参院選後初の金曜デモと「風立ちぬ」

恒例、金曜日官邸前のデモを伝えてくださる「特別な1日」さんの昨夜のブログです。
小さな希望、大きな意味。:★0726 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議!」http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20130726/1374850149

タイトルに書かれている「小さな希望」とは脱原発を掲げて東京で当選した山本太郎氏と、落選はしたものの約17万6千票の得票を得た「緑の党」の三宅洋平氏のことです。お二人についてもタップリ書かれています。その中で紹介されている三宅洋平氏の「選挙フェス」の一場面:「始まって56分、傘を振り回してホームレスが乱入してくると(笑)、演壇を降り、彼と同じ目線に立って会話して、怒りを収めてしまうところは圧巻です」

ここは本当に素晴らしい! ホームレスのオジサンは「アイヌ」だと名乗ります。 三宅洋平氏はアイヌ語の「チャランケ」を自分の寄って立つ考え方の支柱にもしている人です。「チャランケ」というのは、三宅氏の受け売りですが、部族間対立を戦争という形ではなく徹底的に話し合って解決しようというアイヌの昔からの知恵なんだそうです。三宅氏は、この日、アイヌの乱入者?と「チャランケ」で切り抜けます。その為には総合的な人間力が必要です。彼はそれを供えています。対話力、相手の話を聞く力と謙虚な姿勢、相手の言いたいことを見抜く力、相手を分らせる説得力、迫力・・・歌手として世界を渡り歩いた経験と言葉の力がなせる業なんでしょうか…素晴らしい!! 是非、動画で確かめてください。(三宅氏が「チャランケしよう」と言った時の相手のオジサンの一瞬のひるみ! きっとこの時、三宅氏は通じた! 通じる!と確信したんだと思います。だって、”僕はアイヌの味方だよ”というメッセージですもんね。)

この日のデモは選挙前より人数も多く、皆さん明るい表情のようです。こちらも是非たくさんの写真から。
そして、ブログ仲間のhaeheiさんと握手も。そのhateheiさんのブログはコチラです。
「7月26日(金)首相官邸前抗議デモ」http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20130726/1374847296
「とにかく安倍政権圧勝にもかかわらず、随分参加者が多かったようです。そしてメッセージの中で、とりあえず安倍さん、勝利おめでとうございますなどと、「敵に塩」を送った人もいました。息の長い闘争の、しかし余裕も兼ねた、新たな出発点だったと言えるでしょう。」「一方で反原発を掲げて当選した山本太郎氏に対するマスコミのバッシングがすごい事も、チラシから知りました。インタビュー中継で画面を切り替えたNHKには、毎度の事ながら憤怒を覚えます。」「鎌田實さんの本の題名ではないですが、『がんばらないけど あきらめない』で進みたいと思います。」 
昨日は午後から、前日中国出張から帰った夫と自転車(ママチャリとマウンテン・バイク)でヴィソラへ「風立ちぬ」を見に出かけました。
ジブリの映画だし夏休みだし、ぎりぎりの時間に出かけたので、真中で空いているところは前の方しかないと言われました。子どもたちが大勢いました。
さて、見終わってから、ネットで、「サヨクの監督が、どうせ、反戦平和イデオロギーの映画だろ」というツィートを読みました。
私もブログで取り上げましたが、宮崎駿監督の「熱風」での憲法改正についての突っ込んだ談話が評判になって、それを読んだ右がかった?宮崎監督あるいはジブリ映画ファンの嘆きのツィートのように思いました。
この人には、「映画は、当然ながら反戦平和のメッセージ映画にはなってなくて、ただ、ただ、美しかった日本の風景、美しかった言葉、習慣、暮らし向き、などが丁寧に描かれた映画で、逆に、反戦平和のメッセージを期待して見る人には、ガッカリかも知れないぐらい」と言いたいです。そう、宮崎映画を、右だ左だなんて「頭」で見るのが間違っていると言いたい。
今朝の日経新聞の文化欄は、「風立ちぬ」が大きく取り上げられていました。
子供の頃の夢をず〜〜と持ち続けて、夢の中で、その尊敬するイタリアの飛行機設計の大先輩と語らうシーンがとても楽しいのですが、この人が唯一映画の中で声優が登場キャラクターとカブって見えます。被って見えるから悪い…というのではなくて、逆かな。
最後に菜穂子さんが「生きて」というところは、不覚にも涙がでました。菜穂子さん自身、叶えられなかった切なる願いです。
関東大震災やその後のシーンでも驚くような場面もあります。大正生れの丁度両親の世代が主人公の物語ですので、懐かしいシーンがたくさんありました。白い計算尺が出てきますが、父がよく使っていたのを覚えています。高校時代、数学が全く分からない私が、父に使い方を教わったのですが、父は教え方が全くダメ。分らないと怒り出すので、分らないから訊いているのに…と言葉を飲み込んで諦めてしまったことがあります。会社で未だこの計算尺を使っていた時代でした。という具合に、懐かしい小道具や風景や人間が丁寧に描かれて、声高な反戦を詠った映画ではありません。
ゼロ戦も人間も矛盾に満ちた存在で、ただ夢を大事に育み、夢に向かって努力することに、懸命だった人を優しく描いた映画でした。大空と大海が、飛行機と魚が重なって見えるシーンの美しかったこと!!
堀越二郎が設計して成功した最初の飛行機は九試単座戦闘機というもので、「逆ガル翼」という特徴的な翼の試作1号機がとても美しい。)
●参考:内田樹氏の「風立ちぬ」:http://blog.tatsuru.com/2013/08/07_1717.php