昨日のニュース番組は小澤征爾氏の復活コンサートで持ちきりでした。ニューヨーク・カーネギーホールでサイトウ・キネン・オーケストラの指揮者としてブラームスの第一交響曲を40分、殆んど椅子に腰掛けることなく振り切りました。食道がんと腰痛の闘病生活後の復帰ですので本当に良かったです。東京のクリーブランドの天覧の演奏会でも、覘いたブログによりますと、小澤さんの姿を見かけたとありましたので、天皇皇后さまに解説をされていたのかしら?と勝手に想像していました。
ところで、後任のウェルザー=メスト氏の記事が昨夕の「日経」の分化欄に。
フランツ・ウェルザー=メストさんはこの9月から小澤征爾さんの後任としてウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就任し、来年元日には毎年NHKがライブで中継するウィーンフィルのニューイヤー・コンサートを振ることになっています。それを控えてのインタビュー記事でした。聞き手は日経のクラシック記事で長年お馴染みの池田卓夫氏。
メストさんの意気込みが感じられる受け答えを少し端折りながら引用してみます。
来年元日に私が指揮するウィーンフィルの「ニューイヤー・コンサート」の中心にくるヨハン・シュトラウスの作品こそ、ヴィーナリッシュ(ウィーン流儀)の典型だろう。陽気さの内側に悲しみやメランコリーが隠され、信じられないほど繊細で特別な音楽を語りかける。・・・・ゆっくりした中に多種多様のニュアンスをこめて奏でるのがウィーン音楽の基本。元日も楽しい以上の指揮をしたい。
<ウィーン国立歌劇場がオーストリア人シェフを迎えるのはヘルベルト・フォン・カラヤン以来46年ぶり。前任の小澤さんは「音楽監督」だが、ウェルザー・メストさんは「音楽総監督」となった。>
国立歌劇場では、1986 /1987に何作品か指揮したが、次に呼ばれ、ウィーン・フィルとの初共演も実現するまでには12年を費やした。どこのオーケストラも、同国人の指揮者には厳しい。ウィーンは年間55作品を計300回上演、世界に類例のないレパートリー劇場だから、幅広い曲目に対応しなければならない。私も今シーズン・・・モーツァルトから20世紀まで10作品を振る。歌劇場全体で1000人強、音楽部だけでも350人の職員が働き、総監督はリハーサル、オーディション、約50人の専属歌手の育成など、上演以外にも多くの責任を負う。就任以降、年6ヶ月はウィーン、4ヶ月はクリーブランド(2002年から米クリーブランド管弦楽団音楽監督)にとどまり、客演指揮もやめた。
メストさんの故郷リンツ生まれの作曲家、ブルックナーも、「ウィーンの多様性を担い、”宗教的”という風潮には抵抗。ベルクの無調音楽にも20世紀のミニマルミュージックにも通じる起源がある」として、「来年7月のクリーブランド菅とニューヨークのリンカーンセンターでのブルックナー第6,7,8,9番の演奏に米ミニマル音楽の大家ジョン・アダムズの作品を組み合わせて、この大胆な仮説を検証しようとしている」と結ばれています。
ウェルザー=メストさんは1960年オーストリア・リンツ生まれ。今年丁度50歳。
これからはウィーンフィルの音楽総監督として、今までよりは日本でもその演奏活動が紹介されるようになるでしょう。
ファンとしてはとっても楽しみです。まずは元日のニューイヤーコンから・・・