八月のお茶のお稽古

月末の昨日が八月のお稽古日でした。
台風のせいか風は強いのですが蒸し暑い日です。
 
お部屋の掛け軸はスッキリとした小ぶりのもので「歩〃起清風」と書いてあり、読み方を教わりますと、一歩一歩が清い風を起こす、こつこつ遣っていれば自然と清い風が起こってくる、というような意味だそうです。この風は秋風ではなくて、季節を問わず、”気”のようなものと考えてもよいそうです。字は大徳寺の和尚さん。
お花はアケビの形の竹籠に八重の槿(むくげ、もくげ)と、白い花は、葉がミョウガに似ている花ミョウガ

籠(かご)は風炉の時期、5〜10月までの花器として使われ、炉の時期は陶器になります。
棗(なつめ)と水差しが置いてある棚は「武野(たけの)紹鷗(じょうおう)水差棚」という名前がついています。武野紹鴎という方は利休の先生に当たる方で、夏用の溜め塗りの二重棚。格狭間(ごうざま)透かしが両横についていて、中棚の切り込みは水を表しています。
さて、何ヶ月も逃げ回って延ばしていましたが、今日は、いよいよ、お茶を点てる日です。
その前に、先生が、水羊羹のようなお菓子と塗りのスプーンをそえたお皿を一人づつに出してくださって、お茶を点ててくださいました。一息入れて、いよいよ、私です。
水屋で組み立て方を教わります。建水に蓋置きを入れて柄杓を重ねます。お茶碗に、茶巾を絞って伸ばして畳んだものを入れて、その上に湿らせた茶せんを置き準備します。お茶碗から持って出ます。足運びから襖の開け方、お辞儀の仕方、置き場所、置き方と文字通り一挙手一投足に至るまで注意していただいての初体験。「真ん中に座って・・・」と言われて、「真ん中?」「畳の幅の真ん中」という具合です。
柄杓の持ち方、置き方。茶杓のもち方、棗の蓋の開け方、蓋の置き方、と、とにかく、先生が横について一つ一つ教えてくださいます。どの動作にも意味があって無駄な動作はない、ということです。手は何かを持つ時以外は膝の上に。なるほど。茶せんでお茶を点てて、お茶碗を差し出したら、ついついお辞儀をしてしまいますが、ペコペコお辞儀はしません。なるほど。という具合で、何とかお二人にお茶を点てて、仕舞い方まで一通り教えていただきました。
茶杓と言われて柄杓に手をやったり、柄杓の柄の持ち方の作法が分りにくかったり、と他の方がやっているのを見るのと、実際自分がやってみるのとは大違いです。それでも、袱紗捌きだけは何とかスムーズにできていました。

お茶碗は桔梗の絵柄のものと、萩焼のような平茶碗。瓢型の染の陶器の可愛い器に竹の皮の蓋がついたものが。
何かと思ったら金平糖が入っているとか。お茶に金平糖は昔からの組み合わせで、お干菓子扱いだそうです。

私の後は、前回の経験者のNさんがお茶を点てて、私も2杯目を戴きました。
来月は膝の悪いNさんのため立礼式になります。