◎昨日は、夫の実家がある加賀市のご夫妻を我が家にお迎えしました。若い頃、夫が製品の売り込みでヨーロッパを共に歩いた同僚で、その後、夫は会社を辞めて転職に次ぐ転職にもかかわらず親友であり続け、引退後は、夫婦でイタリア・スイス、南仏、スペイン旅行と三回の海外旅行を共にしたご夫妻を迎え、久しぶりの旧交をあたためる日でした。
ともに80代となって初めて、というか、2年ほど前に夫たちは2人で東北のドライブ旅行をしていましたが、妻同士、夫婦同士で会うのは久方ぶりでした。北大阪急行の箕面萱野駅が出来ていますので、9時過ぎに夫が車で迎えに。9時半、我が家着。チーズケーキとマンデリンのコーヒーで一服。それから隣りの実家のピアノが置いてある部屋に移動して、F氏のフルート演奏です。
F氏は学生時代から大学のオーケストラ部でフルートを吹いて半世紀以上というベテラン。黒いケースから取り出して2つの部品?を差し込んで一本のフルートになります。実物はかなり長くて重そうな感じでした。音はしっかりとした大きな音でした。
F氏のフルートの演奏中、身近で毎日のように聴きなれているFさんは、100歳近くまで自称”写真家”だった父が残した数冊のアルバムを丁寧に見ておられました。演奏はお馴染みの曲(ビゼーの「アルルの女」のメヌエット)も交えて数曲を演奏していただいた後、お昼の予約を12時半にしてある「風の杜」のレストランへ。
素晴らしい青空のお天気に恵まれ、ドライブウエイに入ってしばらく行くと左手に坂道の入り口が見えて麓から見える建物のある山へ。モミジの紅葉はもうほとんどお終いで散り留まっている木が数本あるのみ。予約した部屋へ案内されました。ロビーから見える大阪平野と生駒山系は絶景です。
12時半から2時間、ご馳走をいただいて又我が家へ。今度はゆっくりと音楽です。夫のピアノ伴奏とフルートの合奏です。フルートの独奏で名曲を聴かせていただき、夫のピアノ独奏?で迷演を。飛び入りで私の片手演奏で大好きな曲を弾きました。ずいぶん昔、お隣のAちゃんがピアノで演奏しているのを聴いて、楽譜のコピーを貰っていましたので、フルートでも聴かせていただきました。
高校では美術を選択したので、私の音楽の授業は中学校で終わっています。引っ越しを4回ほどしましたが、小中の音楽の教科書はずっと大切に持ち歩いていました。教科書はよくできていて、クラシックの名曲に日本語の詩を付けて紹介しています。その教科書に、後で知ったこの短調の美しい曲(中学では「赤い花の帽子」という日本語の歌詞がついていたはずですが、音楽の先生が教科書とは別に紹介して下さったのか、教科書には載っていません)とベートーヴェンのマルモットの楽譜のコピーを挟んでいます。
教科書を当時のカレンダーでカバーして「Music」と書いていますが、もう70年近く経ってボロボロですが何とかそのまま残っています。
Fさんは、聴いてすぐフルートで大好きな旋律をなぞってくださったのですが、コピーの楽譜が出てきたのでそれを見ながら演奏も。長年口ずさんできた大好きなメロディをフルート演奏で聴く日が来るとは感激です。
夫はピアノを独学?で弾き始めてまだ3年足らず。F氏とは、仕事の付き合いで、やじきた道中のような逸話だらけのヨーロッパ旅行でも、スイスの山小屋のテラスのようなところで二人でオペラの一節を大声で歌って旅行者たちの拍手をもらった話とか、ドイツのライン川の船旅で日本の歌をリクエストされて「庭の千草」だったか日本語の歌を歌ったら、それはアイルランド民謡だと言われたとか、二人の音楽珍道中で笑ったものです。
Fさんは、F氏がフルートの練習を毎日されるとご近所迷惑ではないかとハラハラしてると仰っていましたが、学生時代からのフルートはさすが。楽譜を見てさっと演奏できるのも素晴らしいし、こうやって生演奏を真近で聞けるまたとない機会に感謝でした。
北急の新駅が出来て、F氏の実家からは便利になったとか、夕方、車で駅まで送ってお別れ。食事時の話題にお墓の話がでたり、私達も年を重ねてきたと実感したりでしたが、「風の杜」での美味しい食事とホームコンサートの余韻で愉しい一日でした。
夫はこの日の夜は、所属する「合唱」グループの忘年会でした。7時過ぎには家を出て近くの日本食のお店へ。私は昼間、Sさん宅のヨガの集まりでしたが事前に断りを入れていました。お互い健康で居られれば、また楽しく会える日が来るでしょう。