珍しい黒柿と選挙

昨日は、植木屋のNさんが朝から植木の散髪に。
母は自分の庭の植木を刈ってもらうのに人任せに出来ないたちで、昔から必ず自分も一緒に外に出て、葉っぱや枝の整理を手伝ったり、草引きをしたり、とにかくお手伝いをしないと落ち着かない性格です。先代のNさんは軍隊上がりで職人肌の親分肌。軍隊時代の親しい友達が石川県人ということで加賀出身の母を気に入ってくれて、このあたりでは一軒だけのお客さんになりました。公園とか官公庁とか大きな企業の社長さんの自宅の庭とかを職人さんを使って手広くやっていた方で、小さな庭の我が家は母とお喋りに来るのが目的だったようです。ある年、私が自分の側の庭の草取りもできずに放ったらかしにしていたら、我が家の庭を母の方から一瞥するなり、「ヤラン!」と一言だったそうです。玄関側の石積みや南の我が家の庭の石組は、どこかの余った石を職人さんを使って安く仕上げて下さった先代さんの記念です。
その頃、大人しくて無口で黙々と仕事をしていたのが今のNさん。先代の娘婿で、サラリーマン時代、休みの日に見習いで厳しく仕込まれたそうです。定年退職後の今は、当時のお客さんを引き継いで植木の散髪を今も仕事にされています。我が家は西側に60年以上になる柿の木があるので、柿の木の実り具合を見てから来て下さるようで、前日の夜、母の所に電話があって、翌日散髪ということになりました。
母が気になる柿の木を先に片付けようということになり、散歩から帰ってきた夫と二人がかりで実を取る手伝いをすることにしました。母は見てると体が動いて後で痛い目に合うということで、家に入ってもらうことに。Nさんに「昼帰ったら大根を抜いてくるから、葉っぱはどうします?」と言われたので「葉っぱは食べます、おいしいから」「どうして食べる?ジャコと炒める?」「ゆでて絞って、油炒めで・・」「醤油掛けて、ゴマ油?」「そう、しょうゆ味の時もあるし、お味噌のときも」「分った。人によって葉っぱは必要ないという人もいるので聞いてからと思って・・・」「ありがとう!」でした。Nさんとこは無農薬なので安心して葉っぱも食べられます。玉ねぎとそして珍しい黒い柿も頂きました。熟すると黒くなって、黒ければ黒いほど甘いんだとか。
そこに、丁度Sさんからお電話。我が家の柿は半シブなので、剥いて日に当てて干し柿にする手間がかかります。それで、干し柿の美味しさが解っている方で無いと誰に上げても喜ばれるものでもないと思いつつ、苗を下さる斜めお向かいさんや、丹波の黒大豆を頂くKさん、丁度前を通りかかったお隣さんにも小分けした柿の袋を貰って頂きました。掛かってきた電話に柿を受け取りに来てと返事。Sさんが来られて、山の行動食のいつものクッキーと「いきいき」の本と、そして和柄をはぎ合わせた茶卓マット(←)の両親へのプレゼントをありがたく受け取って、二人でお茶にしました。
珍しい黒柿を眺めてから、皮をむいてみました。真っ黒な方はトロっとして甘くて美味しかったのですが、薄く柿色が少し残っている方は、皮をむいた実の周りが薄い柿色でこれは・・・と思ったのですが、案の定のシブでした。
さて、ご近所の悩み相談を一手に引き受けているようなSさんのお話は、本当にテレビや新聞以上にリアルで深刻な現実です。聞いているSさんは、幸せで恵まれてるから聞けるのよ…と私。個人的な問題を抱えていれば、世の中のことや原発までは気が回らないわね〜と二人で。「本当に、政治はどうなってるの〜。良く考えないで投票する人もきっと多いよ〜。戦争になったら息子は人を殺すくらいならボクは死ぬと言うので、死んだらダメじゃない!と話したりしてる」とSさん。そういえば、徴兵制だとか、集団自衛権だの、戦争したがってる人たちの勢いに呑まれる人たちも多いかもしれないし、笑いごとではなくなる可能性もなくはないと思います。

今朝は、10日ぶりくらいに外を歩きました。ヨガの出席者はいつもの半分くらい。ヨガの途中でやはり選挙の話になって、70代の先輩が、いきなり戦争中の話。小学校1年生の時、米軍の戦闘機に追われて麦畑に何人かで逃げ込んだ話。怖かったよ〜こんな話誰も知らへんと。「戦争」いうても解らへんと。先生も「戦争だけは嫌よね〜」ということになり、みんなそういう話になりました。誰を選んでいいか、どこを選んでいいのかわからないという話から、自分なりに、戦争をしない、原発を止めるとか、基準を作って、自分に合わせて選ぶしかないけれど、ネジレるところもあるしね〜と。

お昼のニュースでは鳩山さんが引退とか。これで民主党政権交代時の最初の首相を務めた鳩山さんが追い出されるような形で抜け、全く別の民主党になってしまいました。小沢さんが中国へ国会議員を何百人と連れて行って写真を撮らせたということがありましたが、あれはまずかったんじゃないかしら。これからは中国と仲良くとはいっても、田中角栄さんがアメリカの先を越して日中国交をやったためにキッシンジャーが腹を立てて・・・という話が「戦後史の正体」に出ていたと思うのですが、日本は米中の間を強かに賢くバランスを取らなければならない立場ですので、あからさまに相手のメンツを壊してまで、あるいは日本の常識から考えてもヒドイと思われるようなパフォーマンスはやはりまずいと思いますね。小沢さんが自ら招いた面もなかったとは言えないと思いますので、これからは、もう少しスマートなやり方で、石原・橋下維新とは別の真の第3極を、無罪になった小沢氏の党「国民の生活が第一」が中心になって作ってほしいと思います。 「脱原発はいのち、消費増税問題はくらし」という言葉はとても良いと思います。出来れば一致できる党は選挙協力して選びやすい選挙にしてほしいですが・・・。貴重な私の一票、”一番マシ”を選んで投票したいと私も思っていますが悩ましいことです。