今年100周年のカルピスと箕面

先週の毎日放送の「ちちんぷいぷい」のコーナー。河田アナとくっすんの二人が修業道場を訪ね歩くというというコーナー。以前は、10キロほど歩いて各地のお寺を訪ね歩くコーナーでした。母が、「毎日放送のアナウンサーは偉いね〜まるでタレントみたいになんでもやらされて」と言って楽しみに見ています。私は必ず見ているわけではないのですが、たまたま見ていたこの日は箕面の滝が出発点でした。朝8時頃、滝つぼスタート。滝道を下りながら、台風被害の谷が画面に映し出されました。さすがテレビ画面に映る景色はリアルそのもの、見た通りの惨状でした。
最初に案内されたのは瀧安寺。約700年前に後醍醐天皇箕面寺から改称。

そして、宝くじ発祥のお寺です。

富くじ」は平安時代に宝くじの原型となったもの。
「賞金ではなくてお寺のお守りが渡された」。副住職の山本昌広さんのお話では「お守りをいただいた人は、福を逃がさないようにと、どこも寄らずに帰った」そうです。つい10年ほど前までは、お正月、階段の上の弁財天横の焚火のそばで富くじが行われていました。それが、下の境内で、10月10日に開催されるようになったのが2009年からだそうです。上の絵と同じように、箱の中に入っている木札をつきさして、当たりくじの3人にお守りが渡されます。昨年の21号台風で、お堂が損壊、富くじも中止。今年は秋には再開できるよう頑張っているという山本さんのお話。

もみじの天ぷらは、「約1300年前、紅葉の美しさに感動した役行者が旅人にふるまったのが始まり」と言われています。赤くて小さなイロハモミジではなくて、「黄色くて大きな一行寺楓という種類の葉を使っています」。

さて、一の橋を渡って、川の流れは左手から右手に代わり、土産物店で川が隠れて、しばらく下った広い場所に差し掛かります。ここの山の上に今から110年ほど前の1910年に動物園が開園しました。「約10万平方メートル(甲子園球場の約2.5倍)の面積を有し、当時日本最大級の動物園」でした。1916年に閉園。観覧車まであったそうです。小林一三さんのアイディアだったそうですが、動物の糞尿で農業用水が汚染されると平尾の農家の反対で、宝塚に移されたと聞いています。現在、跡地は箕面観光ホテル・スパーガーデン・大江戸温泉物語が営業しています。山登り用のエレベーター塔がユニークです。
いよいよ土産物店の並ぶ下りの道を下りてくると左手に交番が見えて、阪急箕面駅です。

タクシーやバスのロータリーをそのまま左手の東に向かって歩き、サンプラザ2号館の前で南に銀座通りへ入ります。
その南端の右手にミスタードーナツの1号店があります。我が家が箕面に越してきたのは1976年秋でしたから、5年前にオープンでした。
今はビルの一階に入り込んだ形ですが、オープン当時の懐かしい写真がでていました。隣にはダイエーがあり、間のスペースにカウンタックが展示されて小学生だった長男が夢中になっていたことを思い出します。「オープン初日に1時間で約4000個のドーナツを販売」


二人が歩いているのは、
左手にりそな銀行、右手にミスタードーナツです。
さて、ここからは南東に向かって国道171号線を横切って歩きます。
箕面団地の南、中小学校からライフの前を南へ下り、
国道を横切って第五中学校の手前にある教学寺。

ここが、あの有名な飲み物を発明した人の生誕地です。そう、カルピスです。
三島海雲は、教学寺住職の息子で西本願寺文学寮で学んだあと、英語教師に、
その後、仏教大学(現在の龍谷大学)に編入
1902年(明治35年)、憧れの地、中国へ日本語教師として渡る。

その際、酸乳(牛・馬の父を乳酸菌で発酵させた飲み物)に出会った。
1919年(大正8年)にカルピスとして発売。今年は発売100周年。

「カルピス」のキャッチフレーズ「初恋の味」は、1920(大正9)年、三島海雲の文学寮時代の後輩である驪城(こまき)卓爾が『甘くて酸っぱい「カルピス」は「初恋の味」だ。これで売り出しなさい』と提案したことがきっかけ」
次のくだりは、河田アナがそっくりそのまま紹介していました:

大正9年当時といえば、“初恋”という言葉さえはばかるような時代だったため、海雲は、一度は『とんでもない』と断りました。
しかし、また驪城は海雲を訪ね、『「カルピス」はやはり「初恋の味」だ。この微妙・優雅で純粋な味は初恋にぴったりだ』とすすめました。
海雲は、『それはわかった。だが「カルピス」は子どもも飲む。もし子どもに初恋の味ってなんだと聞かれたらどうする』と言うと、驪城は『「カルピス」の味だと答えればいい。初恋とは、清純で美しいものだ。それに、初恋ということばには、人々の夢と希望とあこがれがある』という言葉に海雲も納得し、1922(大正11)年4月の新聞広告にキャッチフレーズとして使用したのが始まりです。当初は、世論を二分するほど話題になりましたが、好景気で世の中は明るく、このモダンなキャッチフレーズは世情にマッチし、またたくまに日本中に広がっていきました。
(引用元:https://www.calpis.info/knowledge/developer/

「”初恋の味”って、どんな味?」「カルピスの味」という問答は、いいですね。
私も夏になるとカルピスを一本用意します。大工さんやガス工事でお世話になると、大ぶりのグラスに氷を入れてカルピスを注ぎ水で割って出します。冬ならホットカルピスにして。手軽で喜ばれます。

この後、二人は北東の修験道場を目指して歩きます。ここからはかなりの距離。元被昇天学園(現アサンプション国際)の北側の道路を東に。途中「一輪屋」という喫茶店があり、そこでご馳走になって、東へ。滝から朝8時台に出発して到着したのが夕方4時台、距離にして10キロ以上を歩いて目的地の命教寺に到着。と言っても名前も知らないお寺です。2008年にできたとか。ここで二人は修業をするそうです。
な〜〜んだ、という感じですが、道中の案内が楽しかったですし、カルピス発祥の地のお寺が箕面にあるというのは私も知らなかったので、これはお得な番組でした。