平家物語とお茶会と演奏会


◎月初めの土曜日は平家物語の日。5日は木曽義仲の最期のくだりで、この日は巴の最後です。先生が、「政治向きの話はしませんが、朴大統領、小池知事、クリントン候補、世界の女性は大変です。国会では責任ある立場の人がとんでもない発言するし、政治に携わってる人はもっと慎重に・・・」で始まりました。巴と言えば、NHK大河ドラマ義経」(2005年とか)で小池栄子さんが演じた巴御前がとても印象に残っています。義仲が巴を逃がしてやって、その後どうなったかは平家物語では扱っていませんとのこと。来月、いよいよ義仲の最期です。先生の歴史上のお気に入りは、ヤマトタケルに義仲に義経。三人とも強くて、儚くて、最後があわれ.だからなんだそうです。


◎翌日の6日の日曜日、6時半起き。曇天でしたが、夫は朝早く山の読図の実習とかで宝塚の奥へ向かって出かけました。私は午前は箕楓庵のお茶会です。2日続けて生涯学習センターです。月釜のお当番が、お茶を習っている先生なので、お稽古仲間のNさんと一緒です。
10時からの第一席に1時間前の9時に着くように出かけましたが、階段のところから行列が見えました。数えてみると23番目でぎりぎりでした。Nさんは、ボランティアでやっているという西江寺さんの境内の掃除を済ませてこの日2つ目、10時からは地域の行事で小学校です。
控えの間から床の間のついたお座敷へ入ると、いつものお稽古の道具とは全く違って、どれもこれも本物。美術館でしか見られないようなお道具ばかりで目のお正月。先生もお点前の方もお運びの皆さんも着物姿が素敵でした。帯と着物の取り合わせ。秋尽くしです。お菓子が2種類出されて、お茶もお代わりの2服。すっかり非日常の世界に浸って戻ってきました。
洗濯を済ませて午後からはザ・シンフォニーホールです。父が100歳の誕生日を迎えて百寿のお祝いの会も済み、なんとか持ち直しそうと思った8月、ホールから届いた案内のなかにオール・モーツァルトのプログラムでピアノが辻井伸行さんのチラシ。久しぶりの40番のシンフォニーが聞けるし、いつか聞いてみたい辻井君でしたので、思い切って申し込みました。「そのころ、お父さん大丈夫かな〜」と夫に言われましたが、”良い方に賭ける!”という気持ちで、清水の舞台から飛び降りました。

さて、洗濯ものを干そうかという頃、電話が。カナダのSさんから、久しぶりのお電話でした。同窓会の様子と彼女の担任の先生の施設入所を伝えたり、アチラの気象の異常な温かさとか、アメリカの大統領選ではカナダからもクリントンさんの応援に大勢が駆けつけている話だとか。トランプさんが大統領になったら日本はどうなる?と言われて……話していたいけど、困ったな〜時計を見ながら12時を過ぎたころ、「ごめん、午後から出かけるので…また!」。あわてて、二階に上がって洗濯物を干して、食事を済ませて、電車の中で読む本をバッグに入れて飛び出しました。
ひと月ほど前に借りた「日本会議の正体」。最後の方になって、なかなか前へ進めません。貸してくださったHさんが、しばらくヨーガをお休みされていたので、良かったと思いながら、でも、今度の水曜日までには…。残り、電車の中で読んでしまえるほどなので、忘れずにバッグに入れて、箕面線宝塚線の中でやっと読み終えることができました。青木理さんのインタビューを交えた内容は分かり易かったと思います。

◎後から考えると、これがよくなかった。環状線の福島の駅について、ハタと気が付きました。チケットを忘れてる!!
しまった〜土曜日からバタバタしてたせいで、肝心のチケットをバッグに入れ忘れていました。初めてのことです。

ホールへ向かいながら、諦めるしかないか、いつもならチラシで曲目をチェックしたり、座席を見たりしてくるのに、スッカリ忘れていました。
大金?はたいたことだし、ホールのチケットセンターへ電話で注文した座席だし、シンフォニアの会員だし、ひょっとすると調べて貰えばわかるかもしれない、ダメ元でホールまで行ってみようと思いました。
窓口で、家に置いてきたことを言いますと、あっさり、「調べてみますので」と言われ、名前と電話番号を紙に書いてしばらく待つことに。「分かりましたので」と氏名と座席番号が書かれた紙片を渡され、帰ったら「半券を送る」ということで、中に入れることになりました。前から2番目、舞台に向かって右手の通路寄りでした。これで、ヨーロッパ室内管のモーツァルトが聞けることになりました。

1曲目は、地獄落ちの旋律、「ドン・ジョバンニ」序曲。2曲目は21番のハ長調のピアノ協奏曲ですが、私の席からは奥行きが全く見えないので、第二ヴァイオリンの方たちが席を動かさず、ピアノが入るスペースがないのにどうするつもりだろうと思っていました。3,4人の係りの方たちがグランドピアノを動かして、入るの?というスペース、舞台の端、すれすれ!に。 ビックリして右隣の女性に、「落ちそうなくらいですよね、ぎりぎりで」と思わず言ってしまいました。その方、笑いながら、「あの正面だと、いいんだけど」と。それで、「あ〜、ここは、お顔は見えないですね」と私。
コンサートミストレスに腕を取られて辻井伸行さん登場。オケとの掛け合いも楽しく、カデンツァは主旋律が浮かんでは消え、ユニークでしたが、辻井さんオリジナル。演奏は独特の間と溜めがあって音色は美しく人気があるのが分かります。終わって前後に深いお辞儀を繰り返して・・・・アンコールの演奏がありました。ゆっくりとした出だしのベートーヴェンの悲愴でした。モーツァルトベートーヴェン、なるほどね〜と大満足。

後半はケッフェル136番のディヴェルティメント。シルキーな弦が歌うようです。そして最後がお目当ての40番ト短調交響曲。密やかな導入で始まって・・・何年振りかで聞く40番です。案の定、一夜明けた月曜日の今日は、あの旋律が一日中頭の中や耳元に響いています。これがまた何日続くことか・・・
ホールを出ると、ゴボウ抜きの急ぎ足。福島の駅では、到着した環状線の車体が派手な真田丸のペインティング車両。
阪急の宝塚線に来てみると、これまた手塚作品のキャラクターがいっぱいペイントされていて、ビックリ。
観光客向けなのか、派手ですね〜と、お上りさんで、カメラに撮ってきました。
カメラ向けてる人、いなかったようですが…ホールを出てから箕面着1時間でした。

5時半には家に着いて、夫はまだでしたので、夕食の支度には悠悠間に合いました。なんと忙しく、盛りだくさんなハプニング付きの日曜日だったこと! 一時はあきらめていた演奏会、おかげさまで聞くことができました。今日、早速、お礼を書いて半券を送りました。


ところで、隣の夫婦連れの女性から、帰り際に、「遠くからですか?」と聞かれたので、「いえ、大阪です。どちらから?」と聞き返したら、「石川です」「じゃ、アンサンブル金沢が…」「アンサンブル金沢と辻井君のも何回か聞いてるんです」「そうですか〜、石川県はどちらですか?」「小松」「私、となりの加賀市に親戚が。小松にも叔母が」「そうなんですか〜」「これから帰られるんですか?」「ちょっと、食事をしてゆっくりしてから」「そうですか〜」。辻井さんのファンだったんですね。ブーニンファンだった昔を思い出しました。((月曜・記)