安倍首相と「メシ友」の大手メディアそして”福島の被ばく・甲状腺問題を描いた「A2-B-C」突然上映中止”

◎「週刊金曜日ニュース」から「大手新聞やテレビキー局の上層部「メシ友」の実態――安倍内閣を支えるメディア」(http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=5068


大手新聞やテレビキー局の上層部「メシ友」の実態――安倍内閣を支えるメディア
2015 年 3 月 24 日


昔ならとっくに内閣が吹っ飛んでいる」と言われるほど不祥事が続くが安倍晋三内閣は倒れない。昨年からすでに3人の大臣が辞任し、閣僚らも「補助金迂回献金」とも言える金を任意の企業・団体から受けている。


本来ならば役職の任命責任を問われて内閣総辞職に至ってもおかしくはない話だ。だが安倍首相は危機に陥るどころか、2月19日の衆院予算委員会では質問中の玉木雄一郎衆院議員(民主)に対して本筋と関係のないヤジを執拗に飛ばし、身内の大島理森委員長に注意されるありさまだった。このように“やりたい放題”でも安泰なのはなぜか。要因の一つに挙げられるのが、大手メディア(特に新聞社とテレビ局)の追及の甘さ


山本太郎参院議員は昨年12月24日、「安倍首相の『会食』に関する質問主意書」を政府へ提出した。この文書で山本議員は〈安倍首相は第二次安倍内閣発足以降、全国紙やテレビキー局といった報道各社の社長等の経営幹部や解説委員、論説委員あるいは政治関連担当記者らとの「会食」を頻回に行っている〉とした上で、〈政権のトップとメディア関係者の親密な関係、政治家とメディアの癒着が、報道の中立公正公平、不偏不党の観点から批判の対象となる〉などと指摘した。


2013年1月から15年1月にかけて、安倍首相とメディア上層部らとの会食は実に60回を超える。新聞各社に掲載される日々の「首相動静」を丹念に拾うと浮かび上がる事実だ。


新聞社やテレビ局には「総理番」記者がいる。安倍首相は実質的に日本の“最高権力者”だから、言動は逐一チェックされる。しかし、その記者の上司らは首相の元へ頻繁に通い、酒食を共にしているのである。各社は「情報収集のため」などと説明するが、首相の意見を知るだけなら番記者の取材で十分だし、高級料亭で飲み食いする必要はない。「本音を聞き出すには酒も必要」といった主張も欧米メディアからはバカにされている。

そもそも上層部と首相が「メシ友」の状態で、容赦なき批判ができるのかどうかも疑わしい。



【「首相動静」が示す事実】


安倍首相との会食がもっとも多いのは(株)読売新聞グループ本社の渡邉恒雄会長・主筆で、確認できただけで15回におよぶ。首相のご意見番気取りだろうか。次は(株)フジテレビジョン日枝久会長で9回、大半はゴルフだ。


朝日新聞』『毎日新聞』『産経新聞は歩調を合わせたかのように各6回で、全国のローカル紙にニュース配信する共同通信」は4回、「時事通信」は8回となっている。『日本経済新聞』は2回で、『東京新聞』は1回だ。「動静」にはこの他、社名記載のない懇親会も複数回、記録されている。


こうしてみると、やはり回数が多いメディアは政権追及が甘いという関係性が見えてくる。

<省略>

先述した玉木氏へのヤジ問題では、安倍首相の非論理性や、批判されるとムキになる幼稚さが明らかになった大手メディアは早急に権力者との「メシ友」をやめ、本来の責務である権力監視の姿勢を鮮明にしなければ、やがて、信頼は完全に失われるだろう。
(本間龍・著述家、3月13日号)

◎「カリフォルニア・加州ラジオ草紙」さん3月17日の記事:[■これじゃ、大マスコミの記事が偏るわけだ。政府広報予算、3年で2倍の83億円で口封じ!? ]でも、シッカリこの問題を取り上げておられます。その中から日刊ゲンダイの記事をコピーさせていただきます。
★全文は是非、「加州ラジオ草子」さんのコチラで:http://d.hatena.ne.jp/Mapple/20150317/p1

政府広報予算83億円に メディアが食らう“毒まんじゅう

日刊ゲンダイ 2015年2月22日



<前略>


(略)安倍政権の発足以来、政府広報予算は猛烈な勢いで増え続けている


 野田政権時代の12年度に40億6900万円だった予算額が、

 安倍政権に代わった13年度には43億9900万円に増加

さらに消費税率を引き上げた14年度は「消費税への国民の理解を深めるため」(政府広報室)として一気に約48%アップ、約20億円を積み増した。
15年度予算案ではとうとう80億円台を突破し、安倍政権下で政府広報に費やす税金は2倍に膨らむことになる


■安倍政権の露骨なメディア懐柔策
(略)

安倍政権以前の過去20年をさかのぼっても、政府広報予算が前年度から10億円以上も増えたことは一度もない安倍首相とメディア幹部との頻繁な会食やグリーン歓談が問題視される中、政府広報予算の倍増はロコツなメディア懐柔策としか思えないのだ。

(略)

カネで言論を買うような政権の姿勢に抗議し、“政府広報は一切、拒否する”というメディアが現れてしかるべきなのに、どの社も唯々諾々と広報予算を受け取っているわけです。


