市民合唱祭と我が家の野菜とホームの母を訪ねて

◎11日の日曜日はここ数年コロナで普通の状態では開催できていなかった市の合唱祭が何年振りかで開催されました。混声合唱団の団員で毎週夜練習に出かけていた夫も白いシャツに黒の蝶ネクタイ、黒ズボン姿で参加です。私も戸締りをしてから雨が降っていたので傘をさして出かけました。歩いて直ぐのところにメープルホールがありますので助かります。途中、一株に色とりどりの花が咲くアジサイがあるので写真に撮りました。

学習センターの入り口の傘立てに傘を収めて、ホールでチラシとプログラムを貰って中に。中ほどの座席を目指して通路の階段を下っていると名前を呼ばれました。振り返ると、お茶のみ友だちのSさん! つい先日の金曜日も我が家でお茶を飲みながら、入管のことをぼやいていました。私は母のホームで最近中国人のスタッフさんが入って来られているので、また、Sさんは息子さんが有料老人ホームのスタッフとして働いておられるので、高齢者の介護施設現場に外国人労働者が必要なことは先刻承知です。だから二人して「今の日本の現実が解っているの?と思ってしまうよね~」「戦前みたいな排外主義的な考えでは日本はやっていけないということが本当に分かっていない役所と役人と政治家がやること…」とぼやいていました。

そのSさんはお友達が出演ということで毎回、客席で聞いておられて、これまでも何回か一緒になっていました。平均年齢75歳のグループや、65周年を迎えたグループもあって、ステージは女性陣の色とりどりの鮮やかな衣装も功を奏して華やかです。夫のグループは指導者で指揮を務める先生の選曲が楽しくて、今回は3曲の内真ん中の2曲目が「ラジオ体操の歌」でした。歌の間に、「ラジオ体操第一!」という発声で、女性の3人が前へ出てロングスカートのドレス姿のまま体操を始められたのには驚きました。皆さん堂々と楽しそうにやっておられたので愉快でした。1曲目は米津玄師の「カイト」、3曲目は荒木とよひさの「心の瞳」でした。

男女ともレンガ色のTシャツに白いパンツ姿の「メイプルクワイア」が歌った「若者たち」と「ビューティフルサンデイ」は懐かしくて良かったです。「すずらんコーラス」と「市民合唱団」が歌った福島県南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生作詞の「群青」。詩の内容がやはり心に響きます。

第一部のトリはゴスペル・クワイアグループ。ソロを歌う女性のボーカルが素晴らしいし、場数を踏んでおられて演奏活動も豊富なんだろうと思います。黒い衣装に真っ赤なロングスカーフが目にも鮮やかでパフォーマンスも素晴らしい。

堪能して、記入したアンケートを箱に入れて、外に出ました。「コール・リーベ」のグループが外で記念写真を撮っていて、知り合いのMさんに会ったので「良かったよ!」と言って、Sさんとも別れてきました。途中、前を行く夫の姿を見つけて二人で家路に。雨は上がっていました。

◎写真は我が家の畑の作物。ナスの花、キュウリの花、青いトマト。

◎帰ったら1時半ごろでした。食事の準備にかかっていると電話があってNさんから午前中電話したんだけど、今からいる?届け物とのこと。しばらくするとチャイムが鳴ってNさんが重たそうな紙袋を持って…。お茶仲間の池田のNaさんから梅酒用の梅です。今年は随分ふっくらした梅のようです。道路まで出て運転のMr.Nさんにもご挨拶。見送って、さあ、Naさんにお礼の電話を入れて、明日は梅酒の用意をしないと・・・

収穫した紫タマネギ。右のは直径12センチもありました。

◎4時過ぎにホームのケアマネさんから電話がありました。母の様子に大きな変化はないのだが、本人が家族さんに・・・と口ごもっておられたので、「会いたいということですか?」と聞くと「そうだ」ということで、夫に伝えてすぐ車を出すことに。

写真は前回ホームへ駆け付けた天気の良い日の千里中央あたり。千中の横を真っ直ぐ行くとすぐ桃山台。そこを右折して緑地に向かうと・・・

阪急不動産が開発したジオのマンション団地のけやき通りを突き当たりまで行くとすぐ右にホーム。

◎部屋に入ると男性のスタッフがお世話してくださっていました。管がまだ鼻に伸びているので酸素を吸入しているようです。サイドテーブルがベッドの上に用意されていて今からちょうど夕食。スタッフさんは前掛けを付けてくださっているところでした。入れ歯を外しているので老け込んで見えますが年相応と言えば年相応。でも普通食ではなくて、やはり以前のようではありません。

私たちに気づいた母の話によると、あれからずっとベッドの上だけで何から何まで全スタッフさんのお世話になりっぱなし。良くして頂いているので、家族が来たら皆さんにお礼を言ってほしいと思っていたので、丁度来てくれてよかったとのこと。

ベッドの横の丸椅子に座った私がスプーンで順に口に入れて食事のお手伝いを始めました。御飯は三分粥くらいの柔かいお粥でした。マーボ豆腐のようなものとおつゆと何かのすり身のようなのとキーウィを細かく刻んだのはデザートかな。どれも少しずつ口に運びましたが、刻みキーウィは、お皿を自分で持って、さっぱりとして美味しいと全部平らげました。
血圧が高めだとお陀仏できないらしいと言います。看護師さんに訊いたんだとか。そういえば、お父さんは血圧が低かったと納得のようでした。他の人は病院に運ばれるのに私はここで世話になっているというので、ここは最後まで面倒を見てもらえるので大丈夫と書くと、以前に三者で集まって看取りの話し合いをしたことを思い出したらしく納得していました。半分以上残ったかもしれませんが、もういいというので終わりにして最後にジュースとお茶を美味しそうに飲んで食事は終わりました。

帰るけれど、次に持ってくるものある?と書いて見せましたが「なし」ということ。母からは、くれぐれも受付にいる看護師さんにお礼を忘れないで…と言われて「しっかりお礼を伝えて帰りますネ」とメモ紙に書いて見せました。

ホールには紫を主体にした豪華な生け花が飾ってありました。紫のグラジオラスや大玉のアジサイが入っています。ユリが芳香を放っています。

受付に居る看護師さんに「いかがでしたか?」と言われたので「キーウィ完食、後も半分くらいは食べました」と報告。看護師さんは「どうしたらお陀仏できるの?って聞かれたので、血圧が低い人ほど早いですとお伝えしたら、私は70あるからまだ駄目ねと仰ってました」というお話を。部屋でもその話をしていましたが、血圧の上が170ほどあるという事かな。私からはメインの忘れてはならないことを。

「母が私たちを呼んだのは、寝たきりになって皆さんに何もかもお世話になっているのでしっかりお礼を言うようにということでした」「あれ?へぇ~?そんな~! 悪かったですね。まだまだだわー」と。夫も、「いえいえ呼んでいただいてよかったんですよ。お世話になってる皆さんにありがとうございますとお伝えください」と。

帰りの車の中。「看護師さんの『まだまだ.だわ~』は面白かったわね。入所者が「家族に話したいことがある」と言えば、『今わの際の伝言』かと思って無視できないし、伝えないといけないと思うのは当然だから、、、それが、お世話になってるスタッフに家族の者からお礼を言うようにナンてこととは思いもしないわね、フツウ」。

母らしい気遣いです。母らしさがあるということは『まだまだ.大丈夫』ということですね。それでも夫は前より元気がなかったと心配しています。酸素吸入は続いていますし、食事は元通りになっていないので、体力がいつまで続くかという不安は残ります。回復を祈って母の何度目かの奇跡を願っています。