文科省、1ミリシーベルトを目指す!

文部科学省は27日、福島県内の学校の校庭などで放射線量を低減するため表土を除去した場合、国が費用のほぼ全額を負担する方針を決めた。校庭などで毎時1マイクロシーベルト以上を計測した施設が対象。6月から小中高校や幼稚園などで計測を始める」「同省は福島県内の子供が学校で受ける放射線量を年間1ミリシーベルト以下にすることを目指す事も明らかにした。ただ、屋外活動制限の目安である毎時3.8マイクロシーベルト、年換算で20ミリシーベルトを上限とする暫定基準は撤回しない。」(以上日経27日夕刊)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県内全域の小中高校や幼稚園などで累積放射線量を測定することになり、国と県は27日、担当者を集めて線量計を配布した。」「高木文部科学相は27日の閣議後の記者会見で、工程などの放射線量が毎時1マイクロシーベルト以上の公立学校については、費用の98%まで国費で負担する方針を明らかにした。残り2%は自治体負担になる。」(以上讀賣27日夕刊)
どちらもいわゆる三面記事の小さな扱いの記事でしたが、大きなニュースだと思います。
福島の子を持つ親たちの想いが国を動かし国が応えた初めての対策らしい対策のような気がします。
メルトダウンしていることが2ヶ月も経って明かされる、その間、本来とられるべき放射能汚染から身を守る措置が適切な時期に取られなかった事に対して責任を感じているのか疑われるようなやり取りばかりが報道されて、本当に現地の方たちの命と健康はどうなるのかと今も心配です。
小佐古氏の辞任会見から明らかになった20ミリシーベルトの問題は、やっと、文科省が1ミリシーベルトに上限を下げることを「目指す」ことになりました。
それでも暫定基準の数値の20ミリシーベルトは撤回しないということは、誤りを認めない政府の発表は有名無実、無視です。
時々のぞいている「日々坦々」さんのブログから「ミリシーベルト」と「内部被曝」について引用です。

川内博史議員

「ミリシーベルト」というのは皆さんあまりご存じないと思う。

衆議院の科学技術特別委員会の委員長ですから、参考人質疑をやって専門家に話を聞きました。

1ミリシーベルトというのは、人間の体にある60兆全ての細胞に放射線が一回突き刺さって、DNAを破壊することを1ミリシーベルトという。

だから20ミリシーベルトというのは、人間の体の60兆全ての細胞に20回放射線が突き刺さることを20ミリシーベルトという。

これは外部被曝のこと。

内部被曝0.2マイクロシーベルト外部被曝100ミリシーベルトと同等だという文科省の資料がある。

子供たちは地面と遊ぶから吸い込んでしまう。また手を口に入れてしまう。だから内部被曝する可能性が高い。

ちょっとでも内部被曝すると大変な放射線を体の中で浴び続けることになる。それが将来のガンとか白血病につながることになる。

これは流暢にしていられる問題ではない。     <引用先:http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1025.html

・・・いま福島県では、恐るべき事態が進んでいる。放射性物質を体内に取り込むことで起きる「内部被曝」が、想像を超えた規模で発生している可能性が出てきたのだ。 この重大事実を衆院予算委員会で取り上げ、原子力安全・保安院に認めさせた、みんなの党柿沢未途代議士はこう語る。


「全国の原発施設には、体内に取り込まれた放射性物質と、そこから出る放射線を測定する『ホールボディカウンター』が設置されています。 実は福島第一で事故が始まった3月11日以降、計測の結果、要精密検査となる数値の1500cpmの内部被曝をしている人が続出しているのです。 しかも発覚した4956件のうち、4766件は現場の復旧作業員でもなんでもなく、ただ『福島に立ち寄ったことがある』だけでした」  柿沢氏の質問を受け、答弁に立った原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、その事実をあっさりと認めた。 しかも、実際には1500cpmどころか、「1万cpm以上」という異常な数値を示したケースが1193件もあったというのだ。
「cpm」は”カウント・パー・ミニット”の略で、1分間に計測される放射線の数を意味している。


