最近の普天間問題

今週に入ってからでしょうか、民放のニュース番組のキャスターやコメンテーターの発言が少しづつ変わり始めています。
鳩山総理の「時間をかける」という意味を考えようという変化でとってもいいことだと喜んでいます。

早く井沢元彦の「逆説の日本史2」の感想をブログにまとめて「3」を読みたいのですが、時間がなくて。
この「2」の聖徳太子の所を読んでいて思いがけない名前に出会いました。梅原猛さん。哲学者で文学者。

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

 
水底の歌―柿本人麿論 (上) (新潮文庫)

水底の歌―柿本人麿論 (上) (新潮文庫)

『隠された十字架 法隆寺論』(1972年)と『水底の歌 柿本人麿論』(1973年)を出版された年に読み夢中になってしまいました。子育て中にまとまった本を読んだのは司馬遼太郎以前はこの2冊でした。今では読んだことも、その内容もほとんど忘れてしまっていましたが。
当時は、不思議な情念の世界へ引きづり込まれるような思いがして、しばらくその世界から出られなくって、ゼミの先生の年賀状にまで書いてしまったことを覚えています。歴史ものとしては当時から異端の作品でしたので、社会科学のそれも歴史の先生からどんな?と思いましたが、先生は年賀状に「とてもいいことです」と優しく書き添えてくださいました。

その先生がゼミの授業の時に言われていた言葉。「新聞を読みなさい。記事を鵜呑みにしないで、発信元を確かめなさい。APなのか共同なのかタス通信なのか?と問うてみなさい、調べてみなさい」と何回も言われていました。最近の新聞報道、テレビのニュースを見るたびにこの言葉を思い出します。
鳩山総理が優柔不断だという記事を書く人、言う人はどういう人たちなのか? アメリカが怒っていると書く人、言う人はどういう立場の人なのか? 
そうしてみると分ってきます。変化を望まない人たちが声高に言いつのって必死で政権交代以前の日米関係の継続を謀ろうとしているのでは? 変化を押しとどめようと必死で抵抗しているのでは? 元ブッシュと元自民との日米関係をこれからも続けたいという意志が言わせているのでは?

献金問題を抱える鳩山さんについて稲盛氏が「この問題で鳩山さんが改革を存分にやれないことになれば国民が不幸になります」という内容の発言をされていましたが同感です。大阪府知事の橋本さんの「移転先は関空で受け入れても」という発言は突拍子もない発言ではありましたが、沖縄の米軍基地問題を小指の傷で済ますのではなく全身の痛みなんだということを改めて国民に感じてもらいたいという橋本流の発言だとすると納得もできます。

日米関係の新しいスタートは連立政権の最重要課題の一つ、鳩山総理がどれだけ日本人の本音の所を代表できるのか・・・
今までは個人の生き死によりは大日本帝国が大事でした。今までは日米安保のためには沖縄は辛抱して犠牲に・・・でやってきました。
沖縄だけに辛抱させるのなら、大阪だって引き受けようじゃないかという知事が出てきています。
沖縄の苦労を同じ日本人にさせるわけにはいかない、という沖縄の人たちの思いもあります。
アーミテージは「日本人が夜、寝られるのは誰のおかげだ!」と凄んでいます。
一方で「米軍は日本を守るために居るのではなくて、沖縄はイランやイラク、中国を攻める基地で、やっているのは訓練です」
とグレゴリー・クラークさんは言って、「日本人は外圧を恐れることなく、思っていることを勇気を持って言ってほしい」とも。
良く良く考えて、日本の利益のために・・・ここは日本人の踏ん張りどころです。
シンビジュウム ジューンベリーの葉