◎戦後の一つの時代が本当に消えていくような気がしています。それは私が子ども時代を送った昭和20年代から64年までの44年間(1945~1999)、丁度20世紀の間は何とか持ちこたえていたあの戦争の反省が世論として存在していた時代と言えたかもしれません。それが急速にここにきて失われて行きそうな気がしています。小泉首相時代からの新自由主義で国は国民を見捨てて平気になりましたし、安倍首相時代で、国民をだましても平気、権力を私事に使っても押し切れるし、国連からの勧告までも無視して平気になってしまいました。教育も学問も報道も、権力を握ったものの好き放題が出来るようになっています。貧すれば鈍す。人間の質も教養のレベルも随分と下がってきています。そして今また軍備増強の世の中に。そうした世の中を長崎で被爆した永井博士は予言しておられました。永井博士の言葉を今一度:
🔲2014年8月のブログ「いとし子よ」永井隆 - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)からコピーしました。
土曜日、NHK「思い出のメロディー」、司会の仲間由紀恵さんが藤山一郎が歌った「長崎の鐘」を紹介するのに、長崎を訪ね歩く映像が流れました。その中で永井隆さんが紹介されました。被爆して6年後に二人の子供を残して亡くなった永井さんの著書「長崎の鐘」は歌になりました。
「永井 隆(ながい たかし、1908年(明治41年)2月3日 - 1951年(昭和26年)5月1日)は、日本の医学博士、随筆家。(Wikipedia)」
その永井隆さんが残した詩「いとし子よ」は戦争放棄の憲法九条が危機にある今の状況を予言したような内容です。(色字&太字by蛙)【赤の太字は今回】
いとし子よ
永井隆(1949年10月)
「いとし子よ。
あの日、イクリの実を皿に盛って、母の姿を待ちわびていた誠一(まこと)よ、カヤノよ。
お母さんはロザリオの鎖ひとつをこの世に留めて、ついにこの世から姿を消してしまった。
そなたたちの寄りすがりたい母を奪い去ったものは何であるか?――原子爆弾。
・・・いいえ。それは原子の塊である。そなたの母を殺すために原子が浦上へやって来たわけではない。
そなたたちの母を、あの優しかった母を殺したのは、戦争である。」
「戦争が長びくうちには、はじめ戦争をやり出したときの名分なんかどこかに消えてしまい、戦争がすんだころには、勝ったほうも負けたほうも、なんの目的でこんな大騒ぎをしたのかわからぬことさえある。
そうして、生き残った人びとはむごたらしい戦場の跡を眺め、口をそろえて、――戦争はもうこりごりだ。これっきり戦争を永久にやめることにしよう!
そう叫んでおきながら、何年かたつうちに、いつしか心が変わり、なんとなくもやもやと戦争がしたくなってくるのである。どうして人間は、こうも愚かなものであろうか?」
「私たち日本国民は憲法において戦争をしないことに決めた。…
わが子よ!
憲法で決めるだけなら、どんなことでも決められる。憲法はその条文どおり実行しなければならぬから、日本人としてなかなか難しいところがあるのだ。どんなに難しくても、これは善い憲法だから、実行せねばならぬ。自分が実行するだけでなく、これを破ろうとする力を防がねばならぬ。
これこそ、戦争の惨禍に目覚めたほんとうの日本人の声なのだよ。」
「しかし理屈はなんとでもつき、世論はどちらへでもなびくものである。
日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から憲法を改めて、戦争放棄の条項を削れ、
と叫ぶ声が出ないとも限らない。そしてその叫びがいかにも、もっともらしい理屈をつけて、
世論を日本再武装に引きつけるかもしれない。」
「もしも日本が再武装するような事態になったら、そのときこそ…誠一よ、カヤノよ、
たとい最後の二人となっても、どんな罵りや暴力を受けても、きっぱりと◆戦争絶対反対◆を叫び続け、叫び通しておくれ!
たとい卑怯者とさげすまされ、裏切り者とたたかれても
◆戦争絶対反対◆の叫びを守っておくれ!」
「敵が攻め寄せたとき、武器がなかったら、みすみす皆殺しにされてしまうではないか?――という人が多いだろう。しかし、武器を持っている方が果たして生き残るであろうか?
武器を持たぬ無抵抗の者の方が生き残るであろうか?」・・・
「狼は鋭い牙を持っている。それだから人間に滅ぼされてしまった。
ところがハトは、何ひとつ武器を持っていない。そして今に至るまで人間に愛されて、たくさん残って空を飛んでいる。・・・
愛で身を固め、愛で国を固め、愛で人類が手を握ってこそ、平和で美しい世界が生まれてくるのだよ。」
「いとし子よ。
敵も愛しなさい。愛し愛し愛しぬいて、こちらを憎むすきがないほど愛しなさい。愛すれば愛される。
愛されたら、滅ぼされない。愛の世界に敵はない。敵がなければ戦争も起らないのだよ。
🔲戦後の戦争反省からの憲法9条ではなくても、今のロシアがウクライナ侵攻を続けている世界の現況から、日本にとって本当の戦争回避の道は何なのかという考え方からも9条が見直されてほしいと思います:
🔲自民一党では出来ないことを公明党が補完している役割の重大さ:
🔲「ミサイルが抑止力」になるとは思えない」と:
🔲今までは東南アジア諸国から日本を目指す人たちが多いと聞いていました。母が入居しているホームでも、最近、介護職にアジア系の人たちが働くようになりました。ところが、日本は、今、賃金の高い国から低い国へと変わってしまっています:
🔲新聞が世論をリードしたり政府を批判していた時代を知る者からすると、昨今の新聞の伝達のみの紙面にはガッカリですが問題を積極的に解決する気があるのかどうかも: