十六年を経て、ある程度の補強が必要になった部分があり、昨年秋の鉄砲水被害からの復旧もあります。また、何よりも今後の維持の上で、私たちが範を垂れておく必要があります。

 

 人々の生活の安全を

 マルワリード用水路は山腹を這うように作られています。鉄砲水や土石流が通る谷をいくつも通過します。谷と言っても、四千メートル級の山から流れてくる洪水や土石が、信じられないような勢いで下ってきます。日常的に通過するところはある程度対策が立てられますが、最近の降雨は予測が不可能で、大丈夫と思っていた箇所が鉄砲水で決壊したり、通過水量が予想をはるかに超えたりで、その都度マメに補修しながら守る以外にないのです。

 普通の国なら行政が責任をもって保全するのでしょうが、まだまだ途上のようです。ここでは安全とはテロ対策のことばかりで、人々の生活の安全が考慮されてきたとは思えません。今は地元民と協力しながら、将来の河川行政の確立を待つ他はないようです。

 猛烈な勢いの砂漠化に抗して、いまはとにかくこの希望を守り育てるべきだと考えてす。

 「緑の大地計画」葉さらに拡大の勢いで、来年からはバルカシコート堰、ゴレーク堰が着手されます。

 

 バザールが立ち並んで大混雑

 このところ、作業現場までの道路が信じがたい大混雑で、いつの間にか延々とバザールが立ち並び、それが常態となってしまいました。以前には考えられないことです。特にジャララバードからカマ郡に至る約二十km区間がひどい状態です。

 考えれば当然で、農地が復活した私たちの作業地(ジャララバードの北部三郡)が州内でもっとも住みやすい場所になっているうえ、これまで最大の避難先であったパキスタンが難民の越境を厳しく取り締まり、もう逃げていく場所がないからです(パキスタン自身が何年も不作と不況に喘いでいます)。

 

 干ばつは確実に進行

 水の仕事を始めてから十九年、干ばつは動揺しながら確実に進行しているように思われます。かつて豊かな農村地帯で聞こえたソルフロッド郡は砂漠化でみるかげもなく、スピンガ山麓一帯はわずかにドゥルンガダムからの用水路が細々と潤すにとどまっています。川沿いも気候変化で渇水と洪水が併存し、年々荒れていきます。温暖化の影響はここアフガニスタンでもすさまじく、急速に国土を破壊しています

 それでも依然として、「テロとの戦い」と拳を振り上げ、「経済力さえつけば」と札束が舞う世界は、砂漠以上に危険で面妖なものに映ります。こうして温暖化も進み、世界がごみの山になり、人の心も荒れていくのでしょう。一つの時代が終わりました。

 とまれ、この仕事が新たな世界に通ずることを祈り、真っ白に砕け散るクナール河の、はつらつたる清流を胸に、来る年も力を尽くしたいと思います。

 良いクリスマスとお正月をお迎えください。

       二〇一九年十二月 ジャララバードにて

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 ◆今年10月には、中村医師はガニ大統領よりアフガン市民賞を授与!

中村医師の言葉をそのまま書き移します:

「これがアフガニスタン復興のカギ」

 ---事業への深い理解を感じた授与式

    PMS総院長/ペシャワール会現地代表 中村 哲

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 十月七日午後五時三〇分から三〇分間、市民賞の受け渡し式が大統領官邸でおこなわれました。日本大使館から高橋副大使以下二名、アフガン政府側から報道官、直属の秘書数名が列席されました。質素な集まりで、報道関係者は招かれませんでした。

 式は終始和やかな雰囲気で行われました。印象的だったのは大統領の喜び方で、初めから長い抱擁の挨拶で始まり、よほど嬉しかったのでしょう、最大の英雄、最も勇敢な男、最大の貢献、などなどと私たちの仕事に対する激賞の言葉が続きました。四月に市民賞の発行を支持してから、選挙や内外の政治的変化で忙しく、やっと願いが叶ったという感じでした。

 以前経済大臣をしていた頃、水と農業の問題をずいぶん考えたことがあるそうです。しかし、どの援助も話や理論ばかりで、成功したものはなかったとのこと。昨年、英語で書かれた、PMS事業の技術書『緑の大地計画』を手に取り、何度も熟読し、「これがアフガニスタン復興のカギだ」と思ったそうです。普段六時間以上続けて読書をしたことはなかったが、引き込まれて八時間以上をかけて読んだとのことでした。

 既にPMS方式の一部は大統領支持で、クナール河流域で行われており、小生らも協力を約しました。小生らの主張のエッセンスも良く理解されており、「実際の経験を以(も)って成功させた」ことが何度も称賛されました。やはり実を重んじ、勇気と実行を美徳とする古風なパシュトゥンの面影があります。

 大統領はどこか高貴な感じがする好々爺(こうこうや)で、ユーモアのセンスがある方です。「狂った川を愛を以って制したのですな。川から離れられませんな」とも述べられました。

 最後に、大統領官邸にはいつでも来てよろしい、何か困ったことがあれば知らせてくれるようにと、秘書官たちにも言いつけ、再会を約してお別れしました。破格の待遇に、ジア先生(蛙注・PMS院長補佐)も喜んでいました。