「母子避難、心の軌跡」と「オリンピックの影で」

◎昨日の日経新聞に出ていた手記の紹介記事です。
手記のタイトルは「母子避難、心の軌跡ー家族で訴訟を決意するまで」で、先月出版されました。
記事によりますと、東電福島第一原発事故で福島から2人の子供と関西に避難した女性が「普通の生活」を手放さざるを得なかった実情を訴えています。
「著者は派遣会社を通じ大阪市社協社会福祉協議会)で働く森松明希子さん(40)。福島県郡山市から幼少期住んでいた大阪市に避難してきた。本は事故の2か月後、5歳の長男と3歳の長女を連れて自主避難するまでの経緯から始まる。郡山市は避難指示区域外だったが・・・」から下の写真の記事に続く…


本の価格は1470円。売り上げは訴訟費用に充てるという。連絡先は、「かもがわ出版」(電話:075・432・2868)
さて、オリンピック。本当に大金使って日本がやるべきなの?と思うと主婦感覚ではとても今の状態では…と思ってしまいます。まずは国際的にも責任がある事故対策費用、それに被災者の皆さんへの補償、避難されている方々の生活支援や除染や健康被害や調査や検査などは、どんなことがあっても国費を投じなければならない出費。それが一体いくらかかるものなのか? その上沖縄にも大金を奮発することになっています。どんな計算をすればそんなお金(4500億円も!!)回せるのかと思ってしまいます。やらなければならないとしたら・・・どこかを削ってでもとなりますね。どこ? 
でも、お金だけではありませんね、物・人みんな関係があります。「みんな楽しくHappyがいい♪」さんで、オリンピックの影でこんなことが…というラジオ放送の書き起こしを見つけました。ダイジェスト風にして紹介してみます:そのあとオリンピックと東京都知事選についてを同じく「Happy…」さんのブログから、日を改めて。

東京オリンピックの裏で〜切り捨てられる弱者と原発事故の収束復興〜」12/31報道するラジオ(文字起こし)



・「このオリンピックですが、景気にも影響があると言われていまして、まず競技会場の整備などで東京の町に大きなお金が落ちるんですけれども、競技会場や選手村といった設備を整備するのに総額4554億円のお金が使われるとされています
・「オリンピックのための施設整備としては、メインスタジアムになる新宿区にある今の国立競技場なんですけれども、この国立競技場は解体してー。今でもこの国立競技場って5万人入れるんですよ! それを8万人が入ることができる新しい競技場に生まれ変わらせるという事なんです」・東京で取材を進めますとね、こうした華々しいオリンピックのニュースの陰で深刻な問題が起きていることが分かったんですね


・実は今の国立競技場から100mほど離れたところに東京都営の住宅がある50年前の1963年に建てられた、5階建て10棟(エレベーター無し)、400世帯が住める住宅。これが、今回の競技場の建て替えで取り壊される。東京都が突然「立ち退いてくれ」と言ってきた、住民に相談があったわけでもなくて、突然なんですよね。


・実は、この住宅は前の東京オリンピック1964年の東京オリンピックがあった時に、国立競技場をつくるために、その土地にずーーっと住んでいた人が、「つくるから」という事で立ち退きをさせられて、その代わりに住む場所としてあてがわれたのがこの都営住宅だった。今やここに住む人たちは高齢化して80代や90代の人も。そこから住宅のコミュニティーをつくって、助け合ってここを終の棲家にしようとしてきたという住宅だったんです。住む人たちにとっては言わば、「オリンピックで2度も住み替えをさせられることになる」。オリンピックというのはある意味立退きの歴史になっちゃうんだ。


・この方々の移転先は、少し離れた同じ新宿区内にある都営住宅を斡旋されたんですけれども、実はそこは今、空いている訳じゃないんです、人が住んでいるんです。どんな人たちが住んでいるのか?というと、福島の原発事故からの県外避難者の人達が住んでいるんです、その住宅に。でも、東京都としては、その人達は期限が来たら出て行くから、出て行かすから、「その後にあなた方入りなさい」という事なんですよね。
水野:「それじゃ、福島県から逃げてきていらっしゃる方は、じゃあ、どうするんですか? 玉突きみたいな恰好じゃないですか。」
千葉:「そりゃ、汚染状況から見たら福島の原発避難者はいつ帰れるかなんてわかりませんよね。で、都営住宅の住民の方々は、『福島の原発避難者を追い出す形で自分達がその後にその都営住宅に入ることなんてできない』っておっしゃるんですよね。
・さらにですね、今ある都営住宅の場所は取り壊してどうするのか? 国立競技場の観客席になるのか?と思いきや、災害が起きた時の観客の避難場所にするから、更地にして空けておくために壊すんだそうです。

◎今、400世帯のうち、残っている住人は、200人ほどになって・・・<中略>

さらに2020年の東京オリンピックというのは、前の東京オリンピックの遺産を使ってやると言われているんですけど、37の会場のうち22カ所は新しくつくるということになっているので、これ以外にも、建設資材だとか、人手も必要になってくる。で、東京はオリンピックに合わせてどんどん町を改造していくことを計画しているので、東日本大震災の復興のための建設資材だとか人手がこれからもっともっと必要になってくるのに、資材も人も東京に集まってくるということになったら、いったい復興はどうなるのか?
・実際に被災地、福島では、原発事故の作業員の人達が東京に集まってしまったら福島原発は一体どうなってしまうのか?と、心配する声が大きくなっている。今でも、「復興予算を使おうと思ったって、資材も足りない、人も足りないから使えない。だから予算も減らすんだ」なんて国は言っている。


・このオリンピックと原発の問題、あるいは復興の話がこんなに密接に繋がっているって全然知らなかった。


・もともと福島の原発のエネルギーは東京都民は享受してたわけですから、東京都民としての胸の痛みというのはあってしかるべきなんですよ。そこへ持ってきてこういう話になってくると、2月9日だったか、東京都知事の首都の顔が誰になるのか? これによって、おかしな方向へ行っちゃうのか?多少まともになるのか? もともと賛否のあった東京五輪ですから。

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