マティス長官「辺野古は唯一の解決策」とは言ってないのに、稲田会見で『ウソ』!

◎東京の長男が月曜日に帰省、翌日は夫がスキーに出発、午後には息子が沖縄に向かい、その翌日の水曜日はヨーガと新年会のお食事会、そして夜には夫が帰ってくる。夕方の数時間で昨日の肥沼さんの下書きを仕上げて…と、今日、やっと気になる記事を調べることに。
先日、月曜日の「特別な1日」さんの記事の中に、「マティス長官が辺野古が唯一の解決策とは一言も言っていない」とありました。私は、琉球新報の社説(2/5)で、「外務省によるとマティス氏は普天間移設について、こう述べたという。『プランは二つしかない。一つは辺野古。二つ目も辺野古だ』」という記事をコピーしましたので、じゃ、あれは!?と、とても気になっていました。(社説引用元:http://www.ryukyushimpo.jp/editorial/entry-439193.html)
◎この日の「特別な1日」さんでは、実質賃金5%アップの『ウソ』についても書いておられますので、まず、その部分を引用です:(引用元:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20170206/1486374524

●2010年からの実質賃金指数推移(2010年を100とする)



確かに2016年の実質賃金は95.5と、前年の94.6よりは改善しました昨年は石油価格も下がったし、アベノミクスの失敗で円高になって輸入品の価格も多少は下がってきましたからね
でも時系列で見てください2013年からアベノミクスが始まって以来、どかーっと減った実質賃金が昨年は前年よりちょっと良くなったと言うだけです。まだまだ民主党政権当時の水準どころか、2013年の水準にも達していませんこの見出しは嘘ではないけど、現実を表現していないミスリードです。どうせマスコミは厚労省の発表をそのまま出したんでしょう。アホかって。                                              

◎さて、辺野古です。まず我が家の4日の新聞を見てみると:

日経朝刊、読売夕刊、見出しにはありませんが、本文の中で両方とも「沖縄県の米軍普天間基地の移設問題は名護市辺野古移設が唯一の解決策だとの認識を共有(した。)」と全く同じ日本語です。


◎そこで、ネットで見つけた対訳の全文「稲田防衛相と米・マティス国防長官が共同記者会見(全録)1」(http://ameblo.jp/miraihamassugumiteruyo/entry-12245063815.html)で調べてみました。日本語訳がところどころ不適切ですが、コピーしてみます。まず先に、尖閣諸島について:(尖閣が日本の「領土」だと認めたというニュースもありましたが、「administration」は「行政」ですので『施政権』を認めただけです)

            Today the minister and I discussed the security situation and I made clear that our longstanding policy on the Senkaku Islands stands.  The United States will continue to recognize Japanese administration of the islands, and as such article five of the U.S.-Japan Security Treaty applies.
  今日、大臣と私は治安状況について話し合いました。私は、尖閣諸島に関する私たちの長年の政策が同じ立場に居ることを明確にしました。 米国は引き続き日本の島々の管理を認めることになり、このような場合は米日安全保障条約の5条が適用されます

◎稲田大臣の日本語の会見です:(英語訳も)

また私から、普天間飛行場の一日も早い移設と返還を実現する必要がある旨をお伝えし
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マティス長官とは辺野古への移設が唯一の解決先であり引き続き協力することで一致をいたしました

            Also I told him that relocation and the return of MCAS Futnenma needs to be realized as soon as possible.  We agreed that relocation of it to Henoko is the only solution, and we will continue to cooperate.

◎ところが、稲田大臣に続いてマティス長官の発言は::

           During my discussions here we agreed that our mutual efforts to build the Futenma replacement facility will continue as it is the only solution that will enable the United States to return the current Marine Corps Air Station at Futenma to Japan.

◎引用先の和訳が少し紛らわしいので、私の訳を入れてみますと「この話し合いの中で、普天間の代替施設を建設することが、合衆国が現在の普天間海兵隊航空基地を日本に返還できる唯一の解決策なので、われわれはその普天間の代替施設の建設に力を合わせて努力を続けることに同意しました。」
確かに辺野古」という言葉は使われておらず、「普天間に替わる施設=普天間代替施設」と表現されています
◎このくだりの直前には、私も消えてしまったと思っていた「『グアム移転』も消えていない」とのこと。その部分です:

            I also mentioned to Minister Inada that the United States remains committed to mutually agreed upon realignment plans.  These include relocating Marines to Guam, and reducing our footprint on Okinawa, while maintaining the capabilities needed to keep Japan and the region secure.
  私はまた、稲田大臣に対し、米国は相互に再調整された再編成計画に同意したままであると述べました。これには海兵隊のグアム移転、沖縄のフットプリントの削減、日本と地域の安全を確保するための能力の維持が含まれます。

