庭に咲くツバキ(椿)の花と蕾
◎12月8日、開戦記念日です。私は昭和19年生まれ、翌年が敗戦の年。3年前の昭和16年が開戦の年です。今では西暦で表しますが、この戦争に関係する年代は昭和がふさわしいような気がします。
昨日の朝日新聞の「天声人語」は真珠湾攻撃が報じられた日、勝利を伝えるニュースに敢えて背を向けるように映画館でアメリカ映画、それもアメリカ民主主義を鼓舞するような映画「スミス都へ行く」のスクリーンを、隣接するカフェのラジオから開戦のニュースと軍艦マーチが大音量で聞こえる中、食い入るように見つめる野口富士夫という作家を紹介しています。
そして、映画の内容とは皮肉な取り合わせで、当時の日本は「政敵を攻撃するため軍部にすり寄った議員がいた。政治家たちは文民統制を強める努力をすることもなく、翼賛政治に身を任せた。当時の日本にスミスを探すなら衆院議員斎藤隆夫だろうか」と書いて、「2・26事件の後の『粛軍演説』で、軍人が政治に関わろうとすることの危険を説き、戦争の収拾を求めた国会議員・斉藤隆夫」を紹介しています。
「しかし斎藤は、軍部におもねる議員たちの手で衆院を除名されてしまう。その後の日本は日中戦争の泥沼から抜け出そうと、新たな戦争に手を伸ばすことになる。日米開戦から明日で80年。」と締めくくっています。
斉藤隆夫のような演説が国会で必要とされるような時代がもう来ないことを願います。2014年12月のブログで、NHKの番組「英雄たちの選択」が取り上げた斉藤隆夫の反軍演説について書いていますので、並べてみます.:
1)開戦前夜の反軍演説(NHK/BS「英雄たちの選択」)<1> - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)
2)2・26事件直後の「粛軍演説」(「英雄たちの選択」斉藤隆夫)<2> - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)
3)「反軍演説」すべきか否か?(「英雄たちの選択」)斉藤隆夫<3> - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)
4)「反軍演説」と戦後の斉藤隆夫(「英雄たちの選択」)<4> - 四丁目でCan蛙~日々是好日~ (hatenablog.com)
🔲月曜日(6日)には岸田首相の所信表明演説がありましたが、安倍・菅政権とは違うソフトを装う岸田政権の危険性について:
🔲オミクロン株、国内3人目、初めての日本人感染者が出ましたが:
🔲衆院選で敗れた辻元氏が「敗因」と「維新の強さ」について率直に語っています。一部をコピーです。是非全文を:
衆院選から1カ月余り。自民党に絶対安定多数を許し、近畿を中心に日本維新の会に席巻された立憲民主党は泉健太氏を新代表に選び、立て直しを図る。落選していなければ確実に有力候補になっていたであろうこの人は今、どんな心境だろうか。元副代表の辻元清美氏(61)。選挙の約2週間後に語っていた敗因総括と大阪における維新の強さ、そして自身とリベラル勢力の今後とは。国民感覚とずれていた「野党第一党病」
「選挙区で負けたのは維新の力。比例で復活できなかったのは『野党第一党病』にかかっていたこと」。インタビューの冒頭、辻元清美氏は自らの敗因を端的に総括した。衆院選から約2週間後の11月15日、大阪府高槻市内の事務所。「今日刷り上がったばかり。これが第1号です」と手渡された名刺には、衆議院議員、立憲民主党副代表、同党大阪府連合代表などの肩書がすべてなくなり、名前だけが書かれていた。大阪における維新の強さは後述するとして、まず「野党第一党病」とは何か。
「一つは国民感覚とのずれ。多くの国民はすぐに政権交代ができるとは思っていなかった。望んでいたのは、圧倒的多数の自公政権から与野党伯仲の国会に持っていって、緊張感ある健全な議論ができる政治にしてほしいということだったと思うんですね。しかし立憲民主党は野党第一党であり、私は副代表という立場。政権交代の受け皿になると言わなきゃいけないという気負いがあった。それが有権者から見れば『何言うてんねん』と鼻白み、現実味を感じられなかったんじゃないかと。
もう一つは、新型コロナ禍というパンデミックを体験した人びとの意識や社会構造の変化を捉えきれなかったこと。私たちの掲げる、多様性を大事にしてパブリックの役割を守るというリベラルな考え方は、分厚い中間層がいたときには支持されやすかったのですが、コロナで格差が拡大し、不安や不公平感が広がる中で、それとは逆の維新的な主張──既得権益を指差し、『この人たちは敵だ』と憎悪に近い対立を煽る政治が支持される土壌が生まれているのを感じます。
維新は大阪の(19選挙区中、候補者を擁立した)15選挙区をすべて取り、比例近畿ブロックでは大阪と兵庫で自民党を上回るトップ、他の4府県では自民党に次ぐ2位。全国で計805万票を取り、北海道以外の全ブロックで議席を獲得した。コロナ後の社会に維新という勢力が入り込み、今後も伸びていく可能性があると私は危機感を持っています。