日本科学振興財団副会長で、明治大学名誉教授の藤井石根氏は、この事実を前に絶句した。
「4766人が福島に立ち寄っただけとは、正直、信じたくない事実です。 しかも、1万cpmを超えた人が1193人とは……。 普通なら、こんな数字が出るはずがない。 残念ですが、福島はすでにチェルノブイリを超えているかもしれない」
また、内部被曝の影響に関する権威で、名古屋大学名誉教授の沢田昭二氏はこう語る。
「cpmは被曝しているかどうかの目安となりますが、1万cpmなどという数値は、深刻な値です。 計測されたのは、おそらく体内に取り込まれたセシウムによるγ線でしょう。 セシウムからは、内部被曝においてもっとも影響が大きいβ線も出ますが、こちらはホールボディカウンターで測れません。 β線は透過力が弱いので体内に留まりやすく、電離密度が高いため、体内でDNAなどの細胞を切断する確率が大きくなる」


重大なのは藤井氏も驚いたように、「3月11日以降に福島県内に立ち寄った」だけで、これほどの内部被曝をしていることだ。
「直ちに人体に影響はない」「現時点では安全性に問題はない」という政府の発表を信じ、福島県内やその周辺には、まだ普通の暮らしを続けている人々がたくさんいる。 立ち寄っただけで大量被曝をするような場所にずっと住んでいる人々は、いったいどれほどの内部被曝をしているのか……まったく見当もつかない。
「非常に深刻です。 直ちに国は、広範囲で被曝調査を行う必要があります。 東京にも、風向き次第で大量の放射性物質が飛来します。 もはや『心配ない』などとは決して、言えません。
福島第一原発からは、いまでも水蒸気と一緒に放射性物質が飛散しています。 福島県の住民の方々には、将来にわたって国にきっちりと責任を取らせるため、被曝者手帳を持たせるべきです」(前出・藤井氏)


ところが、国会で事実を指摘された細川律夫厚労相は、「1080人の子どもを調査したところ異常はなかった。 今後もホールボディカウンターによる調査を行う予定はない」と答えた。 ここに至っても政府は、「直ちに影響はない」という姿勢を変えようとしない。
外部被曝による急性放射線症と違い、内部被曝では数年後から10年以上経て発症する晩発性障害が深刻になります。 一生涯にわたる影響を与え、場合によっては遺伝的影響のように、世代を超えて障害を引き起こします。
晩発性障害の中で、比較的早く症状が表れるのが白血病で、被曝から数年後に発症し始めます。 そして、甲状腺機能低下や肝機能低下、心筋梗塞など、あらゆる障害が起こり得るのです」(前出・沢田氏) <引用先:http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1023.html

事故直後の学童や妊婦さんの「疎開」の方がよっぽど現実的で効果的な対策だったと思います。
情報を隠していた東電幹部も、「今のところ健康に問題はない」と言い続けた政府も責任を取らなければと思います。
事故現場を預かる吉田所長に共に無視された両者は、これ以上事故処理の当事者であり続けることは無理だということです。
風評被害を言う前に、本当はどこまで汚染されているのかを正しく知る必要があります。
子供の運動不足を心配する前に、放射能汚染の数値を把握する必要があります。
もう一度、面倒だけど、国民の命と健康を守る責任者を選び直す必要があるように思います。
与野党ともにこの国難に際して政治が右往左往している今の事態を何とかしないと、本当に、国ほろびて山河ほろびる、になってしまいます。
◎アンテナの「日本がアブナイ!」に小沢一郎氏のウォールストリートジャーナル〔日本版)のインタビュー記事が紹介されています。必読です。コチラ:http://mewrun7.exblog.jp/14853037/
原発の責任問題、菅首相について、自身の政治資金規制法違反の問題、原子力エネルギーについてなど本音トークです。