「ツリー・オブ・ライフ」

昨日、「コクリコ」に懲りて、ネットで予約して叉自転車で、2時20分からの映画を見に出かけました。
カンヌで賞を取ったことと、父親がブラッド・ピット、息子がショーン・ペンというテレビの宣伝だけの情報で出かけました。
見終わって、何とまぁ〜、大仰な! オーバーで大真面目で暗い!
河合隼雄さんなら1頁ほどで納得のいく書き方でわからせてくれるのに。
と、私が言ったら、夫の方は、「そうだけど、アメリカは昔からこの問題があるしな〜
自分にも有ったし」と言いますので、私も、「男親と息子、特に長男とはね〜」と。
そう、この映画は父親と息子(長男)の昔からある超克の物語です。近くはジブリ宮崎駿・吾郎親子の。
そしてこの映画が特別なのは、地球誕生から生命の起源、恐竜の登場までを映像で見せているところです。
セリフは極端に少なく、イメージの積み重ね、で提示されるだけです。
かといって、ストーリーが無いかといえば、そうではなくて、ピット一家の日常がシッカリ描かれます。

厳格な父親に育てられた3人の息子たち。恩寵を信じて優しくすべてを受け入れる母親。
3人の息子たちが素晴らしいです。
思春期の反抗期、権威と暴力を振りかざす父親に憎悪と敵意を募らせ暗い目で過ごす長男。
抗いつつも、ただ、受け入れ、見守り、耐える母親にも容赦なく厳しい視線を注ぐ長男。
天使のような少年の次男。長男の誕生に唯一慈愛の笑顔を見せる父親ピットにそっくりの少年です!!

親子の和解は父親が職を失って初めて実現します。
親の権威は経済力をバックに支えられていたのか・・・祈りの場の権威とも。
日本の場合は・・・あんなに強固な父権はとうに消えて、今は、あるといえば倒錯した虐待かも・・・
と、まあ、考えさせられたり、することはありますが、どうも、女として鈍感なのは否めません。
最後の映像は、死者も生者もともに赦し合い、愛し合い、輪廻転生は永遠に・・・というメッセージ?
とにかく、どう感じるか? どう捉えるか? は見る人任せの映画です。
聖書の言葉が最初に出てきます。信者で無い私には宗教との関連は無視して・・・