箕楓軒のお茶会

昨日の土曜日は自治会最後の定例会議でした。
夜7時半から近くの地蔵会館の2階の6畳の部屋に、口の字形に低いテーブルを並べて座布団を敷いて座ります。
10年程前には月一回でしたが、会長さんが変わってからなのか、今では2ヶ月に一回ですので、ずい分楽になっています。
ところで、午後になって地区長のMさんから電話。お(義)母さんが起きられなくなって大変だと仰っていたのに、今度はお孫さんが病気で、お嫁さんも具合が悪い、その上自分まで38度の熱が出て今日は行けないということでした。結婚した息子さんたちも実家のすぐ傍に家を建てて、近隣3世代で暮らしておられます。60代の我々世代が、高齢の親の世話と、子育て最中の子供世代の助っ人にと、病気にもなっていられないというわけです。私の場合は息子たちがまだ未婚ですので、いずれ高齢の両親の世話を、とは思っていました。同じ立場の学生時代の友人からもメールで、「介護」が共通の話題になってしまったわね〜と。日本の高齢社会の現実です。
ところで、市の茶道連盟では、毎月、学習センターの茶室「箕楓軒(きふうけん)」でお茶会をやっています。3月は、私たちが習っている先生がお当番で亭主を務めることになっていて、お茶会初心者の私たちも出かけることに。お一人は中旬に息子さんの結婚式を控えてお客さんがあるのでと急遽お休み、その代わりというか、Nさんのお友達でお茶を長くやっておられる方を誘っておられるので安心です。ちょうど、建物に入るあたりで声を掛けていただいて3人でエレベーターで三階へ。
春らしい着物姿の先生の娘さんが受付におられて、ご挨拶。当日券の1000円を払ったあと毛筆で名前を書くことに。これが困りもの。練習しておくんだった〜、すっかり忘れていました。着物姿の方たちがおられ、なかには、いかにもお茶の先生という方たちも。押入れに上着と荷物を押し込んで、懐紙と扇子を入れた小物入れだけで、控えの間に。立ち雛の掛け軸がかけてあって、箱書きが並べてあります。今日使うお道具類の品定めをここでするということ? 熱心に控えを取っておられる方も。 前の会が終わったらしく、ゾロゾロと出てこられました。いよいよ私たちの番です。初心者だから真ん中に座りなさいと先生からも注意を受けていましたが、挨拶の仕方から始まって身のこなしで初心者なのはバレバレです。小さくなって下座のほうへ。正客さんを誰にするかで譲り合いがあったり、で、お着物を着慣れた先ほどのいかにも先生という方が正客さんの席・床の間を背に、炉の前、お茶を点てる方の直ぐ横に座られ、お詰めという最後も経験者が務めることになっていますので、ここも先生と呼ばれる方が座っておられます。膝の悪いNさんは障子を開けた廊下に用意された長椅子に他の方たちと一緒に腰掛けて。これで、20名ほどの位置が決まって、いよいよ始まります。
お正客さんが季節の挨拶をなさって、先生からもご挨拶。主菓子の鉢が回り、干菓子(黄色の蝶と緑のワラビ)が出されます。懐紙で受けて、娘さんが点てたお茶が運ばれると、続々とお弟子さんたちがお運びをされてお茶が運ばれます。隣に座ってくださった先輩さんが見かねて、「右先、つぎ左、真ん中」と声を掛けてくださって、何とか無事お茶を飲むことが出来ました。出されるお茶碗がどれも珍しい貴重なものらしく、皆さんが感嘆の声を挙げておられます。
先月のお稽古で見せて戴いた立ち雛のお茶碗も出されていました。その他にも、京焼きや楽、志野、備前などなどが沢山。香合は陶器の黄色い扇形の器で蓋は宝尽くしの絵が。床に活けてあるお花は桃に蕾の椿。花器は白地に藍色の唐模様があり、左右に取っ手が付いています。正客さんが仰るには、鯉耳(こいみみ)といって魚の鯉が立ち上がった形です。棗(なつめ)は「春の丘」で、黒漆に金泥で蓋には緩やかな丘が薄っすらと描いてあり、胴には春の野草が。お軸の漢字は、今日は先生の講釈がないので解らずじまいです。
「月釜」というお茶会の初体験でした。 垣根越しに曲り角のYさんの椿