大メディアがカネの力で政権批判を控えているのなら、権力のチェック機能を放棄したも同然です」(元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏)


 腐敗した大メディアを通じて、世論もどんどんおかしくなっていく。暴走首相がますますツケ上がる悪循環である。

◎そして、こういう結果にもなります。
福島の子どもたちの被曝と甲状腺問題を描くアメリカのドキュメンタリー映画作品が、突然上映・配給中止になりました。監督は、自分のブログで、「検閲か、自主検閲か?」と疑問をなげかけ、「私を黙らせようとしても、ますます大きな声を挙げさせる結果になるだけ」と書いています。
☆「shuueiのメモ」さんの3月25日の記事(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20150325/1427232210)からです。

子どもたちの甲状腺問題はタブーなのか?〜映画『A2-B-C』急遽上映中止に


  *ブログで「検閲」を訴えるイアン監督


 福島の子どもたちの被ばく・甲状腺問題を描いたドキュメンタリー映画『A2-B-C』(監督=イアン・トーマス・アッシュ/米国)は、昨年レイバー映画祭2014でも上映され大好評だった。「福島の現実を知る上で重要な作品」と高い評価を受け、国内外で上映が進んでいる。ところが、イアン監督のブログによれば、日本での配給をしている会社(『A2-B-C』上映委員会)が一方的に配給を取りやめ、まだ2年以上残っている監督との上映契約も破棄し、3月16日以降の上映が中止に追いこまれた。いったい何が起きているのか。イアン監督は、3月14日付のブログ「検閲?自己検閲?」(英文)でこのことを発表した。イアン監督は「私を黙らせようとする企みがあっても、それは、私にますます大きな声を上げさせる結果になるだけのことだ、ということは、確信を持って言うことができます」と結んでいる。以下、本人の了承を得て転載紹介する。(レイバーネット編集部)

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<イアン・トーマス・アッシュ監督の3月14日付けブログ記事>
http://ianthomasash.blogspot.ca/2015/03/censorship-self-censorship.html

Censorship? Self-censorship? 検閲? 自己検閲?


配給会社都合により、急遽『A2-B-C』上映中止せざるを得なくなってしまいました。


 福島に住む子どもたちについての私のドキュメンタリー『A2-B-C』の日本の配給会社 http://www.a2-b-c.com/ が、この作品のすべての上映を中止しました。さらに、契約期間が2年以上残っているにもかかわらず、日本での配給契約はキャンセルされてしまいました。

 この決定が、どこまで実際の検閲の結果なのか、どこまで自己検閲によるものなのか、私にはよくわかりません。将来的に検閲の問題が起こる恐れがあるということによる自己検閲なのではないか、という気がします。もしそうなら、秘密保護法の恐ろしい、広範囲に及ぶ影響の一例ということになりますこの法律の影響を感じさせるのには、施行することは必要ではありません。この法律があるというだけで、人々は自己検閲をして、法案を作った連中が思い描いていたとおりの弾圧を自らに対してするのです。


言論の自由は?


 福島で起こっていることについて、うそのない、オープンな議論をすることは、もう不可能です。そして、『A2-B-C』の国内での上映が全部キャンセルされてしまったことは、日本の言論の自由を蝕んでいる病の症状でしかありません。


 配給会社は、この週末に予定されていた全国5箇所(佐賀、伊豆、大阪、長野、三重)での上映会は実施することを認めました。しかし、3月16日以降に予定されていた上映は全部キャンセルされました。昨日、私が飛行機で移動している間に、配給会社は、キャンセルにした全部の上映会の主催者に連絡をとってしまいました。


●3月16日以降『A2-B-C』上映全て中止になりました。 


私は、今日の長野での2回の上映に参加することにしていましたが、配給会社からは、その場で初めて、上映中止についての公のお知らせをするように言われました。上映会の参加者の中にいた2,3人のジャーナリストをよんで、Q&Aの時間を、急遽記者会見にします。この文章をブログにアップしている今、手が震えています。私のこの映画が日本で上映される最後の機会となる今日の、ここ長野での上映では、上映後のトークが2回ありますが、その一回目のトークのために、これから舞台に出て行こうとしているところです。


 自分がトークで何を言うかわかりません。でも、私を黙らせようとする企みがあっても、それは、私にますます大きな声を上げさせる結果になるだけのことだ、ということは、確信を持って言うことができます

*翻訳=レイバーネット国際部・和田智子

ドキュメンタリー映画『A2-B-C』より(2013年作品・71分)

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◎「レイバー映画祭2014」で検索したら映画の説明が出てきました。「知られざる現実にスポットをあてる〈レイバー映画祭〉ドキュメンタリー映画『A2-B-C』など5本」から:

「A2」の意味をご存じだろうか。放射線による甲状腺への影響を見る検査で、のう胞なしがA1、しこりやのう胞が見つかればA2、Bはそれらが大きくなったもの、Cは二次検査が必要とされる。
 市民グループによって、関東圏で1本のドキュメンタリーが上映されている。イアン・トーマス・アッシュ監督の『A2―B―C』がそれだ。

 監督は滞日歴13年のアメリカ人で日本語がペラペラ。カメラを持って、東日本大震災から1年半後の福島県(主に伊達市)の母と子どもに焦点を当てている。
<以下、コチラで:http://www.labornetjp.org/news/2014/0717eiga