防衛省のホームページの「日米防衛相共同記者会見概要」(http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2017/02/04.html)では、日本語で稲田大臣とマティス長官の言葉が載っています。
稲田大臣:「私から、普天間飛行場の一日も早い移設と返還を実現する必要がある旨お伝えし、マティス長官とは辺野古への移設が唯一の解決策であり、引き続き協力することで一致いたしました。」とあり、
マティス長官:「大臣にも申し上げたのですけれども、アメリカは相互に合意された再編プランにコミットしています。海兵のグアム移転と沖縄でのフットプリントの縮小等でありますが、あくまでも日本及び当地域の安全を確保する能力は維持してまいります。日本での討議を通じまして協力し合い、普天間の移設先の施設を整備する努力を続けることに合意いたしました。これは現在の海兵隊普天間飛行場アメリカが日本に返還する唯一の解決策であります。日本は域内の安全及び同盟に特筆に値する貢献をなさっておられます。アメリカが日本の貢献に深く感謝しております。ただ、間違えないで下さい。日本のリーダーとの会見で双方ともいろいろ課題が噴出する現在でありますので、今の状態に決して慢心してはいけないということは意識し合っております。」となっています。
☆「Futenma replacement facility(普天間に替わる施設・代替施設)」を「普天間の移設先の施設」と訳しているのは・・・?

マティス長官が辺野古という名前を出していないのに、なぜ稲田氏は当日直後の記者会見で「辺野古へ移転することが唯一の解決策であることに同意した」と『ウソ』を言ったのか。その部分は、防衛省の「概要」では、「マティス長官とは辺野古への移設が唯一の解決策で、引き続き協力することで一致」とあります。
◎私が思うに、安倍政権、稲田防衛大臣は、沖縄の辺野古の海の埋め立てを推し進めるために、マティス長官との会談を利用した。
政府側が6日から工事を再開するために、この言葉を意図的に流したのかもしれませんし、その根拠を与えるために、稲田大臣がマティス長官を前にして長官のお墨付きを得たかのような『ウソ』を言ったのかもしれません。沖縄向けには、外務省の役人が本土での「マティス氏は、辺野古しかないで一致」を強調して『一に辺野古、二に辺野古』とオーバーに伝えたのでしょうか? 琉球新報のその後の社説でも、マティス氏が「辺野古」という名前を出さなかったことについては何も触れていませんので、そのまま誰かの『ウソ』が前提になっています。鳩山政権の時に外務省が鳩山さんを騙したのと同じ手口ですね。
アメリカ側はクレバーですね。「普天間移設は唯一の解決策」だけど、移設先の辺野古については、日本の国内問題であり沖縄が県民挙げて反対しているのを知っているので「辺野古」は口にしないということです。それを、政権側が勝手に、辺野古しかないんだからマティス長官も『辺野古で一致』と言い換えてしまう。その場で稲田大臣が発言してもマティス長官が否定しないんだから了承したと取っているんですね。「ウソ」ではないと言いたいでしょうが、マティス長官の口から「辺野古」は出ていません。
日本のジャーナリズムがまともなら、なぜ「辺野古」の名前をマティス長官は出さなかったのか、グアム移転もまだ生きている、というあたりを突っ込んで報道してほしいですが、揃いもそろって「辺野古移設が唯一の解決策だとの認識を共有した」(日経・読売)なんて『ウソ』を書いて平気です。
◎もう一つ「特別な1日」さんの、引用で終わります:

ついこの前もマティス米国防長官と稲田が会見後 『辺野古が唯一の選択肢ということで一致した』と日本のマスコミは報じました。

アメリ国防省の発表を見ると、実際はマティスは『米軍再編に伴う代替施設の建設』と発言しただけで『辺野古』のことなんか一言も言っていません。 Strength of Alliance Highlights Meeting Between Mattis, Japan’s Prime Minister > U.S. DEPARTMENT OF DEFENSE > Article (https://www.defense.gov/News/Article/Article/1070346/strength-of-alliance-highlights-meeting-between-mattis-japans-prime-minister
安倍政権になってから日本政府の発表がアメリカの発表と食い違うことは良くあるな〜と思います。ボクですら?と思ったらアメリカ側と突き合わせますけど、未だに政府の言い分を鵜呑みにしてチェックすらしない日本のマスコミは酷いもんです。アメリカ大使館のHPを見れば5分で確認できるのに。アメリカの偽ニュースやデマが話題になってますけど、日本の政府もマスコミも酷いもんですよ。

PS:言い方を変えれば、マティス長官は、「辺野古」という名前を一度も使わず、代わりに「Futenma replacement facility(普天間代替施設)」という言葉を使って日本の安倍政権の辺野古移設に同意したと相手に受け取らせる巧妙さ。一方、稲田防衛大臣防衛省は、何とか辺野古という名前を出したい、辺野古移設で一致したと言いたいということですが、言質は取らせなかった。凄いですね〜 沖縄は、逆手にとってアメリカはまだ辺野古とは決めつけていないと主張することも可能ですし、県外の可能性を追求することもできますね。それこそ日本の国内問題です。